コスメの基礎知識

化粧品の「好転反応」ってなに?かぶれや炎症とはどう違う?

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普通肌の人にとっては、気軽で楽しみでもあるだろう基礎化粧品の「浮気」。

敏感肌の人にとっては一大事であり、不安が付きまとうものですよね。

 

特に、化粧品を変えてすぐに起こるヒリヒリや赤み、湿疹などは、すぐにでもその化粧品の使用を中断したくなるほど。

ところが、化粧品によっては、そんな肌の反応を「好転反応」と言って、そのまま使い続けることを勧めるものもあります。

 

化粧品の好転反応とはどんな症状のことを指すのか、本当にそのまま使い続けてもいいものなのかをお話ししていきたいと思います。

 

化粧品かぶれとどう違う?好転反応とは

好転反応という言葉は、医学用語のようでいて、実は医学には全く関係のない言葉です。

元々は漢方や東洋医学の考え方である「瞑眩(めんげん)反応」を参考にして生み出されたもので、実際には東洋医学などとも関係がありません。

 

科学的根拠がある「瞑眩反応」

 

元となった東洋医学の考え方として最も身近なものに「揉み返し」という瞑眩反応があります。

揉み返しとは、鍼灸や古式のマッサージなどを受けた際、いったんすっきりしたはずの体が、翌日になってだるくなったり、重くなったりするもの。

強い場合には筋肉痛のような痛みがあります。

 

これは、マッサージや治療によって、筋肉を損傷しているから起こることで、施術者によっては事前に説明を行う人もいます。

筋肉の損傷というと、施術が失敗しているように感じますが、筋肉は損傷するとそれ以上に回復しようとするものであることは、トレーニングをする人の間ではよく知られている話です。

 

つまり、マッサージや鍼灸などでは、患者本人の体が持つ回復力を利用して治療を行っていて、揉み返しは副作用や反作用ではなく、起こるべき反応です。

 

科学的根拠はない「好転反応」

好転反応は、このような伝統医学の治療法やその経過における反応に着想を得て作られたことが想像される言葉で、瞑眩反応とは似て非なるものです。

 

その概要は、新たなスキンケアなどを導入してすぐに起こる湿疹などの皮膚反応は、これまで肌にたまっていた良くないもの(代表的なものとしては老廃物が頻繁に挙げられる)が表面化したものであり、一定期間を過ぎると劇的に症状が良くなるというもの。

 

この好転反応は、瞑眩反応とは違い、理論的にも科学的にも根拠がありません。

よく聞かれる例としては、新しいスキンケア化粧品を購入し、すぐに湿疹などの反応が出たので化粧品カウンターに相談すると、「それは好転反応ですから、もう少し我慢すれば良い反応が得られますよ」とアドバイスされるというもの。

 

つまり、「その反応は副反応や成分が悪かったわけではなく、我慢さえすればきれいな肌が得られるのだ」という言い分を正当化したい化粧品販売者側のクレーム回避意識から生まれた言い訳法のひとつが「好転反応」なのです。

 

好転反応を起こす化粧品は存在する

好転反応と似て非なる反応を起こす化粧品もあります。

美白化粧品やアンチエイジング化粧品などの機能派化粧品から、天然の成分をたくさん配合している自然派化粧品やオーガニック化粧品にスキンケアを変えたときに起こる肌の変化は、当初あまり良いものではなかったりすることがあります。

 

それまで合成ポリマーなどで肌表面に人工的な皮膜を作っていたために、それがなくなったことで乾燥を感じることなどがそれに当たります。

合成ポリマーは特別危険性の高い成分ではありませんが、単に「潤った感じ」を出すためのものなので、実はあってもなくても肌の状態はあまり変わりません。

 

植物成分を中心に作られている化粧品などでは、効果が強い反面、副反応も強く出る場合があります。

例えばアロエエキスは非常に高い抗炎症作用を持っていますが、刺激も強く、敏感肌で肌が弱い人にとっては余計にかぶれてしまうこともあります。

 

オーガニックコスメによる好転反応

 

天然アロマを高濃度で配合するオーガニックやナチュラルコスメの中には、使用し始めてしばらくは、ぼーっとしたりくらくらしたりという、肌とは関係ない好転反応のようなものが起こる場合があります。

これはアロマが自律神経に働きかけて、副交感神経が優位になっているためです。

特にラベンダーやローズのアロマは入眠をスムーズにする医薬品にも配合されているほどリラックス効果の強いもののため、特に昼間の使用には合わない場合があります。

 

自律神経は、昼は交感神経、夜は副交感神経が働くのが通常ですが、現代人は遅くまで起きていたり、夜間も灯りが絶えないことから交感神経が働きすぎていると言われています。

そのため、自律神経失調症は現代病となっているのです。

オーガニックコスメの多くは夜間の副交感神経をしっかり優位にするためのアロマが配合されているので、朝使うと眠気を誘ったり、集中力がそがれたりすることがあります。

 

オーガニックコスメは昼間の香り、夜の香りを意識して選ぶことでこのような反応を軽減することができます。

 

【集中力を高めるアロマを持つオーガニックコスメ】

琉白 シークヮーサーシリーズ

 

柑橘系の香りは朝や食後のぼーっとした頭をすっきりとさせ、交感神経のスイッチを入れて集中力を高めてくれます。

仕事に出かける朝のメイク前に、休憩後の化粧直しに、もうひと頑張りしたい午後にぴったりのさわやかな香りです。

全商品にオーガニック認証「エコサート」を取得済み。

琉白 月桃スキンケア4点トライアルセットの詳細・レビューはこちら

 

【深い眠りに導くオーガニックコスメ】

HANAオーガニック

 

ローズやイランイラン、ラベンダーなどの精油をたっぷりと使用し、バラのベッドに眠っているような深い香りが楽しめるアロマを配合しています。

アロマテラピーの教科書にも採用されている美しい香りは交感神経がとがりがちな現代女性の眠りを上質なものへと導いてくれます。

スキンケアラインのオーガニック原料含有率はいずれも90%を超えるストイックな配合となっています。

HANAオーガニック トライアルセット ブライトの詳細・レビューはこちら

好転反応と肌トラブルの見分け方

天然化粧品の好転反応と副反応の違いを見分けるには、自分の肌を普段から良く知っておく必要があります。

特に敏感肌の人は、毎日日替わりで違う肌トラブルに襲われることも珍しくありません。

そのため、自分の肌が基本的にはどんな状態で、どこからが異常な状態、トラブルを起こしている状態なのかをしっかり把握しておきましょう。

 

その上で、好転反応と肌トラブルである化粧品かぶれを見分けるポイントがあるとすれば、好転反応は「肌の状態の範囲にに収まる」ということです。

例えば何のトラブルもない健康な肌でも、生理前になれば状態はいつもより悪化します。

その上で、湿疹やニキビができてしまえば、それは肌トラブルです。

 

いつもニキビのある人が、少しニキビが増えたり、いつも乾燥している人がさらに乾燥したりというのは、肌の振り幅の範囲内と言えるでしょう。

その場合、すぐに使用を中止して化粧品を捨ててしまうのではなく、1週間くらいは様子を見ても良いでしょう。

 

逆に、いつもはニキビなんてできない肌に急にニキビができたり、脂性肌がいきなり粉を吹いたりというのは明らかにトラブルが起きています。

決して好転反応ではないので、使用を中止して、ひどいようなら医師の診断を仰いでください。

 

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