前回、前々回と、乾燥やたるみなど、大きな原因をベースに持つ肌悩みについて、「1つ1つの要因にばらして少しづつ解決する」という方法をお話ししてきました。
今回は、泣きそうなくらい肌が汚くて途方に暮れている人がやるべきスキンケア、まずはどちらに進めばよいのか考える記事の最終回、毛穴悩みの解決法です。
実は原因がたくさんある毛穴悩みの種類
肌が汚い・・・その言葉に「不潔」というニュアンスはあまり含まれていないことが多いと思います。
言い換えれば「肌が弱い」「肌トラブルが多い」というイメージで使っている人がほとんどなのではないでしょうか。
ただ、そんな中でも、その言葉通り「汚い」という印象があり、目立つと大きなコンプレックスになってしまうのが毛穴の悩みです。
実は毛穴悩みと不潔さは、ほとんど関係がありません。
そのため、イメージの違いでスキンケアを誤ってしまう人も多いのです。
ここでは、ポピュラーな毛穴悩みと、毎日の解決法をお話しします。
実はそれほど汚くない毛穴の黒ずみ
特に鼻や下着の当たるラインで起こりやすいのが毛穴の黒ずみです。
毛穴の黒ずみが一番気になるのは、女性の場合、小学校高学年~中学校に入った頃ではないでしょうか。
女性ホルモンの分泌量が増え、皮脂の分泌が活発になるので、それまで意識したことがなかった毛穴汚れが気になり始めるようになります。
実はこの黒ずみは、ほとんどが汚れではありません。
皮脂は分泌されて5時間ほど経つと、酸化し始めます。
酸化した皮脂は黒くなるので、毛穴から見えている部分の皮脂がまるで何日も放置されているように汚く見えてしまうのです。
酸化まで5時間ですから、朝晩ケアしたところで追いつくものではありません。
ではどうすればいいかというと、朝の洗顔後に抗酸化物質を含む化粧品でケアすること、昼休憩に入る前に1度あぶらとり紙でさっと皮脂を抑えることでグッと毛穴の黒ずみを抑えることができます。
スクラブ洗顔でごしごしこすったり、毛穴パックで毛穴から皮脂を無理やり引き抜く必要はありません。
また、下着のこすれる部分は酸化に加え、毛穴の入り口自体がくすんでいます。
こちらもごしごしこすって洗ったりせず、時々柔らかいタオルやティッシュで皮脂をケアし、締め付ける下着や静電気の経つ下着を控えるようにすることで解決します。
毛穴の広がりはたるみのせいであることがほとんど
毛穴悩みへの誤解は何も黒ずみだけではありません。
広がってクレーターのようになっている毛穴で悩んでいる人の中には、毎日収斂化粧品で毛穴を引き締めようとしている人もいるでしょう。
実はこれには一時的な効果しかありません。
毛穴は立毛筋という筋肉によって開閉をコントロールしていますが、この筋肉の働きは、さらに自律神経によってコントロールされています。
寒いときや緊張した時には交感神経が働き、立毛筋が働いて毛穴が閉まります。
収斂化粧品にはアルコールが配合されていて、肌の水分を奪って一瞬で蒸発するため、肌表面の温度が一気に下がります。
この冷えによって、立毛筋に力が入るのです。
もちろん、筋肉がずっと緊張しているわけではないので、肌温度が戻ると、毛穴も開きます。
毛穴の開きは、前回の記事にも書いたように、たるみが原因であることがほとんどです。
一度空気の入った風船は、空気が抜けるとシワシワにたるんでしまいますが、あの状態では表面の凹凸も目立ってしまいます。
それと同じように、肌も真皮がしぼんでしまうとアラが目立ってきます。
「肌汚い・・・!」原因分析で少しずつ肌改善する方法とは?2を参考にたるみを解消するケアを心掛けましょう。
毛穴が筋になった大きなシワ
40歳頃になると、頬にあった乾燥ジワがつながって、斜め下に向かって大きな表情ジワを形作り始めることがあります。
実はこの乾燥ジワ、たるんでしずく型に伸びた毛穴から発展したものの場合があります。
真皮が痩せ始め、たるんでくると、肌は重みに耐えることができず、斜め下に向けて落ち始めます。
その時、毛穴も引っ張られて下へ向けて伸びます。
これがどんどん進んで線状になり、シワのように見えてしまうのです。
長年培われた表情ジワと違い、乾燥とたるみが原因となる「毛穴シワ」は、両方を根気よくケアすることによって、比較的簡単に改善します。
「肌汚い・・・!」原因分析で少しずつ肌改善する方法とは?1と「肌汚い・・・!」原因分析で少しずつ肌改善する方法とは?2
の両方を参考に、乾燥とたるみのケアを順番に行いましょう。
このシリーズでお伝えしたケアは基本中の基本です。
美肌は1日にしてならず。
乾燥肌が改善し始めた、ニキビ跡が改善しているような気がする・・・そんな風に感じても、再び「ここから一気に見違えるような美肌を」と欲張るのではなく、どれから改善を目指すのか順番を決めて、毎日コツコツ1つずつ悩みを解決するスキンケアを続けていくようにしましょう。