オーガニックや天然化粧品がブームとなっている流れで「食べられる素材の化粧品」にも注目が集まっています。
食べられる成分は、角質層がなく、排出する器官である肌とは違い、吸収する器官である消化管を通るという前提をクリアしたものなので、肌に刺激が少ないのです。
それなら、化粧品として購入すれば数千円するものが、食品なら数百円で手に入るため、そちらの方が良いように思えますよね。
化粧品成分として配合される食品それぞれについて、肌に直接つけても問題がないのか調べました。
【目次】
化粧品成分としても使われる食品№1ハチミツ
ハチミツは化粧品にもシャンプーやボディソープなどにも使われる人気の成分です。
このサイトでも美肌食品としても、敏感肌向け成分としても、何度かご紹介しています。
そんなハチミツですが、実は化粧品として配合されているものは食べてもあまりおいしくありません。
それというのも、化粧品に配合されているハチミツは、濁りとなる不純物を取り除いた後、脱臭や脱色をされて、無色透明の状態となっているからです。
これは、ハチミツは動物由来の成分でもあり、色や香りの成分がアレルギーの原因となりやすいことが理由です。
ただし、オーガニックコスメや天然成分にこだわる化粧品などでは、香り成分の美肌効果を失わないため、そのままのエキスを抽出・配合していることもあります。
食品として販売されているハチミツは結晶になりやすく、生成も荒いか全くされていないこともありますので、まずはパッチテストをしてから使いましょう。
化粧品成分としても使われる食品№2レモン
クエン酸やビタミンをたくさん含んでいる抗酸化フルーツ、レモン。
一時期はレモンパックといって、輪切りのレモンを顔に貼るのも流行しました。
でも、実はこれ、危険な行為です。
レモンに含まれるクエン酸は酸ですから、そのまま顔につけると角質層を溶かしてしまう可能性があります。
また、レモンにはソラレンという柑橘系に特有の成分が含まれていますが、このソラレンには光毒性と言って、光に当たると有毒化し、シミなどの原因となる性質があります。
化粧品成分としても使われる食品№3緑茶
「茶エキス」として配合されることの多い緑茶は、残った茶葉をそのまま顔に置いておくだけでも美容に効果があります。
緑茶の美肌成分は
・カテキン・・・抗酸化成分
・ビタミンC・・・抗酸化、チロシナーゼ阻害、メラニン還元、抗炎症、コラーゲン生成促進
・ビタミンE・・・抗酸化、ホルモンバランス正常化、抗シワ
・クロロフィル・・・抗菌、消臭、ビタミンCの効果促進
など。
これでもほんの一部です。
あまり長く肌に乗せすぎると、肌水分あ奪われるので、5分~10分程度までに抑えておきましょう。
化粧品成分としても使われる食品№4ヨーグルト
ちょっと聞いただけでは肌がしっとりしそうな気がするヨーグルトパックですが、実はその逆です。
ヨーグルトにはAHAと言う酸が含まれています。
これは思春期ニキビ用のせっけんや洗顔フォーム、ピーリングジェルなどに含まれている成分で、用途の通り、角質を溶かす効果があります。
乳酸菌なども含まれていて、肌に良い部分も多いため、化粧品にも多く配合されていますが、乾燥肌の人にはあまりお勧めできません。
化粧品成分としても使われる食品№5米糠
これを食品と呼んでよいかは怪しいところですが、日本でとても人気の高い化粧品成分であり、糠漬けや米糠油として古くから親しまれてきた食品関連成分です。
「コメヌカは素手でかき混ぜる」と言うくらいなので、肌につけても大丈夫です。
ただ、実はコメヌカは天然の界面活性剤で、1日に1度2度では問題ありませんが、あまり頻繁に使うと油分が抜けてしまい、乾燥する可能性があります。
この性質を利用して現在では、クレンジングや食器用洗剤がコメヌカで作られることもあります。
派手目のメイクは落ちませんし、カレーのお皿が一度ですっきりすることはありませんが、界面活性剤の肌への負担が気になっていた人は、コメヌカをぜひ試してみてください。
化粧品成分としても使われる食品№6ヨモギ
餅に混ぜたり、パンに混ぜたり、お茶にして飲んだり・・・。
コメヌカ同様、日本でも昔からなじみがあり、このんで食べられているヨモギ。
化粧品成分としては美白や毛穴の収斂効果があり、炎症にも効きますが、肌に乗せる前に注意が必要です。
植物成分には多いことですが、ヨモギはアレルギーを起こす可能性が比較的高いアレルゲンの1つです。
ブタクサやウルシにかぶれる人が多いように、ヨモギも触るとかゆみが出たり湿疹を引き起こすことがあります。
食べて大丈夫な場合でも、接触性皮膚炎の反応を起こすことは考えられます。
ハチミツ同様、化粧品に配合されているのは香りなどの成分を抜いたものが多く、食品や自生していたものを肌に乗せるのは控えておいた方が良いでしょう。
料理と似ていると言われる化粧品の配合ですが、やはり体の内側と外側では少しずつ違います。
肌に問題を起こす危険性を考えたら、化粧品を購入する方が安全性は高いようです。