「絶望的に肌が汚い!」
自分の肌を一度汚いと思ってしまうと、冷静に状況が判断できなくなってしまうもの。
乾燥肌の上、ニキビにシミシワ、たるみやくすみと、悩みが山積している状態なら、一気に解決しようとせず、絡まった汚肌問題をほどいてひとつづつ改善していきましょう。
前回に引き続き、こんがらがった肌悩みを紐解くヒントと、毎日のスキンケアについて、今回はたるみを中心にお話しします。
たるみと炎症の意外な関係を知る
肌が汚く見えることとたるみには、一見何の関係もなさそうに思えますが、実はそうでもありません。
たるみによって顔全体にできる影は、意外に肌の印象を大きく変えてしまいます。
もちろん、肌がきれいだとしても、たるみは年齢より老けて見える原因になり、うれしいものではありません。
「でも、たるんでしまった肌は化粧品では治らないっていうし・・・」
そう思っている人もいるでしょう。
化粧品が直接作用するのは角質層まで、たるみの原因である真皮は角質層よりもっと深い部分にあるので、そう思うのも仕方ないかもしれません。
ところが、その真皮が肌表面で起こっている炎症によって衰えているとしたらどうでしょうか。
たるみを引き起こしている意外な原因3つ
たるみを引き起こしているのは、真皮の7割を占める構成物であるコラーゲンの劣化です。
コラーゲンの劣化とは
・酸化や糖化
・ターンオーバーの低下
・寸断
の3つを指します。
酸化は紫外線によるもの、ストレスによるもの、食事など生活習慣によるものがありますが、抗酸化物質を含む食事やUVケア、生活習慣の改善によって対策ができます。
また、意外かもしれませんが、真皮はゆっくりながらも代謝します。
真皮の代謝能力は、コラーゲンを生み出す繊維芽細胞によって保たれていますが、この細胞の働きは年齢やストレスによって衰えます。
真皮のターンオーバーは表皮のように短期間で自動的に細胞が交代するものではなく、水槽に新しい水を流し込むようにして徐々に変わっていきます。
つまり、新しい水にあたる新しいコラーゲンが生み出されなくなると、糖化や酸化にさらされて変質・変色したままのコラーゲンが真皮に残り続け、肌のたるみが加速するのです。
そして、最後の要因が「寸断」です。
真皮に存在するコラーゲンは、ネット状に広がって肌の弾力を支えています。
ところが、肌の表面にトラブルが起こると、このネットは免疫細胞を運ぶ毛細血管が伸びるために寸断され、弾力を失ってしまうのです。
真皮はターンオーバーする・・・ということは「たるみは改善できる」
意外な原因によって劣化してしまう真皮。
炎症が起きると、それだけで真皮は外側から見えないダメージを受けているのです。
ただ、前項でもお話しした通り、真皮は代謝しています。
表皮のように何日くらいでということははっきり言えませんが、5年以上かけてゆっくりと細胞は入れ替わっているのです。
現在劣化したコラーゲンによるたるみに悩まされていても、酸化や糖化に気を付け、炎症を抑えるケアを続けることによって、徐々にたるみは改善されます。
化粧品によってできるケアは酸化を防ぐこと、炎症を抑えることのふたつ。
自宅でできるケアとしては、LEDや超音波など、化粧品では届かない深部を刺激し、繊維芽細胞の働きを活性化させる美顔器や、コラーゲンサプリなどによって新しいコラーゲンの生成を助けるケアです。
たるみによって悪化している肌悩み
みなさんには、たるみが原因の肌悩みがあるでしょうか。
あるとしたら、その具体的な状態を上げることができますか?
たるみによって引き起こされる症状は様々です。
例えば、自分では毛穴の広がりが悩みだと思っていても、実際は毛穴がたるんで引っ張られ、そこに影ができて、実際の大きさ以上に大きく広がっているように見えていることがあります。
髪を後ろで束ねた時、毛穴が目立たなくなると感じる人はまさしくたるみ肌で、毛穴の症状はそれほど深くはなかったりするのです。
これはニキビ跡にも同じことが言えます。
凹凸になっているニキビ跡が年々深くなっているような気がしている人は、たるみが影響している可能性があります。
また、30歳を超える頃から増える、乾燥によるチリメンジワですが、最初は「カサついているな」と思う程度だったものが、たるみが進行するにつれ、しっかりとしたシワを形成していきます。
こうなると、目頭から口角に向けて伸びるゴルゴ線や口角からあごに向けて伸びるマリオネットライン、ほうれい線などと同じように、表皮のケアだけでは治らなくなってしまいます。
強い乾燥肌と同じように、たるみもまた、肌が汚いと感じるベースを作っている大きな悩みです。
まずは
・酸化や糖化を抑える生活環境作り
・UVケア・抗酸化化粧品による酸化対応スキンケア
・抗炎症ケア
・コラーゲンを含んだ食品やサプリメントによるコラーゲン生成促進
を試してみてください。
それでも「そんな地道なケアじゃ間に合わない」「目に見えるくらい改善しないとケアに飽きてしまう」という人は、美顔器やエステでのLED・超音波ケアを取り入れてみると良いでしょう。