肌と粘膜は基本的には同じもの。
ただ、粘膜には角質層がないため、常に生きている細胞が外側に露出している状態になります。
唇はそんな粘膜でできているので、ちょっとしたダメージで乾燥したり、荒れたりしてしまいますよね。
季節が移り替わるこれからの時期、リップクリームでの正しいケア方法を予習して、今年こそ冬でもプルプルの唇で過ごしませんか?
リップクリームにも医薬品がある?!
スキンケアにも医薬品、医薬部外品、化粧品があるように、リップクリームにも同じように医薬品、医薬部外品が存在しています。
化粧品の効果は保湿や日焼け止めがメインで、医薬部外品には炎症や乾燥を予防する効果があります。
医薬品はすでに悪化してしまった唇の荒れやトラブルを治療する有効成分が配合されているものです。
化粧品に分類されるリップクリームは幅広く存在しますが、医薬部外品(薬用)ではメンソレータムやニベアなどが有名ですね。
リップケア用の医薬部外品の有効成分には主に、酢酸トコフェロールやグリチルリチン酸があります。
酢酸トコフェロール(ビタミンE)には血行促進作用、グリチルリチン酸には抗炎症作用があります。
両方入っている薬用リップもたくさんあります。
皆さんが普段使っているリップはこの化粧品か薬用、どちらかであることが多いと思います。
では、医薬品のリップにはどのようなものがあるのかというと、口唇炎や口角炎の治療に有効な成分が入っているものということになります。
よく配合されている成分では、CPC、アラントイン、ピリドキシン塩酸塩などがあります。
CPCには殺菌作用があり、喉の薬、うがい薬としても使用される粘膜に強い効果を持つ薬です。
アラントインは細胞の修復を促進する成分、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)は粘膜を作るノニ必要不可欠な成分です。
さらに強い第2類医薬品などになると、ステロイド(副腎皮質ホルモン)を含んだものもあります。
手に負えない炎症には、薬剤師に相談した上で、このような医薬品を用いることも考慮に入れてみましょう。
リップクリーム、この成分が入っていると唇が見違える!
リップクリームは、そのほとんどがビーワックス(ミツロウ)でできています。
ミツロウはミツバチの巣からハチミツを取り除いたものから採取されるワックスで、食べることもできる天然の成分です。
自然、ビーワックスにこだわったリップは質が良いものになります。
また、リップは保湿目的、荒れた唇の回復目的で使っている人もいるかもしれませんが、予防的に使うことで、劇的に荒れを予防することができます。
忘れがちですが、唇にも紫外線は降り注いでいます。
顔の肌にはしっかりと紫外線対策をして、こまめに塗りなおしていても、唇にはUV対策をしていない人もいるのではないでしょうか。
ある程度は口紅で防ぐこともできますが、食べたりしゃべったりと動きの多い部位である唇ではそれも時間の問題です。
こまめにUVケア用リップを塗っておくことで、乾燥してから塗っていた時とは段違いの唇を保つことができます。
落ちやすいリップのUV効果は数値の大きさで選ぶ必要はありません。
SPFやPAの値が大きくなれば大きくなるほど肌への負担も大きくなりますので、数値の小さいものを選んで、こまめに塗りなおすようにしましょう。
意外に知らない!リップクリームの正しい塗り方
リップクリームをポーチから取り出して、おもむろに唇の端から端を行き来させている人も多いのではないでしょうか。
実はこれ、リップの正しい塗り方ではありません。
唇は縦方向にシワがあるため、そのシワに沿ってリップを縦に塗るのが正解です。
また、顔の皮膚と同じでこすったりなどの刺激を与えるのも良くありません。
手で温めてある程度柔らかくしてから、唇に置く様にトントンと塗ります。
化粧品に分類されるリップには、副作用がありません。
そのため、刺激を与えすぎなければ保湿程度に何度塗ってもかまいませんが、薬用や医薬品のリップには用法・容量が定められているため、きちんと守って使うようにしましょう。
唇パックのやり方
日中にUVケアをしても、夜寝る前にリップを塗っても乾燥する場合、肌と同じようにスペシャルケアするのもおすすめです。
唇は角質がなく、繊細な分、ケアでも効果が出やすいのが特徴です。
塗るものはリップの主成分に近いハチミツや、保湿効果の高いオリーブオイル、ココナッツオイルなど天然の植物オイルが良いでしょう。
和の成分である椿油やライスオイルは日本人の肌になじみが良いのでおすすめです。
唇パックが最も効果的なのはお風呂上がりのスキンケアタイムです。
スキンケアが終わったら、オイルやハチミツなどを唇にたっぷりのせ、唇より少し大きめにカットしたラップを乗せて5分ほどそのままにしておきます。
お風呂上り以外の場合、ホットタオルなどで体温を上げておくと効果的です。
唇が荒れやすい季節を、効果的なリップケアで乗り切ってくださいね!