まるでニキビ跡のクレーターのように広がって凹凸の目立つ毛穴。
中にはその毛穴が年齢や乾燥のために変形して、無数のチリメンジワのようになっている人もいるでしょう。
この毛穴の広がりやたるみにはいくつかの原因が考えられます。
原因によって取れる対策が正反対ということもあるので、自分の毛穴がどんな原因によるもので、どうスキンケアすればいいのかきちんと確認しておきましょう!
脂性肌だけじゃない!毛穴の広がりやたるみの原因とは
毛穴と言えば脂性肌というイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。
皮脂がたくさん出るから、その通り道である毛穴が大きくなるんだとか、皮脂の分泌過剰で毛穴が詰まってしまうことで広がっているんだとか・・・。
もちろん、それを繰り返すことによって多少は毛穴も広がりますが、本当の原因と比較すると些末なことです。
では、本当の原因と原因別の効果的な対策とはいったいどんなことなのでしょうか。
肌の状態別に見ていきましょう。
昔から脂性肌で現在も脂性肌
この肌タイプの人は、一度は毛穴パックを試したことがあると思います。
毛穴パックを試して、「毛穴の黒ずみ」ではなく「毛穴の広がり」が多少でも改善されたと感じた人は、皮脂が毛穴にとどまっていることによって毛穴が広がって見えています。
このタイプの肌は、遺伝的な要素によって男性ホルモン分泌が多く、皮脂が過剰になりがちで、毛穴も思春期を迎えた頃から開いてくることが多いです。
生まれつきのものなのでスキンケアで小さくすることは難しいですが、食事によって皮脂分泌を抑えることができます。
ビタミンB2は皮脂分泌を正常にコントロールする成分として有名で、食事やサプリメントなどで手軽に摂取できます。
また、皮脂分泌の過剰は、体質によって大きくその量が左右されるジヒドロテストステロンの働きが関係しています。
体毛が濃い、ニキビも良くできるというタイプの人は、このジヒドロテストステロンの感受性が強い可能性が高い可能性があります。
このジヒドロテストステロンは、5αリダクターゼという酵素によって合成されます
この酵素は食事によってその働きを抑制することができるので、毎日の食生活に以下の食材を取り入れるようにしてみてください。
・亜鉛を含む食品・・・レバーや牛肉など
・大豆由来食品・・・豆乳、豆腐、納豆など
・紅茶・・・紅茶と大豆由来食品の組み合わせは、ジヒドロテストステロンを抑制する働きがあると言われています
皮脂もつまっていないし、体毛も濃くないという人は、ニキビや炎症によって毛穴が広がっていることが考えられます。
ひどいニキビを繰り返したことによる毛穴の広がりは、毛穴の問題ではなく傷跡です。
あまりにも深く傷ついているものは、外用治療やスキンケアではほとんどどうにもならないのが現状です。
真皮のターンオーバーはおよそ5年以上かかるので、ニキビ跡がしこりになっていないようなら、5年以上根気強く丁寧なスキンケアをすることによって改善されることはあります。
しこりのないニキビ跡の場合、最も手っ取り早いのはフォトフェイシャルによるケアです。
しこりになっているものは、死んでしまった皮膚をコラーゲンが修復した跡です。
すでに皮膚細胞とは違うものになっているため、残念ながら外科的な手術以外では元に戻すことができません。
昔は脂性肌だったけど今は乾燥~普通肌
このタイプの肌質には、毛穴が広がる3つの原因が考えられます。
まずは前項の「ニキビ跡」と同じタイプで、ダメージを受けた肌が、適切なケアを受けることができずにそのまま残ってしまったことが考えられます。
二つ目は乾燥や炎症による皮膚の萎縮です。
乾燥肌や敏感肌の人は、肌の内外に炎症を抱えていることが多く、それによって肌の弾力を支えているコラーゲンやエラスチンが加速的に減少していきます。
炎症による真皮の痩せは、多くの人が考えているより深刻で、それさえ改善できれば多少シミやニキビ跡があっても年齢以上に老けて見える悩みはぐっと軽くなるはずです。
乾燥や炎症によって皮膚が委縮するのは、炎症という免疫反応の性質によるものです。
炎症はその名の通り火事に例えることができます。
肌のトラブルが火事の現場だとすると、免疫反応は急行する消防車です。
免疫は、消防車が普通車や信号に優先されるのと同じく、現場に最優先で通されます。
この免疫とは血液中の白血球のことですが、白血球が現場にいち早く到着するために、血管は太く長く発達し、通り道にあるコラーゲンやエラスチンを分断して進むのです。
そのため、ひどい炎症を起こした直後の肌はシワシワになってしまうのですが、ずっと何らかのトラブルを抱えている肌の場合、これが回復することなく炎症を繰り返すことになり、皮膚はどんどん萎縮していくのです。
その結果、ピンと張っていたときは目立つことのなかった毛穴が落ちくぼんで目立つようになってしまうのが乾燥や炎症が原因の毛穴の開きです。
3つ目は2つ目と同源ともいえる原因で、コラーゲンやエラスチンが切り裂かれ続けたことによる皮膚の萎縮が進むと、肌を支えるハリがなくなり、全体がたるみ始めます。
毛穴自体が小さく目立たなかった人も、ここまで症状が進むと、小鼻の横から頬の外側に向けて走るたくさんの小さなシワに気付くようになります。
2つ目、3つ目の原因は、何よりまず慢性的に起きている炎症を抑えることが先決です。
十分な紫外線対策をしていない人は今すぐ始めることはもちろん、食生活やスキンケアも敏感肌向きのものに換えていく必要があります。
乾燥肌~超乾燥肌
この肌タイプの人の毛穴悩みは、前項の2つ目の原因と3つ目の原因と同じ原因によるものが多いでしょう。
また、この肌タイプの人の中には、皮膚科で外用薬を処方されている人も多いと思います。
例えばステロイド外用薬の場合、長期間の使用によって皮膚が薄くなり、シワっぽくなったり色素沈着を起こしたりする副作用があります。
乾燥肌にはかゆみやひりつきを伴うものも多いので、つい顔を掻いたりこすったりすることもあると思いますが、これも炎症を起こして毛穴の広がりや乾燥肌自体を悪化させる原因となります。
外用薬は、毛穴の広がりが気になることを医師に相談した上で使用する、顔を触る癖はできるだけ我慢し、掻いてしまう場合はかゆみ止めを処方してもらうなどの対処が必要です。