寒くなってくると大活躍の毛布。
毛布にくるまってぬくぬく眠るのはとても幸せな時間ですよね。
そんな時間を一気に不快にするのが、ガサガサのかかとです。
去年まで赤ちゃんのほっぺのようにツルツルで柔らかかったかかとがささくれ立って毛布に引っかかるのは悲劇以外の何ものでもありません!
ガサガサで厚くなってしまったかかとは、何が原因なのでしょうか・・・。
かかとの角質が厚くなる原因
もうふにひっかかるガサガサかかとには、いくつかの原因が考えられます。
最も可能性が高いのが「角化症」。
その他にも年齢や外的刺激の蓄積など、幅広い理由でかかとのトラブルは起こります。
ここではメジャーなガサガサかかとの原因3つについてお話ししたいと思います。
ガサガサかかとの原因その1.角化症
かかとの角質が厚くなって、白っぽく剥がれてきたり、ひどい時にはひび割れてきたり・・・そんな悩みの多くはこの「角化症」が原因です。
角化症という名称はとても広義の言葉ですが、意味合いは、何らかの原因によって角質細胞が増殖、蓄積、肥大したもののこと。
その中には、乾癬などのように生まれつき角質層の形成がうまくできないものも含まれます。
かかとに起こる角化症は、多くが細胞間脂質の不足です。
一日中体重を支えている足の裏はとても負担が大きく、その負担はすべて愛的刺激として皮下に伝わります。
外的刺激を受け続けている真皮や表皮は、内部で炎症状態になっています。
この炎症がセラミドの形成を妨げるので、角質層がうまく形成されずに乾燥したままかかとに張り付いているのです。
この場合、原因は微弱炎症なので、外からガリガリやすりで削るのはNGです。
もちろん、酸のようなものではがすのも炎症を悪化させることになります。
理想的なのは
・セラミドやコレステロールなど細胞間脂質を補う保湿成分
・グリチルリチン酸やトラネキサム酸などの抗炎症成分
・尿素などの角質軟化成分
の3つが配合されたクリームなどでケアすることです。
また、サイズの合わない靴を無理にはこうとすると、摩擦によって余計に炎症が悪化します。
日ごろからできる限り物理的な負担を抑えることも大切です。
番外編として、超音波美顔器のスクライバーではがすという手もあります。
スクライバーの場合、削るというよりはふるい落としているという方が近いので、角質層や肌に負担なくケアすることができます。
ただ、あくまで美「顔」器ですから、かかとの厚くなった角質を満足に落としてくれるほど出力は高くないかもしれません。
ガサガサかかとの原因その2.かかと水虫
案外知られていないかかとの白癬菌感染症です。
指の間や爪にできるものは見た目にもわかりやすく、かゆみや傷みを伴いますが、かかとの白癬菌感染症は、白っぽく角質が浮いて、粉を拭いたような状態になります。
このかかと水虫は、放置すると足全体に広がって手が付けられなくなってしまいます。
水虫は治らないと思われがちですが、水虫の原因である白癬菌に効く抗菌剤がちゃんと存在しているので、しっかり治療すれば必ず治ります。
早く治すために、角質が柔らかくなっている時に、しみこませるように抗真菌薬を塗布することです。
症状が出ている部位だけではなく、足の裏全体に塗布します。
また、再発しやすいので、症状が治まってもしばらくはしっかりと治療を続けることが大切です。
ガサガサかかとの原因その3.乾燥
単純に外気が乾燥していたり、静電気を発しやすい素材の靴下や靴を常用していると、当然かかとの肌も乾燥します。
この場合、かかとの角質が厚くなったり、硬くなったりというよりは、粉を拭いてひび割れたりすることが多いです。
皮膚が乾燥しているだけの場合、保温性、保湿力のあるソックスに変えるだけでもかなり改善されます。
また、乳液やクリームなど、水分と油分を含んだアイテムでケアするのも有効です。
かかとのひび割れに絶対NG!なケア
様々な原因があるかかとの角質問題ですが、絶対にやってはいけないケアもいくつかあります。
角化症の場合、やすりや軽石でケアしてしまいがちですが、これはNGです。
外的刺激から肌を守るために、角質層はより厚くなる可能性があり、肌内部の炎症も悪化させてしまうためです。
水虫の場合、保湿が逆効果になる場合があります。
水虫の場合、原因がカビの一種である白癬菌のため、湿気のある所を好みます。
そのため、指の股に好発するのですが、保湿力の高いクリームを塗った上から保湿力・保温力の高いソックスで蓋をしてしまうと、白癬菌が繁殖しやすい環境が整ってしまうことになります。
また、乾燥している場合、角化症以上に「削る」系の行為は逆効果です。
角化症ではスクラブや尿素でのケアが効果的ですが、乾燥している肌にはむしろ角質が足りていません。
「かかとのガサガサ」と言えば尿素配合クリームと考えがちですが、乾燥して肌が薄くなっていると感じたら、尿素が入っていないクリームに切り替えてケアしてくださいね。