敏感肌の基礎知識

敏感肌と喫煙の関係性~タバコは本当に美肌に影響するのか~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

「美肌のために喫煙は絶対にやめましょう」

どんな美容本にも、雑誌やコラムにも、美肌を目指すならタバコは止めることが一番だと書かれています。

タバコはビタミンの吸収を阻害する、血流を悪くする・・・。

 

もちろん理屈はわかっているのですが、喫煙を噂される芸能人はみんな美肌だという事実もあり、実際にはどれくらいタバコが肌に影響しているのか気になりますよね。

ここではタバコ以外の「汚肌要素」と比較して検証してみました。

 

タバコが敏感肌にもたらす影響とその原因

肌にとって有害と言われているタバコですが、その最も大きな直接要因は「活性酸素」を生み出すことです。

タバコに含まれる化学物質は体にとって「異物」ですから、特に肌が過敏な人の場合、過剰に免疫作用が働きます。

免疫とは白血球の働きのことですが、白血球は大量の活性酸素を生み出しながら外敵と戦います。

 

活性酸素という言葉はみなさんも聞いたことがあるかもしれません。

この活性酸素、ぼんやりとなんだか体に悪いものととらえている人も多いのではないでしょうか。

活性酸素の働きは、上述のように過剰でなければ免疫作用として私たちの体を守ってくれるものなのです。

問題は活性酸素の発生が過剰な場合です。

 

活性酸素が発生する主な原因としては

  • 紫外線
  • ストレス
  • 排気ガス、大気汚染
  • 医薬品
  • 放射線

などがあります。

この中にタバコも含まれるということになります。

 

冒頭にも書いたビタミンC欠乏説は、美容の話題になると絶対に出てくる説ですが、信ぴょう性が高いとは言えません。

なぜなら現代人の食生活でビタミンCが過剰になって排出されることはあっても、欠乏することはほとんどないからです。

現在あらゆる食品、食材に「酸化防止剤」「防腐剤」としてビタミンCが添加されています。

 

摂取しすぎてはいけないと言われることも多いビタミンCですが、取りすぎれば尿と一緒に排出されるだけなので心配する必要もありません。

つまりたばこの害はそのほとんどが「活性酸素による酸化」が原因です。

肌に大きな影響をもたらす活性酸素についてもう少しお話しします。

 

活性酸素が肌に悪い理由

先ほど活性酸素は過剰に発生しなければ問題ないと言いましたが、では、活性酸素が過剰に発生した場合に起こることとはどんなことなのでしょうか。

肌への影響だけに絞ってみてみると

  • メラニンの過剰発生
  • コラーゲン線維へのダメージ
  • 皮膚細胞のガン化

などが起こります。

 

活性酸素は簡単に言えば非常に攻撃力の高い酸素です。

そのため、その方向がピンポイントに外敵を向いていれば良いのですが、過剰に発生すると、自らの皮膚細胞を破壊し始めます。

メラニンは表皮細胞が生み出される基底層のメラノサイトという細胞から生み出され、メラノサイトが外部の細胞や酵素から得た情報によってメラニンに合成を指示します。

 

ところがメラノサイトが情報源としている細胞や酵素に異常が起こることによって、メラノサイトは「外敵あり」と判断し、メラニンの合成を指示するのです。

つまり活性酸素に攻撃され続けている免疫反応が過剰な状態である敏感肌では、生まれた色素沈着が定着し、排出されるそばから発生するため、シミが定着しやすいのです。

 

また、活性酸素は肌の弾力やハリの命とも言えるコラーゲン線維やエラスチンを変質させ、破壊してしまいます。

弾力やハリを失った肌は乾燥し、シワっぽく緩んでしまいます。

これが活性酸素が老化の原因だと言われる理由です。

 

そして肌だけに限りませんが、活性酸素は細胞をガン化させる原因でもあり、当然過剰な活性酸素は皮膚ガンの危険性を高めます。

抗活性酸素や抗酸化は、流行の美容法ではなく、恒久的な不老不死のテーマなのかもしれません。

 

