コスメの基礎知識

敏感肌の棚卸・・・スキンケアの目的を明確にする大切さとは

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生まれ持って肌が弱い人、時々過敏になる人、アレルギーやアトピーに悩んでいる人・・・。

一言に敏感肌と言っても、その状況はさまざまです。

 

世の中には「敏感肌用スキンケア」があふれていますが、アトピーや生理前の過敏肌まで幅広い症状を同じスキンケアで乗り切れるものでしょうか。

 

敏感肌のスキンケアは、自分の肌を知ること、そして自分の肌が目指すべき場所を定めることが大切です。

今回は、肌の「棚卸(症状を整理して状況を知ること)」と、それぞれの目指すべき肌と最適なスキンケアについてお話しします。

 

敏感肌の棚卸・・・自分の肌状態を把握する

自分の肌状態は、意外に把握しきれていないことが多いものです。

「わたしは生まれつきの敏感肌だから美容成分がたくさん入った機能性化粧品はダメなのよ」という人でも、実は特定の成分と相性が悪いだけだったり、中には会社を辞めたら肌がすっかり強くなったという話もよく聞きます。

 

その逆に、生理前になるとニキビができる、花粉症で肌が荒れると思っている人でも、元々の肌が過敏で、ちょっとした環境変化に耐えられない場合も考えられます。

 

意外に知らない自分の肌をしっかりと見極めるためにも、

・いつから肌の状態悪化が気になり始めたのかを思い出す

・入浴後は30分ほどスキンケアをせずに肌状態を観察する

・最低でも生理期間を含む1ヶ月間、上記の肌チェックを行う

・1ヶ月の肌のバイオリズムをつける

という肌観察を行ってみてください。

 

意外にも入浴後、それほど乾燥しない自分の肌を知ることができる時もあれば、夜間より日中の方が肌状態が悪い・・・などという気付かなかった肌のバイオリズムに気付けます。

 

また、観察する際のベース情報として、元々持っている体質や肌質のクセなどを知っておくことも有益です。

(参考:日本一詳しい肌質(肌タイプ)診断

 

それぞれの肌質が目指すべき健康肌とスキンケア

一時、美容業界では「肌にトラブルがあるのはターンオーバーが遅れているから。角質層をはがすことで改善します」というキャンペーンが行われたことがありました。

これは見事に肌悩みを抱えた女性に浸透し、ケミカルピーリングやフルーツ酸化粧品などが飛ぶように売れました。

 

でも、このケアがぴったりと肌質に合う人は多くありません。

敏感肌で悩んでいる大人の女性は、むしろ角質のターンオーバーが早まって、未熟な状態の人が多いのです。

もちろん、角質層を少しでも長く肌にとどめておきたいそんな肌にピーリングは毒にしかなりません。

 

そんな風に、敏感肌には肌の状態をどうするべきなのかという目指す地点があります。

 

乾燥性敏感肌やアトピーの人は、ふっくら厚い角質層こそ目指す地点

前項で見定めた肌タイプから、どう考えても乾燥肌やアトピー肌に間違いないという人は、角質層がしっかりと育っていません。

アトピー肌の人は何らかのきっかけで、細胞内にある細胞間脂質(セラミドなどの油分)やNMF(天然保湿因子)の元を育てる酵素が働かなくなっています。

 

この酵素は炎症によっても働きが阻害されるため、「角質層が薄い→刺激を受けやすい→炎症を起こす→角質層が薄くなる」というサイクルに陥ってしまいます。

 

冬になると、角質層が簡単に剥がれて粉を吹いてしまうタイプの人は、角質層がきちんと形成されていないので、セラミドやNMFが配合された化粧品でのスキンケアが必要です。

このタイプの人の肌がくすんでいる原因も、よく言われるターンオーバーの遅れではなく、繰り返す微弱炎症に対抗するための色素沈着ですから、絶対に角質を除去したりはがしたりするケアはNGです。

 

ニキビ肌やインナードライの人は、炎症を起こしにくい肌を作ることが目標

インナードライとは、言い換えれば皮脂分泌が多い角質層の乾燥肌です。

メイク乗りは悪く、すぐに崩れてあぶらとり紙が手放せませんが、実は角質層では水分が不足しています。

 

角質層の水分が不足するのも、前項と同じで「炎症」が大きな原因です。

しっかり厚い角質層のように思えても、ゴワついてキメが目立ったり、保湿が浸透せず上滑りしてしまいます。

 

この場合、炎症が起きているのは角質層ではなく、普段の生活や元々の体質であることが考えられます。

普段、夜遅くまで起きていたり、寝る直前までテレビやスマホの光を見ている、リラックスできる時間がない、ストレス過多などの環境によって、自律神経はピリピリ緊張した状態が続きます。

 

スポーツなどで日中十分に肉体疲労すること、アロマなどで夜間のリラックスを意識することで、自律神経バランスにメリハリが付き、炎症も起きにくくなります。

 

アレルギーや接触性皮膚炎を起こしがちな人は、強い腸を育てることが目指す肌のカギ

アレルギーなどですぐにかぶれてしまう人は、美肌と共に美腸を目指す必要があります。

腸は脳に次ぐ免疫器官です。

アレルギーなどの過敏反応を引き起こすマストT細胞は、腸内の免疫機構がうまく働かないことによって過剰に反応してしまいます。

 

本来腸で分別され、体外へ排除されるべき物質が体内に侵入することによって、肌はもちろん、全身に不調が起こります。

・ストレスや暴飲暴食などによって腸が傷つくのを避ける

・乳酸菌を意識的に摂取して腸を守る

・生活に昼夜のメリハリをつけて、傷ついた腸の修復を促す

という3つを意識した生活で、腸を強くし、ちょっとのことでは揺るがない肌を作りましょう。

 

 

 

 

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