悩み別解消法

手のかゆみ、手荒れの種類と原因・改善のために試したいこと

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原因不明と言われるものも多い手荒れ。

敏感肌の人には簡単に手荒れする人、季節や水仕事などに関わらず常に荒れている人もいます。

皮膚科でさえ判断に迷う手荒れの種類について、その特徴的な症状と可能性があるとされている原因、改善策についてまとめました。

 

かゆみのある手荒れの種類と原因

湿疹のあるなしに関わらず、かゆみのある手荒れについてまとめました。

対処療法としてかゆみを抑える方法については、後述の「絶対悪化させない!手荒れの改善策」という項目にまとめてあります。

 

主婦湿疹・手湿疹

 

指の股や爪の周り、爪の中に小さな水泡がたくさんでき、激しいかゆみが伴います。

主に水仕事をする人に多く見られ、軽度の汗疱と間違って判断されることもあります。

原因は水を多く使ってそのままにしておいたために起こる乾燥と、洗剤の刺激によるものです。

夜も眠れないかゆみがあった症状も、いつの間にか軽減してはまた繰り返すというサイクルがあります。

 

アトピー性皮膚炎

 

幼少期のアトピー性皮膚炎が、どちらかといえば四肢に出やすいのに対し、成人のアトピーは指先などの末端に出ることがあります。

下記の乾癬や汗疱を併発している場合もあり、時には手全体が腫れあがり、熱をもって、我慢できないほどのかゆみを伴うことがあります。

原因ははっきりしておらず、食品添加物を除去することによって軽減する人、外的スキンケアによって抑えることのできる人など、対処法も様々です。

 

乾癬

 

赤く盛り上がったりジュクジュクと腫れた皮膚の上に鱗のような皮膚の剥がれが見られ、フケのように絶えずぽろぽろと剥がれ落ちる重い症状を引き起こす深刻な手荒れです。

  1. 尋常性乾癬
  2. 乾癬性紅皮症
  3. 膿疱性乾癬
  4. 滴状乾癬
  5. 関節症性乾癬

症状として多い順にこのようなものがあり、全乾癬患者の9割が1の尋常性乾癬患者です。

原因ははっきりわかっていませんが、皮膚に起こっている現象としては、アトピー性皮膚炎と同じで、何らかの理由でターンオーバーが異常加速しています。

通常表皮のターンオーバーは30日弱と言われますが、乾癬の場合わずか3日足らずでターンオーバーを繰り返します。

このことからも、皮膚表面だけに起こっている問題ではないことがわかります。

 

汗疱性皮膚炎

 

主婦湿疹・手湿疹や白癬と非常によく似た症状で、アトピー性皮膚炎などの症状と併発することがあります。

3mm程度までの小さな水泡が掌や指の股、爪の周りにでき、激しいかゆみを伴います。

10年や20年、長患いする人も多く、その間徐々に患部が広がってくることもあります。

手にできた水泡自体にかゆみはなく、水泡が割れると自家中毒のように激しいかゆみが起こります。

 

この水泡の中身は汗であると言われていて、割れてかゆみが起こるのは汗による接触性皮膚炎なのではないかと言われています。

どのような理由で汗が水泡になるのかはわかっておらず、汗をかかないようにすると良いという説、汗をかいた方が良いという説の両方があります。

 

白癬

 

いわゆる水虫です。

今回まとめた手荒れ症状の中では、唯一感染性のものです。

症状としてはかゆみを伴う水泡と、水泡が破れた後の湿潤性の皮膚炎、そこに雑菌が侵入するなどして起きる化膿があります。

原因は真菌感染ですので、抗真菌剤によって比較的簡単に改善が望めます。

 

接触性皮膚炎

 

症状は赤み、かゆみ、湿疹など様々ですが、特定の物質に触れることによって起こる皮膚炎です。

知らず知らずのうちにアレルゲンに触れていたり、風邪や生理前などで体力が落ちた時などに刺激の強い植物に触れるなどした場合に起こります。

症状は短期間で収まることが多く、かき壊しや化膿などがなければ深刻化することはあまりありません。

 

かゆみのない手荒れの種類と原因

手荒れの中でもかゆみのないものについてまとめました。

痛みを伴う場合もあるため、次の項目「絶対悪化させない!手荒れの改善策」に痛みの緩和策もまとめています。

 

掌蹠膿疱症

 

