「保湿はすべてのスキンケアの基本」
そう思って日夜保湿に励んでいる女性はとても多いと思います。
日中は空調などで肌が乾燥しないようにミスト化粧水をこまめに吹きかける、保湿成分が角質層に浸透するようにクリームを塗り込む、尿素配合の乳液で肌の粘度を保つなど・・・。
ところが、良かれと思ってやったこれらの保湿スキンケアがすべて逆効果で、実は乾燥肌や敏感肌の原因になっていたら・・・?
とっても怖い保湿の間違いを斬っていきます!
【目次】
NG1.保湿のためにゆっくりお風呂につかる
100%全力で保湿とは逆方向に走っている美容ケアが「入浴」です。
肌表面の角質層には、要となる油分が含まれています。
この油分というのは、4割がセラミドでできている細胞間脂質というもの。
細胞間脂質は細胞としての役目を終えた角質細胞が肌表面にとどまって、その内側の表皮や真皮を守るのに必要不可欠な存在です。
人肌以上の温度のお湯では、この細胞間脂質が溶け出してしまいます。
長時間入浴すればするほどデトックスされてきれいになるイメージはありますが、追い出しているのは毒素ではなく皮膚に存在すべき油分です。
一定の熱を一定時間加えることによってタンパク質が増加するヒートショックプロテインという考え方もありますが、身体の外側からヒートショックを与えると、当然角質層内の脂質や水分は失われ、重症の場合は表皮あ傷んで火傷してしまいます。
15分以上、人肌以上の入浴は、保湿にとっては逆効果でしかないのです。
NG2.保湿のためにミスト化粧水をこまめに吹きかける
こまめな保湿ケアは肌にとって良い影響を与えそうですよね。
スキンケアでもマッサージでも、気が付くたびにやったり、癖になるほどやったり・・・と、時を惜しまずケアしている人は本当に多く存在すると思います。
ところがこちらも実はNG。
特に、ミスト化粧水にアルコールが入っていたら、もはやそのスキンケアこそがあなたの乾燥肌を加速させていると言っても過言ではないのです。
まず、化粧水は最低でもその7割が水分でできていて、すぐに蒸発してしまいます。
アルコールはこの性質が特に顕著で、肌につけると、周囲の水分を奪ってすぐに蒸発します。
また、同時に周辺の熱も奪っていくので、血行も悪くなります。
ミストタイプの化粧水を使いたいときは、水とオイルの二層式になったものや、オイルを多く含んだミルクタイプを使うようにしましょう。
NG3.保湿成分を浸透させるためによく塗り込む
こちらはダメだと知っていてさえついついやってしまいがちな保湿ケアの失敗です。
スキンケアの時に、こってりと厚めのクリームや美容液を押し込むようにマッサージ・・・ということは、無意識にやってしましますよね。
すでにわかっている人も多いと思いますが、角質層はとても薄くて繊細です、ちょっとこすっただけでもすぐに剥がれてしまうものなので、マッサージしたい気持ちは抑えて、美顔器やエステティシャンなどプロに任せましょう。
NG4.保湿成分がよく浸透するように尿素配合の化粧品で顔のスキンケアをする
敏感肌の人がやりがちで、やってはいけない保湿ケアの失敗が「尿素配合クリーム」です。
尿素配合クリームは、膝やかかとなど、角質が厚くなった部分のケアに驚くほど有効です。
裏技として拡散されている蒸しタオルやラップパックを併用すれば、ゴワゴワだった角質は向き卵のようになります。
そんな神がかり的な効果を知っている人も多く、医薬品や医薬部外品以外の一般化粧品に配合することもできるため、尿素は絶大な人気を誇っています。
そのため、その高いポテンシャルに気付いた人の中で、尿素を顔に塗ってみたらどうだろうという発想が生まれるのは想像に難くありません。
でも、これはNGです。
角質層の厚さは、顔の皮膚で0.01~0.04mm。
そして尿素はそんな角質を柔らかくしてはがれやすくする能力があるのです。
下から生まれてくるのが本当に卵のような肌なら良いですが、そうはいきません。
敏感肌や乾燥肌の人にとっては、薄くて炎症を起こしやすい皮膚を外的刺激から守る角質層がなくなって、さらなる乾燥や感染症を招く原因です。
NG5.保湿のためにシートマスクで化粧水を美容液に・・・
この話は、知っている人は知っているでしょう。
先ほどの項目にも書きましたが、水分が中心となって配合されている化粧水や美容液は、乳液やオイルなどと比べて蒸発しやすい性質を持っています。
シートマスクを長くつけていると、成分がぐんぐん肌に浸透していく感じがしますが、実際にはパックを顔につけている間も、どんどん肌やシートマスクから水分が蒸発していきます。
どうしてもシートマスクを使いたいここぞの時は、ミルク系のパックを選ぶ、決められた時間を守り、終わったらすぐに乳液やクリームをなじませましょう。
保湿に関する重大なミスを犯さないたえにも、化粧品の特性をよく知ってケアするようにしましょう。