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【処方薬・市販薬】皮膚炎を治すために守りたい薬のルール

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敏感肌の人の多くが1度は悩まされたことのある皮膚炎の悪化。

そんな時に即効性のある皮膚炎の薬を処方されたり、大きく第一類~第三類までに分類される市販薬を利用することも、多くの人が経験していると思います。

化粧品も医薬品も自己管理による責任が重くなっている現在、処方薬や市販薬も、何となく使っている危険性は低くありません。

ここでは主な皮膚炎薬の作用・副作用と、効果的に使用するための注意点についてお話しします。

 

皮膚炎に使用する時に気を付けたい処方薬・市販薬のルール

みなさんは、病院で薬を処方されるとき、その注意点や飲み合わせ、副作用などについて納得するまで説明を受けたことがありますか?

また、市販薬を買う時に、説明書を説明書を隅々まで読むでしょうか。

 

自身を持って「YES!」と答えられる人は少数派かもしれません。

それほど医師の処方や市販薬の安全性は信頼されているということですが、いかに安全であっても、効果がなければ薬を使う利点はありません。

皮膚の薬にありがちな、間違った使用法や症状の見込み違いによる悪化などについてお話しします。

 

ステロイド薬、抗ヒスタミン剤と抗真菌薬、抗生物質、抗ウィルス剤、よく似た症状に使用される薬の違い

 

 

赤くなってかゆくなり、カサカサしたりジュクジュクしてくる、皮膚炎はどれもとても症状が似ています。

ニキビと似た毛嚢炎やマラセチア真菌炎などを、初見でしっかりと診分けて適切な薬を市販で購入できる人はかなり少ないはずです。

実は医師でさえ皮膚炎の診分けは難しく、軽い皮膚炎であれば試しにこの薬を出して、効かなければこの薬、というような処方の仕方をしている場合もあります。

 

このよく似た症状によく処方される皮膚薬は、実際には全く似ていないものだということを覚えておく必要があります。

その効き目の違い別に説明したいと思います。

 

【外的刺激を攻撃・抑制する薬】

抗真菌薬、抗生物質、抗ウィルス剤の3つは、その作用もよく似た薬です。

抗真菌薬は特定の菌を、抗生物質は真菌以外の幅広い菌を抑制する効果を持ちます。

抗ウィルス剤はその名の通りウィルスに対して効果を発揮しますが、殺菌効果はなく、それ以上の増加を防ぐという働き方をします。

 

菌とウィルスの違いは大雑把に言えば「大きさ」で、ウィルスより体の大きい菌は自己増殖することが可能ですが、ウィルスは自分で増えることができないため、宿主に取り付いて増えるという違いがあります。

体は菌がこれ以上増殖しないよう、またはウィルスを体から追い出すために免疫反応を起こします。

これが「炎症」で、皮膚表面で炎症が起こったものを皮膚炎と言います。

 

抗真菌薬、抗生物質、抗ウィルス剤は、原因となる外的刺激を直接攻撃することによって、炎症を早く終わらせる効果があります。

いわば炎症の援軍とも言うべき薬なのです。

このタイプの薬は、抗ウィルス剤ならウィルス、抗真菌薬なら真菌と、ピンポイントな敵にしか効きません。

つまり、抗ウィルス剤を使うべきニキビ治療で、マラセチア真菌感染との診断違いを犯すなどの見込み違いによって、治療期間が長引くことがあります。

 

また、抗生物質は幅広い細菌に効果を発揮するため、体に住んでいた常在菌までをも殺してしまいます。

抗生物質に慣れた「耐性菌」が広がり始めていることもあり、長期間気軽に使えるものではないことを理解して使用したい薬のひとつです。

 

【炎症を抑制する薬】

ステロイド薬や抗ヒスタミン剤は、炎症自体を起こせないようにしたり、抑え込む効果があります。

抗ヒスタミンは炎症反応の一種であるアレルギーを起こすのに必要なヒスタミンの結合を阻害します。

ステロイドは免疫反応を抑制するため、塗布(服用)直後は原因を問わず炎症を鎮めることができます。

 

