寒い冬があけて、早くも昼間には紫外線が気になり始める季節に突入しました。
冬の間は昼間でもBBクリームやUVクリームの上にパウダーをはたいただけの状態で外出していた人も、最高気温が20度を超えるようになってくると、それだけでは不安になり始めると思います。
だからと言って、UVベースにUVカット機能付ファンデーション、UVパウダーに日焼け止めスプレー・・・というような重ね塗りはほとんど意味がありません。
春から初夏にかけて、肌に負担が少なく、しっかりUVケアができる正解対策法について探ってみましょう!
【目次】
5月と7月の紫外線量はほとんど変わらない
紫外線量と言えば、1年の中でも7月8月が最も多いイメージがあると思います。
最近では「冬こそ紫外線対策を」という化粧品メーカーなどもありますが、昼間にUVケアをせず1時間歩いた後のダメージを考えても、やはり夏の紫外線は1年間でも最も威力がありそうな気がしますよね。
2016年の国立環境研究所有害紫外線モニタリングネットワークの観測によると、年間のUV-B波量は1位が8月、2位が7月という予想通りの結果になっています。
(参考画像は気象庁より)
ところがよく見てみると、5月のUV-B波量は、ほとんど7月と変わりがありません。
4月末から5月にかけての連休であるゴールデンウィークに旅行すると、気温は7月ほど高くなかったのに、肌が痛くなるほど本格的な日焼けをしてしまうこともありますよね。
また、同じデータ上でUV-A波の量を見てみると、1位は5月、次に8月、次いで7月という順位になっているのです。
つまり、UV-A.,Bを総合して考えると、年間で最も紫外線が降り注ぐと言っても過言ではない季節は、桜の花が落ちてすぐにやってくるということになります。
紫外線A波とB波の違いとは
上記データにもあるように、人間に有害な紫外線の波長にはUV-A波とUV-B波があります(一部ではUV-C波の危険性も懸念されていますが、確定したデータではないためここでは割愛します)。
それぞれの特徴についてみてみましょう。
紫外線A波がもたらす肌への影響
地上に降り注ぐ全紫外線の内、95%を占めるのがこのUV-Aです。
UV-Aの波長は315~400nm(ナノメートル)、ブルーライトの波長が380~500nmという定義になっているので、紫外線の中でも高いエネルギーを持つ波長ではありません。
ただ、紫外線の中でも最も肌の奥にまで影響しやすく、UV-Aを浴びるとそのうちの20~30%は真皮に達すると言われます。
また、赤くなったり激しい炎症を引き起こしたりしないことから、気付かない内にジワジワと老け顔を進行させてしまうのがこの波長なのです。
紫外線B波がもたらす肌への影響
海や山へ出かけ、夏の日差しに焼かれて肩や背中が赤く腫れあがり、やがて黒くなって皮がむけ、最終的にはシミになる・・・という経験をしたことがある人は多いでしょう。
このような日焼けらしい日焼けの反応は、UV-Bによるものです。
UV-Aとは対照的に、そのエネルギーは強いものの、真皮にまで届く波長ではありません。
UV-Bが届くのは表皮層までで、表面的なシミの原因となります。
UV-A量が最も多くなる季節に向けてのUVケア
国立環境研究所有害紫外線モニタリングネットワークの観測では、3月4月のUV-Aの値は9月より高くなっています。
UV-Bにおいては、4月と9月の値が同程度なので、比較的UV-Aに対する警戒を高く持つことが必要です。
UV-Aを防ぐために必要なのは、PA値が高い日焼け止めです。
PA値とはProtection Grade of UVAの略で、その効果の高さは、低い方からPA+、最も高いものでPA++++までの4段階で表されます。
UV-Bを対策するためにはSPF(Sun Protection Factor)値の高いものを選ぶ必要があります。
こちらはUV-Bから受ける影響を遅らせる効果を表す値です。
春から初夏にかけての具体的な紫外線対策
3月から5月までは、真夏よりもUV-A量が多くなることもある時期のため、SPF値よりもPA値を重要視して選ぶと良いでしょう。
この時期は、日焼けをしている実感がなくても、肌は確実にダメージを受けています。
また、高いPA値のものを選んでいても、汗や接触によって日焼け止めが落ちると、その効果は薄れます。
PA++++のものを塗って1日中放置しているよりも、PA++のものを2時間おきに塗りなおす方が日焼け止め効果は高く保てます。
また、「落ちる」という観点から見ると、選ぶアイテムも重要です。
あまり知られていないことですが、ファンデーションの顔料には紫外線散乱効果のある酸化亜鉛が使われているため、UV効果をうたっていないベースメイクアイテムでも最低限の紫外線対策ができます。
ただ、パウダーや粉状の製品の場合、油分を多く含むファンデーションと比較して、落ちるのが早いという難点があります。
そのような理由からUV効果を表示しない製品もありますが、逆に落ちるとわかっていても表示している製品もあるということになります。
UV対策のために選ぶ場合、厚塗りになる必要はありませんが、最低でも2アイテム以上でUV対策をするようにしましょう。