敏感肌の基礎知識

【前半】シミのレーザー治療、敏感肌に向くもの向かないもの

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敏感肌にはシミや色素沈着ができやすく治りにくいものです。

美容外科や美容皮膚科ではレーザーやフォト光などによる美白治療が行われていて、手早くシミがなくなるなら・・・と思うと、惹かれるものがありますよね。

 

ただ、レーザーは肌に傷をつける行為ですから、普通肌の人はもちろん、敏感肌の人にはリスクも多い治療です。

そんな外科的なシミ治療の中でも、肌に負担が少なく、敏感肌でも効果的にシミを消すことのできるものはないのか、治療ごとに詳しく見ていきましょう。

 

美容外科・美容皮膚科などでのシミ治療にはどんなものがあるの?

一口に「レーザーでシミを消す」と言っても、その治療にはシミの種類や状態などによってさまざまなものがあります。

ほとんどの人がまず想像する、一度でシミを焼きとってしまう方法や、全顔に照射して薄皮をはがすように消していく方法、なんと細胞に穴をあけて、細胞内に薬剤を流し込む方法まで、その方法はとても幅広いものです。

 

それでは、美容外科や美容皮膚科で行われるレーザーでの治療の種類を見てみましょう。

 

Qスイッチレーザー

 

シミをレーザーで消そうと思って情報を集めていると、最も目に付くのがこの「Qスイッチ○○レーザー」になると思います。

Qスイッチのレーザーは、高品質で短いパルス(電気)信号で振動することが特徴で、様々なシミやアザに適用されます。

 

このQスイッチレーザーには、波長によって3つの種類があり、シミの種類によって使い分けられます。

それぞれについてお話しします。

 

YAGレーザー

 

適用されるシミやアザ:老人性色素斑(紫外線によるシミ)、外傷性色素沈着、炎症性色素沈着、肝斑、そばかす、脂漏性角化症、光線性花弁状色素斑、真皮メラノサイトーシス(ADM)、ほくろ

 

最も波長の範囲が広いQスイッチレーザーです。

YAGレーザーの効果は皮膚表面の、薄い色素沈着から皮下組織にまで及び、これまでレーザーは逆効果と言われてきた肝斑にも有効です。

 

これはYAGレーザーが2つの波長を切り替えることが可能であることによるもので、「レーザー」と言えば思い浮かべる、1,2度の照射でシミを消すことのできる治療、非常に弱い出力のレーザーを顔全体に複数回照射するレーザートーニングの両方を1台で行うことができます。

 

レーザーによる治療を採用している多くの病院やクリニックがメインとしているレーザー治療です。

 

ルビーレーザー

 

適用されるシミやアザ:老人性色素斑(紫外線によるシミ)、外傷性色素沈着、炎症性色素沈着、そばかす、脂漏性角化症、光線性花弁状色素斑、ほくろ

 

特殊な波長に絞ることによって、より黒い色に反応しやすく、また、赤い色に反応しない性質を持っています。

通常レーザーの波長では、毛細血管中の赤い色素を持つヘモグロビンに反応して血管を傷つけ、レーザーの効力自体も散漫になりますが、ルビーレーザーにはその心配がありません。

 

真皮に及ぶ強力な波長を持っているため、メラニンのみならずメラノサイトをも破壊するため、シミの再発にも有効です。

薄いシミならYAGレーザーと同じく1,2回の照射でシミを消すことができます。

 

アレキサンドライトレーザー

 

適用されるシミやアザ:老人性色素斑(紫外線によるシミ)、外傷性色素沈着、炎症性色素沈着、そばかす、脂漏性角化症、光線性花弁状色素斑、ほくろ、太田母斑(黒アザ)、外傷性刺青

 

アレキサンドライトレーザーの波長は日本人の肌に対して傷をつけにくいもので、青や黒などのシミやアザに反応します。

その波長は最大で皮下組織にまで及ぶため、ルビーレーザーより深い位置にあるシミやアザにも有効です。

 

YAGレーザーやルビーレーザーと同じく、早ければ1度の治療でシミを消すことができます。

 

CO2(炭酸ガス)レーザー

適用されるシミやアザ:脂漏性角化症、ほくろ、イボ

 

CO2レーザーは表皮層までの、浅く立体的なシミやほくろに向いている治療です。

その名の通り炭酸ガスにより物理的にシミを肌から切り離します。

よく「レーザーで取れたシミを持ち帰ることができた」などという口コミがあるのは、このCO2レーザーでの治療によるものです。

レーザーの及ぶ範囲は表皮層のみで、パッと見てどの層にあるのかわからないシミはCO2レーザーで完全に除去することはできません。

 

レーザーと言っても、ほとんど外科的な処置のため、肌への負担は他のレーザーやフォト(フラッシュ)での治療に比べ、大きいと言えます。

皮膚を焼いているため、傷跡が残ってしまうリスクもあります。

Qスイッチレーザーと比較して、痛みも強いことが多いです。

 

1,2回で治療が完了し、完了しなかった場合は他の治療に変更した方が良い場合がほとんどです。

治療後の傷が治るまでのダウンタイムも、Qスイッチの各治療に比べて長くかかります。

 

 

前半は主に行われている4つのレーザー治療についてお話ししました。

後半は、フォト(フラッシュ)による治療と、敏感肌に合うものはどれかということについてお話ししたいと思います。

 

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