基本的にこのタイプの薬は、我慢できない皮膚炎の劇症やかゆみを抑え込んでいるうちに、原因が解決することが見込まれる場合に使われます。

接触性皮膚炎や水仕事などによる手荒れなどの場合、洗剤や衣類などを換えることによって原因を絶つことはできますが、ひどい炎症が起きていた場合、すぐには治らないのでステロイドを使用することがあります。

 

また、花粉症や大掃除などによるハウスダストアレルギーの激化などに抗ヒスタミン剤を使用することは効果的ですが、アレルギーを治す効果はありません。

どちらも過剰とは言え、体が必要と判断して起こしている反応を止めているため、長期に服用して症状が改善することはありません。

 

特にステロイド薬は、本来必要な炎症を止めてしまうため、使用中に原因が解決できない場合、問題は悪化の一途をたどることになります。

どうして皮膚炎が起こっているのかわからない場合、ステロイド薬の使用は避けることをおすすめします。

 

処方薬と市販薬、その大きな違い

薬局やドラッグストアの数も増え、営業時間も長くなっている現在、市販薬はとても身近なものになりました。

そんな市販薬の中には、アレグラのように処方薬と同じ販売名を持つものもあり、なんとなく全く同じものと考えて使用している人も多いと思います。

 

実は、処方薬と市販薬に明確な区切りはありません。

一般に「処方薬は強力で、市販薬はマイルド」というイメージを持たれがちですが、それは違っています。

先ほど例に挙げたアレグラという抗アレルギー剤も、病院で出される処方薬「アレグラ錠」と市販の第二類医薬品「アレグラFX」は、成分や用法用量ともに全く同じ内服薬です。

市販されるようになって重宝している人も多いロキソニンとロキソニンSも全く同じ処方になっています。

 

処方薬と市販薬の違いは、薬にあるのではなく、「処方」という行為自体にあります。

医師による対面での診察では、その人の年齢、既往歴などの基本的な情報から現在表面化している症状までを総合的に判断して薬を決めます。

 

豊富な知識や経験を持った人が、原因について考慮しながら薬を選ぶことができるという点が、処方薬が良く効く理由です。

ですから、一度全く同じ症状で診察を受けて処方された薬は、処方の同じ市販薬を購入しても当然良く効きます。

また、処方薬には作用、副作用ともに命に関わるような重篤な効果を持つものがあります。

 

もちろん全ての市販薬に、どんな人の使用にも安全が保障されるというわけではありませんが、処方薬の中には「確実に」使用する人の体質や症状によっては重大な効果や副効果を表すものが存在します。

そうした薬は当然医師の処方のもと、薬剤師を通して販売される決まりになっています。

 

皮膚の薬にはそのような重大な作用や副作用をもたらすものはあまりありませんが、処方薬には使用に際しての不安を払しょくしてくれるという役割もあるでしょう。

 

第一類、第二類、第三類…市販薬の区分

こちらも何となく第一類が最も効果が強く、第三類が最もマイルドな効き目であるというイメージが強い市販薬の区分ですが、それはほとんど正解と言っていいかもしれません。

 

第一類医薬品は、簡単に言うと「作用・副作用が強い、使用に際して特に注意が必要な薬など」、第二類医薬品は、第一類医薬品に指定されている薬以外で「副作用や謝った使用法などによって日常生活に支障をきたす可能性のある薬など」、第三類医薬品はそれら以外の、比較的取り扱いが容易な物、医薬品としての実績が長く、重篤な副作用があまり報告されていないものなどの医薬品となります。

 

効き目の強い皮膚炎の薬の多くは第一類、第二類に含まれるため、市販薬で皮膚炎を治すには、薬への十分な理解が必要です。

 

 

 

 

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