小さな膿疱が掌全体にできます。

主婦湿疹や汗疱とは違い、水泡は化膿しているため、痛みを伴います。

合併症として、1割~3割程度の人に激しい痛みを伴う骨関節炎が見られます。

やはり原因はよくわかっておらず、有効な根本治療法も見つかっていません。

患者における喫煙者の割合が高いことから、タバコとの関連性も疑われています。

 

あかぎれ・乾燥性皮膚炎

 

冬の間や水をよく使う人に起こりやすいのが乾燥性皮膚炎やあかぎれです。

乾燥が原因のため、比較的簡単に改善することができ、季節によっては全く症状が起こらないときもあります。

あかぎれや乾燥が進むと、手指が腫れて熱を持ち、痛くて手を握ることもできなくなることがあります。

 

絶対悪化させない!手荒れの改善策

アトピー性皮膚炎、汗疱、乾癬、掌蹠膿疱症などの原因不明、対処や根本治癒が難しい手荒れが起こってしまったら、これ以上悪化させないことが重要です。

基本的な心構えとして、

・手を使う作業が多い時には手袋、できなければワセリンなどの単純な成分のオイルを塗る

・水を使った後はセラミド配合クリームで保湿する

・切れたりジュクジュクした部分をカットバンなどで密閉しない

ということをできるだけ守るようにしてください。

 

皮膚科の処方薬で治療する場合、ビタミンD3剤とステロイド剤での外用治療が最も初歩の治療となります。

ステロイドについては他の記事ででも何度か触れていますが、一時的に激化した皮膚症状を短期間抑え込むのにはとても有効な方法ですが、原因不明であり、完治の見込みが不透明な症状に対しては、皮膚の能力を低下させ、さらなる皮膚症状を招くだけです。

 

ビタミンD3治療は依存性もなく、皮膚委縮のような副作用もないため、穏やかではありますが、長期間の使用が可能です。

実はこれら原因不明の手荒れには、ビタミンD3の他、ビオチンの内服も共通して有効であると臨床的に言われています。

全く効果がないとの声もあり、一概にビオチンによって改善するとは言えませんが、ビタミンの一種であり、比較的安価で簡単にサプリメントとして手に入れることができるものなので、試して損はないでしょう。

 

また、添加物の多い食品で悪化する人も多いため、市販のお菓子類は控えるようにして、食べたときに症状が悪化するかを観察してみると良いでしょう。

食べ物から手荒れを改善するのは有効のようで、医食同源と言われる漢方薬によってアトピーが改善したという声は多く聞かれます。

漢方では症状によって薬が決まるわけではなく、その人の体質と現在の体の状況、精神の状態などを総合的に判断して処方されるものです。

安易に市販のものを購入して逆効果となるよりも、漢方薬局や薬局の漢方相談コーナーに行って、一度相談をしてみると良いでしょう。

 

また、手荒れの症状自体はそれほどひどくなかったものの、強いかゆみによって掻き壊してしまう時があります。

強いかゆみへの対策としては、順に

・かゆみ止め内服薬を飲む・・・アトピー性皮膚炎、汗疱、乾癬、掌蹠膿疱症の場合はスラジンAや小粒タウロミン、主婦湿疹や乾燥性皮膚炎の場合は一元 温清飲、消風散がおすすめです。

・患部を保湿する・・・ワセリンで患部を保湿します。乾燥によるかゆみが緩和されます。

・患部を冷やす・・・保冷材を握りこむなどして冷やします。冷やしている間しか効果はありませんので、長時間握って冷やしすぎないように気を付けましょう。

・かゆみ止め外用薬を使用する・・・ラナケインS、オイラックスHなどを使用します。オイラックスは非常に強いかゆみ止めで、ステロイドが配合されているため、本当にかゆいときだけの使用にとどめましょう。また、真菌性のかゆみには効かないため、白癬には効果がありません。

 

痛みが強い場合は、まずリドカインという局所麻酔成分配合の外用薬を使用します。

これはかゆみ止めラナケインSやフレディ メディカルクリームAなどにも含まれている成分で、痛みにもかゆみにも同じように作用します。

その上から油分の多いクリームなどで保湿し、手袋で保護しましょう。

全く痛くなくなるということはありませんが、手の曲げ伸ばしが多少自由になるなど、我慢できないレベルからは解放されるはずです。

 

 

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