コスメの基礎知識

スキンケアの順番~コスメの基礎知識~

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化粧水、乳液、オイルやクリーム。
基礎化粧品によるスキンケアでは、多くの人がその順番を守っていると思います。

その順序は果たして正しいのでしょうか。
ここでは化粧品によるスキンケアの正しい順序とその理由、時短スキンケアにおける注意点をお伝えします。

基本のスキンケアは化粧水→乳液→オイル

化粧水→乳液→オイルやクリームというやり方は、多くの人が採用しているスキンケアの順番だと思います。

この順番は、紙で試してみるとよくわかるのですが、最も保湿力が高いやり方なのです。

まず、オイルを先に塗って化粧水を後に回すと、当然ですがオイルが化粧水をはじいてしまうので化粧水の意味が全くなくなります。

オイルだけだと数分後には乾燥し、肌に潤いは残りません。
同様に化粧水だけ、乳液だけで試してみると、30分後に潤いが残るのは乳液だけです。
化粧水のみの場合、数秒で乾燥し、数分後には元の紙に戻ってしまいます。

この結果からわかるのは、時短する時に飛ばす人も多い乳液に高い保湿効果があるということです。

<紙による実験結果>
化粧水のみ…5分後には表面の水分が飛び、30分後にはすっかり乾燥
乳液のみ…5分後も塗ったときとほとんど変わらない質感、30分後も表面的な潤いが残っている
オイルのみ…5分後には塗った範囲の端部分が乾燥し始め、30分後には乾燥して油染みだけが残る

乳液+化粧水…後から塗った化粧水が先に浸透し、化粧水のみの時よりも長く潤いを保っている。30分後には乳液の潤いだけが残った

オイル+化粧水…5分後にはオイルの上に載っていた水分が飛び、30分後、オイルが乾燥する頃にはすっかり見る影もなくなっている。
オイル+乳液…5分後、乳液でふさがれているはずのオイルが乾燥を始め、30分後にはすっかり油染みに。乳液はマイペースに乾燥

化粧水+オイル(撹拌)…5分後オイルの玉が水分の上に浮いている。30分後水分が飛んでオイルがムラ染みを残して乾燥
乳液+オイル(撹拌)…混ぜるとオイルと乳液がなじんで広がる。5分後もほとんど変わりなく、1時間後ようやく表面的に乾燥するも、紙自体は塗った部分全体に潤いが残っている
化粧水+乳液…乳液のみの結果とほぼ変わらず

化粧水+乳液+オイル(撹拌)…乳液+オイルと比べて浸透が早い。5分後には油分がすべて紙に浸透し、表面を水分が覆っている。1時間経っても表面の水分がまだ残っている

この実験には無香料の化粧水、乳液を使用しましたが、オイルはダマスクローズを使用。
最も香りが長く残っていたのは化粧水+乳液+オイルでした。

この結果から、化粧水から始まってオイルで終わるスキンケアが長くムラなく保湿する上で理屈に合った方法であることがわかります。

スキンケアの順序に正解不正解がある理由

 

先ほどの結果を見ても、オイル先行のスキンケアに意味がないことはわかると思います。
逆に、乳液の思わぬ重要性に驚いた人もいたのではないでしょうか。

この結果はそれぞれの特性を考えれば当然で、化粧水は水分、オイルは油分、乳液はそれを混ぜ合わせたものだからなのです。

乳液は本来混ざり合うはずのない水分と油分が混ざり合った状態で存在しています。
これは乳液に含まれる界面活性剤という成分のおかげです。

何となく怖い成分として耳に残っている人もいるかもしれない界面活性剤ですが、実は最も身近なものでは石鹸がそれに当たります。

余談になりますが、試しに水と油を入れた容器に石鹸液を混ぜてみていただくとわかると思います。
ただ、純石鹸など天然100%の石鹸は界面活性力が弱く、一度混ざった水分と油分もすぐに分離したり、泡立ってダマになったりと、あまり乳液としての使用感はよくありません。

また化粧水は水ですから、6割が水分でできている人間の体にすぐに浸透しますが、すぐに蒸発してしまいます。
オイルは化粧水に比べて長く保湿することができますが、浸透が遅いことと、水分がちな人間の肌との相性上、ムラになることが難点です。

こうして特性を考えてみると、化粧水はブースター、オイルは保湿、乳液はその均一化と維持という役割を持っていることがわかります。

スキンケアを変化させたいと思った時、これらの特性を知っておくと、柔軟に対処できるのではないでしょうか。

時短スキンケアで絶対に省略できないアイテムは乳液

仕事が忙しくてお風呂にも入れない、産後でスキンケアの時間がゆっくり取れない。
そんな時、多くの人がやりがちな間違いが、化粧水のみのスキンケアやオイルのみのスキンケアにする時短法です。

最初の項目でやった実験の結果でもわかる通り、実は化粧水だけ、オイルだけよりも乳液だけの方が保湿力、その維持力は高いのです。

その理由は2番目の項目でもお話しした通り、乳液は化粧水とオイル、両方の性格を併せ持つアイテムだからです。

また、肌表面のバリア構造は肌細胞が死んだときに細胞間脂質とNMF(天然保湿因子)という水分がレンガのように重なり合ってできているため、足りないバリア機能を補う目的のスキンケアでは、水分と油分の両方が必要だと考えられます。

忙しいとき、スキンケアをシンプルにしたいときには、乳液に1本化して、その分リッチなものを使うのも一つの選択肢と言えるでしょう。

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