コスメの基礎知識

成分名「香料」の正体って?香りがあるのに無香料の理由とは

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ほしい化粧品の成分表示に書いてあると、ちょっと気になってしまう「香料」の文字。

愛されている成分とは言いづらく、肌に良くないイメージもあります。

 

そんな香料の中には、実は肌に良い成分も含まれているということはご存知でしたか?

あまり知られていない化粧品成分「香料」についてご紹介したいと思います!

 

そもそも「香料」って、なに?

化粧品や食品などに香りをつけるための成分を香料と呼びます。

ここまではほとんどの人が知っていることだと思います。

 

この香料、実はとても大雑把な成分で、例えばバラの香料とバニラの香料を配合しても、成分表示には「香料」とだけ表示することができます。

その逆も然りで、すべての香料をバラバラに表記することもでき、その場合、「香料」という表記にはなりません。

 

そして、そのざっくりとした香料の中には、当然様々な香りや原料が存在します。

 

香料その1.天然香料

香料と聞くと、なんだか人工的な響きに思えますが、ローズ精油やラベンダーオイル、オレンジやレモングラスなど、植物由来の香りも香料と表記されることがあるのです。

そのため、100%天然成分でできているはずの化粧品の成分表示に香料と記載されているのをよく見かけます。

 

採取法は様々で、基礎化粧品に使われるローズで例えると、ブルガリアローズを蒸留し、上澄みに残った精油を香料として使用します。

 

動植物が原料となっているため、例えば一口にローズ香料と言っても、あまり香らないものから、様々な香り成分を含んだ芳醇なものまでさまざまなのが特徴です。

 

また、天然香料の中には動物由来のものも存在します。

有名なところでは、ジャコウジカのオスから採取される麝香(ジャコウ)、同じようにジャコウネコから採取される霊猫香(レイビョウコウ)などがあります。

 

こちらは植物よりさらに品質が安定せず、貴重な香料です。

 

香料その2.合成香料

「香料」と聞いて真っ先に頭に浮かぶのがこの合成香料なのではないでしょうか。

動植物の香料は、天候や気候などに左右され、数も品質も安定しません。

 

戦後、先進国のすべての女性がなんらかの化粧品を使うようになり、不安定な天然香料の生産は追いつかなくなります。

そこで生み出されたのが合成香料です。

合成香料の多くは、石油系原料を元に作られます。

ところが、これもイメージに反して、すべての合成香料が石油原料によって作られているわけではありません。

 

合成香料には2つのパターンがあり、1つは、植物から単離抽出された抽出香料と呼ばれるもので、もう1つは抽出香料などと石油系原料を合成した合成香料です。

 

抽出香料の中には、ゼラニウムから抽出されるゲラニオール、ハッカ油から取れるl‐メントール、シトロネラ油から採取できるシトロネロールなどがあります。

香りの説明に「フローラル」「ウッディ」「ソープ」などの記載があれば、それはほとんど合成香料です。

 

香料その3.調合香料

天然香料と合成香料を混ぜ合わせて調合したものが調合香料です。

香水やオーガニックコスメなど、香りに重点が置かれている化粧品に配合されています。

 

この調合香料は、数百種類以上の香料から専門の調香師さんがその嗅覚と想像力によって組み合わせています。

そして、この調合香料にも2つの種類があって、1つは天然に存在する香りを忠実に再現した香り、もうひとつは調香師による想像をベースとした架空の香りです。

 

この香料の配合量は、香水でも全体の15~25%、基礎化粧品になると、わずか0.1%程度しかありません。

 

無香料なのに香りがするのはなぜ?

商品パッケージに「無香料」との記載があっても香りがすることがありますよね。

それは、配合されている成分や原料そのものの香りです。

無香料は「香りを消している」という意味ではなく、香料を配合していないという意味で使われることがほとんどです。

そのため、わずかに化粧品らしい香りがすることがあります。

 

また、無香料という表記はなく、成分表示に「香料」の記載がないのに、とってもいいにおいがする化粧品がありますが、これは「そもそも香料って、なに?」の項にも書いたように、香りをつけるための成分を、香料と記載せずにそれぞれバラバラに記載しているからということが考えられます。

 

天然成分を多く配合している化粧品の場合、「無香料」記載されているのに香りがする化粧品と同じように、原料そのものが香りを持っていることがほとんどです。

 

香りは肌をきれいにする

人間は目で見て、肌で触った感覚をいったん大脳皮質に送って、電気信号に変換し、大脳辺縁系へと送ります。

ただ、その感覚「五感」の中で、嗅覚だけは、大脳皮質を経由することなく大脳辺縁系へと到達することができるのです。

 

大脳辺縁系は感情をつかさどる部位で、そのすぐ下には自律神経をコントロールする視床下部が存在します。

そのため大脳辺縁系に直接刺激を与えることのできる嗅覚は、気分を落ち着かせたり、自律神経バランスに影響を与えることができるのです。

 

自律神経は美肌ケアにとって要とも言える神経。

香料と書いてあるからと嫌がらず、好きな香りを見つけてリラックス美肌を目指しましょう!

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