タバコ以外にも!美肌の大敵5選

以上のことから、タバコが肌にとって招かれざる客であることは否定しようがありません。

では、タバコを吸っている人に肌がきれいな女性が多いのはなぜでしょう。

それはタバコ以外の部分で活性酸素を抑えているからではないでしょうか。

主な汚肌原因を7つ挙げてみました。

 

紫外線

まずはみなさんご存知の「紫外線」。

もはや肌にとって最大の敵と言っても過言ではない、強力さ、日常性共に肌にとって大きな影響を与える外的刺激です。

紫外線は、なにより「避けようがないこと」が厄介な要因です。

現代女性にとって日光を避けることはほぼ不可能です。

 

大きなつばの付いた帽子、サングラス、指まで覆うUVパーカー、ストールに強力なUVクリームで武装するのが紫外線との理想の戦い方です。

でもまさか洗濯の時、会社の昼休憩や子供たちとのバーベキューの時にまでその武装を守れる人は多くはないでしょう。

 

ストレス

実はストレスも活性酸素を発生させる大きな要因のひとつです。

わかっていても解消することができないストレスや、そもそも気付いてすらいないストレス。

周りから見ると「大変なのにがんばっている」人に限ってちょっと老け込んだように見えてしまうのはこのせいではないでしょうか。

 

排気ガス、大気汚染

こちらは避けようのない活性酸素発生状況の最たるもの。

最近では電気自動車やハイブリッドカーの普及によって、排気ガスや大気汚染は軽減されています。

とは言えよほど自然に囲まれた中で自給自足をして暮らしているのでなければ、毎日排気ガスは浴びることになるでしょう。

マスクをして外出するなどの対策が必要です。

 

医薬品

なんと、具合が悪いから処方してもらった医薬品にも活性酸素を生み出すものがあります。

医薬品に限らず口に入るものはなんでもそうですが、私たちの体は体内に入るべきものと排出すべきものを厳選してふるいにかけています。

医薬品はそのほとんどが化学物質ですから、本来は排出すべき異物でありながら、体内に侵入していることになります。

そうなれば当然免疫反応が起こり、活性酸素が生み出されます。

 

食品添加物の多くも同じように本来体に入るべきものではありません。

現在では添加物も天然のものを使用していたり、漢方薬を処方する医師も増えましたが、それですべてが賄えるほど普及しているかと言えば、そうではありません。

 

放射線

放射線は元々大気の中にも含まれている天然の成分です。

天然の成分ではありますが、多量に浴びると紫外線よりはるかに多くの活性酸素を生み出します。

例えばエックス線検査は放射能を利用した検査ですが、これらの検査を何度も繰り返せば、常識的な範囲内で検査を受けている人より早く老化が進むでしょう。

 

また放射線は細胞の設計図を有するDNAやRNEという細胞の情報を狂わせます。

その肌細胞がトラブルを繰り返すようにDNAが書き換えられてしまうこともあります。

放射線によって活性酸素が生み出されることによって病気がちになり、また検査を繰り返す…となると悪循環です。

 

このようにタバコ以外にも活性酸素を生み出し、肌に大きな影響を与える外的刺激はたくさんあります。

タバコを吸えないストレスで、タバコを吸うより多くの活性酸素を生み出してしまっていては意味がありません。

いつもより1本だけ我慢し、いつもより少し紫外線に気を付け、ジャンクフードを避けるなど、少しづつの心がけでタバコを吸うくらいの分は取り戻せるのではないでしょうか。

 

まとめ

ところで、実はタバコをやめられないのは「思い込み」ということを知っていますか?

重い依存性があると言われているタバコですが、その依存性の持続時間はなんと15分。

ほとんど依存性はないと言ってもいいと思います。

 

タバコをやめたからといって急激に肌が美しくなることはありませんが、やめるに越したことはありません。

もしタバコを吸っている自分が好きではないのなら、15分だけ、我慢してみてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

人気の記事