コスメの基礎知識

メイクのまま就寝VSシートクレンジング、肌に負担なのは?

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夏になると、お祭りやビアガーデンなど、楽しいことがいっぱい待っていますよね。

ついついハメを外して帰宅が遅くなってしまうこともあると思います。

そんな時やってしまいがちな「2大肌に負担になる行為」が、メイクを落とさずに寝ること、シートクレンジングでざっとメイクを落とすという行為です。

 

もちろんどちらも肌に大きな負担になりますが、本当に疲れてもう何もできないくらいの時には、果たしてどっちが肌にとってより負担が大きいのか、負担になると言われている根拠を元に検証してみたいと思います。

 

長時間メイクを落とさないことはなぜ肌に刺激になるのか

メイクを落とさずに寝るなんて恐ろしい!

そんな風にメイクのまま寝ることに恐怖を感じる人もいると思います。

でもなぜ長時間メイクを落とさないことがそれほど肌に悪いのかというと、答えに詰まってしまいませんか?

メイクを長時間落とさないでいることが肌の負担になる原因から、その刺激の強さについて考えてみたいと思います。

 

コスメに含まれる多量のオイルによって引き起こされる刺激

 

「メイクを長時間付けたままにしておくのは肌にとって危険」この事実は間違っていません。

デイリーメールの記者が体を張って行った実験によって、メイクを落とさずに寝ることによって、1ヶ月で肌の年齢が10年も早まったという結果が出ました。

(参考〈英文〉:http://www.plurielles.fr/beaute/soins/dormir-sans-se-demaquiller-une-grave-erreur-la-preuve-en-images-8235397-402.html

 

これは、そもそもコスメ自体が肌に全く刺激のないものではないということにも原因があります。

ファンデーションや下地など、特に肌に長時間密着させ、落ちないように設計されているベースメイクは、多量の油分が含まれています。

この油分は時間が経つと酸素や活性酸素と結びつき、酸化します。

その時間というのが、およそ5~6時間程度なのです。

 

人間の肌にはもともと皮脂分泌があり、油分の酸化は当たり前に起きることです。

当たり前に起きる程度の酸化脂質には、害と言えるほどの問題はありませんが、過度の脂質が酸化した状態である「過酸化脂質」は、悪臭を発する、皮膚の常在菌のエサとなり、過剰な活性化を招く、皮膚へのストレスによって活性酸素を生み出し、細胞を過脂化させるなど、悪事の枚挙に暇もありません。

 

これは使っている化粧品の質や天然成分であるということには関係なく起こることで、オーガニックのベースメイクを使っていても同じです。

 

ふき取りクレンジングによって与えられる肌への負担

メイクを残したまま寝るとこによる肌負担の原因と弊害については前項でお話ししました。

では、1日の中でも紫外線に次いで負担を心配する人の多いクレンジング、その中でも負担度最大との悪名高いふき取りクレンジングはどうでしょうか。

メイクしたまま寝る負担の検証と同じように、肌に悪いとされる原因とメカニズムを追ってみたいと思います。

 

ふき取りクレンジングの難点は、石油系界面活性剤と油分、ふき取りによる摩擦

 

メイクをしたまま寝ることとは違い、ふき取りクレンジングには複数の不幸な条件が重なり合って、その肌への負担を大きくしています。

複数あるシートクレンジングの不幸について、ひとつづつ見ていきましょう。

 

不幸1.合成界面活性剤

 

ひとつは、他のあらゆるクレンジング剤に言えることですが、クレンジングすること自体、肌にとって負担の大きい行為だということです。

 

クレンジング剤には必ず何らかの界面活性剤が入っています。

界面活性剤は油分と水分を混ぜ合わせる効果のある成分で、油分と水分の混じり合ったものにはすべて界面活性剤が含まれていると考えて間違いありません。

牛乳やマヨネーズなどは、天然の界面活性作用によって乳化(油分と水分がまじりあった状態)されています。

 

クレンジング剤は界面活性剤のその性質を利用して、油分を多く含んだメイク汚れを溶かし出して浮き上がらせます。

その際、旧表示指定成分と呼ばれる指定添加物に含まれるような強力な石油系界面活性剤は、肌表面のバリア層を形成していた水分や油分の構造を破壊してしまいます。

 

ただ、肌細胞は毎日代謝しているので、肌内部に問題さえなければ、界面活性力のマイルドなクレンジングに換えるだけで、バリア層はゆっくりともとに戻っていきます。

 

不幸2.ふき取りの刺激

ふき取りクレンジングのふたつ目の問題は、強力な界面活性剤によって乱れたバリア層を、ふき取るという行為によってさらにめちゃくちゃにしてしまうということです。

天然の界面活性剤であっても、界面活性力が全くないわけではないので、シートによってごしごしふき取るのは、不安定になったバリア層をさらに乱してしまう行為に他ならないのです。

 

不幸3.残留オイル

 

さらに3つ目は、シートクレンジングは、その多くがオイルインであるということです。

通常、クレンジングの後は浮いた油分を洗い流しますが、どうしても疲れてきちんとクレンジングできないという時、シートクレンジングの後に油分が残らないようにしっかりすすぐという人はいないのではないでしょうか。

 

ざっと水をかぶっただけでは、顔の端まで油分を流せていないので、その油分が残ったまま、数時間後には酸化し始めます。

酸化したオイルが肌にどういう負担をかけるのかは、メイクしたまま寝る負担の項目でお話しした通りです。

 

このようにふき取りクレンジングは肌にとても負担の大きいものです。

ただ、天然の界面活性剤を使用したオイルフリーのものに換えるだけで、ふき取りクレンジングは一気に肌への負担を減らすことができます。

 

長時間メイクVSシートクレンジング、肌負担の大きさは長時間メイク!

メイクしたまま寝るか、シートクレンジングか…そんな2択を迫られたとき、どちらを選ぶにしても、肌には最低限の刺激で済むようにしたいですよね。

 

そう考えたとき、長時間メイクは、ケミカルな原料でもオーガニック原料でも脂質の酸化が起こるので、肌負担の原因を回避するどころか、緩和することもできません。

また、いったん過酸化脂質が発生してしまうと、連鎖的に肌への負担が続くことになり、最悪は肌内部の細胞を傷つけることになってしまいます。

 

一方シートクレンジングでは、絶対に避けられない最低限の刺激は、天然界面活性剤による最低限の乳化と、ふき取りによる刺激だけです。

肌にとって良くないことは確かですが、肌が健康なら回復することができ、あとくされは少ないと言えます。

 

忙しい毎日でへとへとになっていて、どうしてもメイクを落とすのが億劫な時は、最低限、ふき取りでもクレンジングをすることを忘れないでくださいね!

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