洗顔の時は石鹸や洗顔フォームを良く泡立て、モコモコ泡の弾力で洗う・・・。
もはや常識となって、疑いようもないように感じるこの洗顔法。
実は敏感肌にとっては良くない場合があることはご存知でしょうか。
今回は、モコモコ泡洗顔のメリットデメリットについて詳しくお話ししたいと思います。
【目次】
モコモコ泡洗顔とは
これまでにスクラブ洗顔やパック洗顔など、洗顔方法には様々な流行がありました。
今では敏感肌にスクラブ洗顔はタブーとなっていますが、当時はそれが常識。
そして、今の主流はたっぷりの洗顔フォームやせっけんを使ったモコモコ泡のクッションで洗う泡洗顔です。
この洗顔法は、洗顔時に手でこするというダメージを最小限に抑えるために生み出されたもので、敏感肌の人の間であっという間に浸透し、今や洗顔の常識となりました。
その方法は、せっけんや洗顔フォームなどを、洗顔ネットや泡立て器でモチモチになるまで泡立て、その泡をクッションにして泡マッサージのように洗顔するというもの。
スクラブのように異物が肌の上を直接ゴロゴロ転がったり、手で肌をこすることがないため物理的刺激を与えずに済むのです。
現在では、最初から泡になって出てくる洗顔フォームや、クッション性の高い泡ができるせっけんなどが人気になっていて、まさに洗顔の主流となっています。
泡洗顔のメリットとデメリットとは
肌にとっていいことしかなさそうに思える泡洗顔ですが、その根本を揺るがす疑問も存在します。
泡洗顔によるメリットとデメリットについてみていきましょう。
泡洗顔のメリット
・肌を直接触らないため、物理的刺激を最小限にできる
・泡のキメが汚れを絡めとる
・泡切れが良い
泡洗顔のデメリット
・泡立ちを良くするために強い界面活性剤が含まれていることが多い
・皮脂や角質を取りすぎる
・泡立ての手間がかかる
泡洗顔を行う時に確認しておきたいチェックポイント
泡洗顔のメリットとデメリットを確認していただければわかるように、泡洗顔を行うことを前提として開発された洗顔料は、泡立ちを良くするために強い界面活性剤を使用しています。
肌に負担をかけたくないという目的のために泡洗顔を選んでいるのに、その泡をモコモコにするために肌を荒らしてしまっては本末転倒です。
では、泡洗顔を行うために使う洗顔料は、どのようなものを選ぶべきなのでしょうか。
泡洗顔に使う洗顔料はできるだけシンプルな処方のものを
泡洗顔に限らず、敏感肌を洗う時に必要なのは、できる限り角質層を守り、できる限り潤いを残す洗い方です。
本来、泡洗顔もそのための洗顔方法です。
角質層を守るためには、汚れを落とすという目的以上の洗浄力を洗顔に求めないことが大切です。
最も簡単な選び方は、できる限りシンプルな処方のものを選ぶという方法です。
洗顔料が持つ洗浄能力とは
洗顔料の洗浄力は、タンパク汚れを除去するアルカリの力と、油汚れを浮かせて落とす界面活性力の2つがあります。
アルカリ洗浄には重曹や炭酸ソーダなどがあり、その洗浄力の強さによって名称が違います。
せっけんの主な洗浄成分で、皮脂汚れや角質汚れなどを落とす力があります。
界面活性剤は、主に食器洗剤など、油汚れの多いものの洗浄に使われます。
対象物から油分を引きはがし、水分と混ぜ合わせて元に戻らないようにする能力があります。
肌から油汚れであるメイクを浮かせて水で落とせるようにすることができます。
アルカリ洗浄成分ほどではありませんが、せっけんにも含まれています。
そのため、シリコンなどの含まれない軽いメイクの場合、せっけんでも落とすことができるのです。
シンプルな処方のせっけんで泡洗顔を行うには
せっけんの中でも最もシンプルな処方のものは、天然油脂100%のものです。
一般的なのはヤシ油100%のもので、洗濯や食器洗浄など幅広い用途に使われます。
洗顔フォームなどに比べると洗浄力は劣りますが、しっかり泡立てて洗えば十分に洗顔料としての役目を果たすことができます。
洗浄力が高いのはオリーブオイル100%のせっけんです。
オリーブオイルには天然の界面活性剤が含まれているため、軽いメイク汚れをしっかりと落とすことができ、オイル特有の保湿効果もあります。
天然油脂100%のせっけんや洗顔料は、界面活性剤を多く含んだ洗顔フォームなどと比べると、泡立ちが良くありません。
手で根気よく泡立てても、あまりコシのある泡にはならず、水気が多く、すぐにへたってしまう泡になるでしょう。
このような泡では、泡洗顔いちばんのメリットであるクッション性が得られません。
泡立てネットや洗顔料専用の泡だて器を使って、少しづつ水を足しながら、キメが細かくコシのある泡を作るようにしましょう。
また、天然100%のせっけんは洗顔フォームより保存がきかないため、水場に置いたままにせず、乾燥させて保管するようにしましょう。
よかれと思って選んでいた泡立ちの良い洗顔フォームが、逆に肌を傷めている可能性もあります。
泡立ちを優先せずに、肌を傷つけないことを優先に洗顔料を選ぶようにしましょう。