コスメの基礎知識

香料や界面活性剤って本当に肌に悪い?化粧品成分の真実とは

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敏感肌の人は、化粧品の成分にもこだわりがあるという人が多いと思います。

もちろん、こだわりにもレベルがあるとは思いますが、オールオーガニック成分でなければ使いたくないという人や、手作りでなければ信用できないという人もいるでしょう。

 

おそらく最も多いのが「香料や界面活性剤、アルコールやパラベンは使わないようにしている」という人ではないでしょうか。

美容成分を気にする人にとって、もはや「なんでこんなものを配合するのか」というくらい嫌われているこれらの成分ですが、実際にはなぜ嫌われていて、肌にどんな影響をもたらすのでしょうか。

 

化粧品成分表示「香料」の真実

わかりやすく嫌われている香料。

最近では化粧品も自然回帰の流れがあり、人工香料の香りを嫌う人は増えています。

そんな中で、わざわざ人工的な「香料」で甘い香り付けをするなんて、と思っている人も多いでしょう。

 

ところが、この成分表示中にある「香料」は、合成香料だけを指すのではありません。

天然の植物から抽出した精油や樹脂も、合成して作られた香りも、一様に「香料」と記されます。

 

オーガニックコスメでは香料の記載があっても、ほとんどの場合天然香料です。

それは、オーガニックコスメの場合、原料中でオーガニック原料が占める割合が決められているから。

十分に香るほどの合成香料を配合する余裕はありません。

 

もし気になった化粧品の成分表示に「香料」と記されていても、合成香料と決めるのは早いかもしれません。

妥協して他の商品に決める前に、スマホで製品サイトを調べてみると良いでしょう。

 

 

「界面活性剤」・・・化粧品成分界の嫌われ者は本当に厄介者?

このサイトでは何度もお話ししていますが、合成界面活性剤は、理論的にも実際的にも、肌に大きなダメージを与えます。

界面活性剤の塊である柔軟剤はおすすめしませんし、強力な界面活性剤である食器用洗剤を使う時には手袋の着用をおすすめします。

 

界面活性剤の働きは、油分と水分を混ぜ合わせること。

コップに水を入れ、その後油を入れれば、普通油は玉になって浮きますが、そこに食器洗剤を垂らすと、水と油は混ざります。

 

この力がなぜ肌に悪いと言われているのかと言うと、肌の表面で表皮から内側を守っているバリア層である角質層は、油分と水分、それに細胞の抜け殻が規則正しく並んでできたものだからです。

そこに強力な界面活性剤を塗り込めば、角質層はぐちゃぐちゃになってしまいます。

 

でも、意外なことに、わたしたちは日常的に界面活性剤を食べたり飲んだりしているのです。

それが牛乳や豆乳、卵などです。

天然で脂質と水分が混じり合っているこれらの界面活性剤には、合成界面活性剤ほど強力な力はありません。

 

先ほどのようにコップに水と油を入れ、牛乳を入れても、浮かんでくる油の玉が小さくなるだけで、よっぽど強く混ぜ合わせないと合成界面活性剤のように混ざり合うと表現できるところまでは作用しません。

 

界面活性剤は、成分表示を見れば合成か天然かがすぐにわかります。

合成の場合「グリセリルウンデシルジメチコン」や「ステアリン酸グリコール」などの名称になりますが、天然の場合「レシチン」「カゼイン」「サポニン」「ココイルグルタミンン酸Na」などと書かれていて、香料のように見分けがつかないということはありません。

 

化粧品成分「パラベン」「アルコール」って何がそんなにダメなの?

まず、パラベンもアルコールも、その配合の最も大きな理由が「防腐」にあるということが嫌われてしまう一因なのではないでしょうか。

防腐、つまり腐るのを抑えるということは、菌の発生を抑えるということです。

菌の発生を抑える能力は、肌の常在菌をも抑えてしまいます。

 

皮膚常在菌というのは、疑似科学のように思われがちですが、実際に皮膚の状態をかなり左右してしまう存在なのです。

例えば常在菌が原因で起こる肌のトラブルで有名なのは、アクネ菌によるニキビがあります。

黄色ブドウ球菌による炎症部の化膿なども常在菌によるものですね。

 

このように、肌の上に住んでいる菌は、その微妙なバランスで健康な皮膚を保っています。

防腐剤は、そのバランスを崩してしまう原因となります。

 

だからと言って、防腐剤を使わないということは現実的ではありません、

実はパラベンは、日本で使われている防腐剤の中でも刺激が弱く、安全性も高いものなのです。

本当にごくまれにアレルギーを持つ人がいると確認されていますが、それはどの化粧品成分にも言えることでしょう。

 

同じく防腐剤であるアルコールが嫌われているのは、防腐剤であることに加え、使用感の悪さや実際に乾燥を呼ぶという部分にあるでしょう。

アルコールは揮発性があるので、敏感肌の人が使うとピリッとした刺激を感じ、実際に蒸発する時に周囲の水分を奪うので、その後も乾燥します。

思春期ニキビが気になる脂性肌の人がアルコールを避ける必要はありませんが、皮脂分泌も減少し、セラミドなどの量も減ってきている大人が使うのは、実際にあまりお勧めできない成分です。

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