冬の国内旅行の醍醐味、温泉。
温泉に入るのが楽しみで「旅行は国内派!」という人もいるかもしれません。
美肌の湯、自律神経にも効くお湯・・・と、とっても肌に良さそうな温泉ですが、泉質によっては敏感肌におススメできない温泉もあるということをご存知でしたか?
化粧品の原料としても人気の温泉は、効き目のあるものだからこそ、逆効果に注意しておきたいですよね。
国内に多い泉質の内、美肌におすすめのもの、気を付けてほしいものをピックアップしてご説明します。
【目次】
温泉はすべてが美肌に良いわけではない
肌に良いイメージがある温泉ですが、実は全部が全部プラスの効果だけを持っているわけではありません。
温泉には、硫酸やホウ酸、塩酸などが多く含まれる酸性泉や、二酸化炭素を多く含んだ炭酸泉などがあります。
いずれが肌に良い、悪いという問題ではなく、それぞれに肌に対する特性があり、向く肌質と向かない肌質があります。
酸性泉は感染性の皮膚炎やニキビに効果がある
温泉水1kgの中に水素イオンが1mg以上含まれている温泉のことを酸性泉と呼びます。
pHは1~14までの数字で表され、1に寄るほど酸性、14に近づくほどアルカリの性質を持ちますが、酸性泉はその中でもpHが2から4程度のもので、pH2以下のものは強酸性泉に分類されます。
酸性が強いと、水は殺菌効果を持つようになります。
そのため、アクネ菌が直接原因となるニキビ、マラセチア真菌が原因の脂漏性湿疹や背中や胸のニキビ、白癬菌が原因の水虫などに対して効果があります。
一方、酸の効果で角質層がはがれやすくなるので、アトピーや強い乾燥肌の人にとっては刺激を感じたり、乾燥が進行してしまうことがあります。
また、肌質に関わらず、肌に長時間残ると刺激になるため、温泉から上がったらすぐに洗い流す必要があります。
全ての肌質に良い効果をもたらす単純温泉
単純温泉は、湯温25度以上、温泉水1kg中、含有成分が1000mg未満のものを指します。
含有成分の種類が多くても、1000mg未満であれば単純温泉と呼ばれるので、決してその組成が単純であるというわけではありません。
単純温泉は温泉成分があまり多く含まれていない温泉の総称なので、肌に対しても効果や刺激が少なく、どんな肌質にも会いやすい泉質だと言えます。
日本の温泉で最も多いのがこの単純温泉なので、肌質のせいで国内旅行を選ぶことができないということはまずないので安心してください。
肌に対しての効果は、代謝促進や外傷の修復などがあります。
また、含まれる温泉成分も様々なので、成分によって肌への効果が変わってきます。
もちろん、長湯は敏感肌にとってタブーなので、あまりつかり過ぎないようにしましょう。
ニキビや美白への効果がある硫酸塩泉
単純温泉に対し、温泉水1kg中に含有成分が1000mg以上あり、硫酸イオンが主成分の温泉を硫酸塩泉と呼びます。
マグネシウム硫酸塩泉やナトリウム硫酸塩泉という泉質名を聞いたことがある人も多いと思いますが、いずれも硫酸塩泉の仲間です。
硫酸塩泉は外傷ややけどに対するものが知られていますが、皮脂を取り除く効果や美白効果もあります。
硫酸「塩」というだけあって塩の作用により、保湿効果が期待できます。
皮脂除去効果のため、乾燥肌の人は入泉後の乾燥が気になるかもしれません。
美肌の湯と言えば炭酸水素塩泉
かつては重曹泉や重炭酸土類泉と呼ばれていた温泉で、その多くが美人の湯と呼ばれる美肌効果のある泉質です。
湯触りはとろみがありますが、これはなんと自分の皮膚中の皮脂などが乳化されてお湯と混じり合っているためのもの。
重曹泉などの呼び名からもわかるように、温泉成分中にアルカリ成分が含まれていて、タンパク汚れや皮脂汚れを浮かせて落とします。
その効果は石鹸と似たものなので、長くつかり過ぎたり、肌が乾燥していたりすると、乾燥が悪化します。
シュワシュワの炭酸が血行を促進してくれる炭酸泉
近年人気の炭酸コスメ。
全身でその効果を楽しめるのが炭酸泉です。
温泉1kg中、炭酸が1g以上含まれている泉質の温泉で、つかると肌をシュワシュワとした気泡が包みます。
比較的湯温が高い日本の温泉では、すぐに気が抜けてしまうため、持続が難しい泉質でもあります。
炭酸は、単純に発泡感が肌へ刺激を与えて血行を促進するように思われがちですが、実はもう少し深い血行促進のメカニズムがあります。
肌に付着した炭酸(二酸化炭素)は、そのまま皮膚に吸収され、脳に体内の二酸化炭素量が増えたという錯覚を起こします。
二酸化炭素が増えたと感じた脳は酸素を増やすべく血管を拡張するので、血行が良くなるということなのです。
この時、自律神経は全身のリラックスや細胞の修復をつかさどる副交感神経が優位になるので、普段神経がピリピリしている現代人にはぴったりの泉質です。
泉質によってさまざまな効果や注意点がある温泉。
選び方によって敏感肌を良くも悪くも左右するので、事前にしっかりとチェックしましょう。