コスメの基礎知識

妊娠期の敏感肌にNGのスキンケア、その理由と対処法とは?

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妊活期から産後1年くらいまでは、女性の人生の中でも最も肌が敏感になる時期と言っても過言ではありません。

そんな時だからこそ、産褥期の女性のスキンケアにはNGと言われるものも多いですよね。

 

「妊娠中は弱った肌から化合成分が吸収されて赤ちゃんに影響を及ぼす」

「ヘアカラーは産後の抜け毛を助長する」

「妊活に良いアロマと妊婦に悪影響のアロマがある」

 

様々な産褥期スキンケアのうわさがありますが、実際にはどうなのでしょうか。

そのNGの理由に迫ります。

 

妊娠中に肌に触れた成分が吸収されて胎児に悪影響?!

この噂の根拠は「経皮毒」という考え方が元になったものではないでしょうか。

経皮毒に関する記事にも書いた通り、皮膚は本来排出器官であり、ちょっとやそっとのことでは成分を皮下にまで通すことはありません。

 

なんせ、大抵の化粧品成分は死んだ皮膚細胞(いわゆる垢)によってできた肌の砦である角質層を通過することすらできません。

肌荒れやアレルギーなどが原因で角質層が薄くなっていたとしても、その下にはメラニンを作って刺激に対抗する表皮層があり、さらにその下にはコラーゲンでできた真皮が待っています。

 

そんな3重の関所を通って皮下の血液に溶け出すためには、最新医学レベルの成分研究が必要です。

ましてや色素のような大きな粒子が皮下組織にまで影響を与えることは考えられません。

 

とは言え、この時期の肌に刺激の強い成分を使わない方が良いのは確かです。

機能性化粧品や医薬品レベルのスキンケアはいったんストップして、医薬部外品や化粧品で維持ケアに努めた方が良いでしょう。

 

妊娠中にヘアカラーすると産後の抜け毛がひどくなる?!

まず、産後の抜け毛は一時的なもので、ホルモンの状態が落ち着いてくると、元に戻ります。

ヘアカラーで産後の抜け毛がひどくなるというよりも、ヘアカラーを使うとだんだん頭皮が弱ってくると言った方が真実に近いのではないでしょうか。

 

妊娠中や産後に限らず、ヘアカラーはおすすめできるものではありません。

サロンで施術してもらう時の体勢も、妊婦さんには問題だと言われていますね。

 

肌が敏感になっているときは、妊娠中に限らず、ノンジアミンカラーを選ぶ、カラーバターやカラートリートメントで色あせを防ぐという保ち方をした方が良いでしょう。

 

妊娠中・妊活中に使わない方が良いアロマがあるって本当?

これは本当です。

妊活中に使わない方が良いアロマというのは特にありませんが、妊娠に気付かない超初期の妊婦さんに影響のあるアロマは存在します。

 

わかりやすく言えば、「花」の部分を使ったアロマです。

花のアロマは、妊活にとても有効で、毎日たくさん焚いていたら、諦めた頃に計画外の妊娠があったというエピソードも聞かれるほどです。

 

ところが、この強力な作用は出産を促す力としても働くため、子宮の動きを活発にして、胎児を排出しようとしてしまうのです。

普段のコスメに配合されているラベンダーやローズなどの量であれば問題はありませんが、部屋中に立ち込めるほど焚く、入浴剤として使うなど、長時間大量に使用するのは避けてください。

 

そんな花精油ですが、その性質を利用して、出産をスムーズに進めることもできます。

出産入院時の準備としてローズの精油を入れておけば、産気づいた時、ハンドタオルに少し垂らして出産を助けてもらったり、部屋のテーブルに蓋を開けておいておくことで産後の体調をいち早く元の状態に戻して貰ったりできます。

 

産後の時短ケアは化粧水やオールインワンだけでOK

よく耳にする「時短ケアは化粧水のみ」「オールインワンだけで化粧水・乳液・美容液・オイルの全ケアが終わる」という神話。

それはあくまで神話です。

 

化粧水やオールインワンゲルには、油分が含まれていません。

オールインワンゲルのあのプルプル感や粘りは、コラーゲンやヒアルロン酸などのポリマーによるもの。

これらのポリマーは、水性成分です。

 

水分は蒸発が早く、アルコールを含んだものなどは、肌の水分を奪って揮発します。

そのため単体で使うのには不向きで、化粧水やオールインワンをどうしても使いたい場合、その後に油分を含んだスキンケアアイテムを使う必要があります。

 

スキンケアをどうしてもワンアイテムで終わらせたい場合、乳液かクリームがおすすめです。

それというのも、乳液やクリームは、水性の成分と油性の成分が乳化されたものだからなのです。

 

もちろん、乳化には界面活性剤が使用されています。

肌が敏感になっている場合は合成のものは避け、レシチンなど、天然のものを選ぶと良いでしょう。

 

どうしても界面活性剤を避けたい場合、あまり一般的ではありませんが、半乳化状態の2層式オイルを使うのもおすすめです。

2層式オイル、普段は水分と油分が分離していますが、振ることによって緩く乳化されます。

完全に混じり合うことはありませんが、化粧品や美容液とオイルが2in1になっているので、時短にもぴったりです。

 

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