「敏感肌」という肌質の中には、「スキンケアに望むものは、改善ではなく荒れないこと」というほど厄介な荒性肌の人もいます。
アトピーやアレルギーなどの皮膚炎を持っている人もそうですし、特に病名が付いているわけではないけれど、常に角質層が薄かったり、ひどいニキビに悩まされ続けている人もいるでしょう。
そんな肌と付き合っていく上で、どうスキンケアをすれば良いかは、大きな悩みになります。
どんな化粧品を使っても肌が受け付けない・・・そんな肌を持つ人に、まず必要なスキンケアについてお話しします。
何をやってもダメなら、まずは勇気をもってスキンケアをやめましょう
アトピーやひどいニキビ肌の場合、一目見ればわかる肌状態の悪化を、一刻も早く何とかしたいという焦りで様々なスキンケアを試しがちです。
でも、何をやってもダメな肌状態というのは、化粧品に問題があるのではなく肌自体に問題があるので、これ以上合う化粧品を探しても見つかることはないでしょう。
何をやっても受け付けない肌は、髪が肌に触れただけでもかぶれたり、お湯につかっただけで湿疹が出たりします。
髪やお湯が肌に悪いわけはなく、問題は肌の方にあり、何を使ってもムダだということがわかると思います。
そんな肌に与えるべきスキンケアは、「スキンケアをやめること」です。
皮膚科にかかっているのであれば、皮膚科でもらった薬以外のすべてのスキンケアを思い切ってやめましょう。
UVケアも最低限に、シンプルに
紫外線はできるだけ避け、帽子やストールをうまく使ってUVケアをします。
外出することが多い人、通勤が長い人は、ベビー用など、成分ができる限りシンプルなUVクリームを使いましょう。
紫外線散乱剤は酸化亜鉛や酸化鉄を使っています。
そのため、弱い肌には刺激が強いと感じることもあるでしょう。
そんな時は、パッチテストをして、日焼け止め効果のある植物オイルの中に合うものがないか探してみてください。
日焼け止め効果を持つ主な植物オイルは
・オリーブオイル(SPF7~8)
・ラズベリーシードオイル(SPF28~50)
・ホホバオイル(SPF6)
・小麦胚芽油(SPF15)
また、花精油(アロマオイル)の中にも日焼け止め効果を持つものがありますが、こちらは香り成分や抗酸化物質などが多く含まれ、組成が複雑なため、刺激につながる成分が含まれている可能性が高まります。
何をつけてもダメという肌状態の時にはあまりお勧めできません。
ワセリンによる保護ケア
肌に触れる毛先が刺激になるほど弱っている肌にとって、刺激からの保護は必須です。
ただ、その保護材自体が刺激になる可能性も否定はできません。
そんなときは、ワセリンのみの保護ケアに絞りましょう。
メイクをしないという選択肢がない場合も同様で、どうしても崩れやすくはなりますが、メイク前にワセリンをプロテクト下地として塗っておきます。
どうしてワセリンかというと、ワセリンは石油系成分ながら、原料は石油のみというこれ以上ないシンプルな処方になっています。
そのため、ワセリン自体を受け付けないという肌状態でなければ、アレルギーや湿疹を起こすということがないのです。
可能なら、通常ドラッグストアなどで手に入るワセリンよりさらに精製度の高い白色ワセリンを使用すると良いでしょう。
メイクと洗顔
メイクは、シンプルなせっけんのみで落ちる軽いものにとどめましょう。
華やかな場に出る時など、ちょっとカラーを乗せたり、ロングラスティングのメイクをした時は、せっけんではメイクが落ちないと思います。
そんな時は、ベビー用の乳液を使ってメイクを落とします。
超敏感肌にベビー用が最適なのは、配合が極めてシンプルにできているものが多いという理由があります。
赤ちゃんの肌はとても薄く未熟です。
水分が多く、水性の成分に対してあまり抵抗がありません。
そのため、トラブルを起こしやすいので、何かあった時、原因を特定しやすくするため、極力シンプルな処方で作られているのです。
また、乳液は弱い界面活性力を持っていて、油分を浮かせる力があります。
メイクは油性汚れのため、タンパク汚れ落としであるせっけんでは落としきれないこともありますが、乳液によってあっさり落ちることもあります。
スキンケアできる肌にするには
「何をやってもダメ」の状態から一歩抜け出すためにまずやるべきことは、化粧品ジプシーではありません。
自分の肌がどんな時に調子を崩しやすく、食事や環境にどんなアレルギーや症状を持っているかを把握することが最優先です。
肌荒れは生活が原因と言われることが多いのは、肌の不調の原因が脳や腸にあることが多いからなのです。
ですから、ストレスの多い環境に身を置いているなら、何とかして回避できないか、腸に負担の多い生活をしているなら、もう少し消化に良いものや腸の働きを助けるものを食べることができないか・・・というところから探っていく必要があります。
少しづつ、ストレスを感じない程度に生活を整えることによって、化粧品による肌改善が望める肌に近づくことができるはずです。