ニキビができやすい人、ニキビができやすいわけではないもののすぐ跡が残ってしまう人・・・。
ニキビが厄介なのは、治った後まで悩みを引きずることが多いことにも一因があると思います。
治った後に必ず毛穴が広がって、気付けばクレーターになっているという人は、化粧品や食生活では治らない、それは体質だと言われて悲しい思いをしたこともあるのではないでしょうか。
でも、本気で悩んでいる人にとって、「体質」や「個人差」という言葉はあまりにも漠然としすぎているように感じますよね。
ニキビ跡のクレーターはどうして起こるのでしょうか。
そして、クレーターを起こさない方法は本当にないのでしょうか。
クレーターになりやすい体質について考えてみました。
【目次】
ニキビ跡がクレーターになりやすい体質とは
クレーターになりやすい体質を考えるには、クレーターが起こるメカニズムについて知る必要があります。
まずクレーターになる前提として、ニキビができやすい、ニキビが悪化しやすいということがあると思います。
ニキビができる直接原因
ニキビができる原因はたくさんありますが、最終的にニキビを引き起こすのは、毛穴に酸化した皮脂が詰まるという状況です。
毛穴に住んでいるニキビの原因アクネ菌は、空気を嫌います。
そのため毛穴の奥に繁殖するのですが、このアクネ菌のエサは人間の皮脂です。
皮脂は毛穴から分泌(実際には真皮から分泌され、毛穴を通って排出されている)されているのですが、何らかの理由で毛穴の出口が腫れたり、皮脂が酸化して硬くなり、出口をふさいでしまった場合、八方ふさがりになった毛穴の中で、嫌いな空気に触れることなくエサがどんどん供給される状態になったアクネ菌が爆発的に増え、毛穴内部の皮膚を傷つけます。
この状態を免疫システムが察知すると、白血球が問題の起きた毛穴に集まり、アクネ菌と免疫細胞の戦いが始まります。
この戦いがニキビです。
赤くなって熱を持つのは、白血球を運ぶために血管が発達し、菌類を熱で殺そうとしているからです。
同じニキビなのに跡になりにくい人となりやすい人がいる理由は?
跡になりやすい人に考えられる原因のひとつは、頻度が高いということです。
同じ毛穴に何度も炎症を起こせば、毛穴内部の肌は回復前に再び傷つけられてしまうことになり、当然、1度しかニキビができなかった時と比べて跡に残りやすいでしょう。
もう1つ考えられることは、炎症が大きくなりやすいということです。
それには2つの要因が考えられます。
ひとつは、毛穴内部の角質層が弱いこと。
もうひとつは、炎症が過剰に起こっているということです。
毛穴の内部は、真皮まで続く角質層に覆われた皮膚です。
肌の表面と同じように、角質層によってダメージを防いでいます。
本来なら免疫が働くまでもなく、角質層が跳ね返して終わる程度のダメージでも、角質層が薄くなっていたり、構造が壊れているなどのトラブルを起こしていることによって、炎症が大きくなってしまうことがあるのではないでしょうか。
また、免疫反応自体が過敏になっていることも考えられます。
これは敏感肌自体の原因と重なりますが、自律神経のバランスが崩れていて、免疫細胞がうまくコントロールできなくなっている場合、何度もニキビを繰り返したり、炎症が過剰に大きくなったりしてしまいます。
実は、アクネ菌の増殖自体だけでなく、免疫の働きである炎症も、大きくなれば肌に深刻なダメージを残します。
免疫細胞である顆粒球や好酸球は、菌を体内に侵入させないために死闘を繰り広げますが、その時に活性酸素を生み出します。
活性酸素が周りの細胞と結合すれば、細胞は酸化して弾力を失い、変色してくすみます。
酸化した肌は見た目が悪くなるだけではなく、ダメージを防ぐ能力にも著しく劣ります。
つまり、ニキビはできればできるほど肌を弱らせているということなのです。
ニキビ跡をクレーターにしないために必要なケア
これらのことから考えられるクレーター予防ケアは、3つです。
詳しく見ていきましょう。
毛穴をふさがないケア
まずはアクネ菌を増殖させないケアが必要です。
毛穴が詰まる原因は皮脂の酸化や毛穴の出口付近に起こった皮膚トラブルです。
ニキビができやすい部分はこすったりしないこと、髪が当たらないようにすることなど、基本的なニキビケアを怠らないようにしましょう。
また、皮脂の酸化を防ぐために、抗酸化成分を配合した化粧品でケアする、クレイや天然石鹸で洗顔するなどを心掛けましょう。
毛穴の角質層を傷めないケア
毛穴の内部は粘膜ではなく角質層です。
角質層は強い界面活性剤によって構造を破壊されてしまうため、「マスカラもするする落ちる」というような強力なクレンジングで洗うのはやめましょう。
また、毛穴パックも、強引に皮脂をはがすため、角質を傷めます。
せっけん液(弱アルカリ洗浄液)などで皮脂を柔らかくした後、クレイで落とすと良いでしょう。
炎症を広げないケア
ニキビを繰り返したり、1回1回の炎症が大きすぎる人は、かなりの敏感肌です。
敏感肌の基本的なケアをできるだけ実行して、クレーターを予防しましょう。