コスメの基礎知識

温感化粧品の正体って?暖かくなった方が肌が健康って本当?

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寒い季節、ちょっと気になり始めるのが温感クレンジングに代表される温感化粧品です。

化粧品カウンターで「暖かさを感じなければ、肌が乾燥している証拠ですよ~」なんて勧められたことがある人もいるのではないでしょうか。

 

ここではそんな温感化粧品の正体についてお話しします。

 

温感じわり・・・肌に乗せると温まる化粧品の正体は?

ここ数年、冬になると必ず飛ぶように売れる温感クレンジング。

とっても心地良くて、クレンジングの時間が楽しくなりますよね。

でも、温感化粧品がどうして肌に乗せると暖かくなるか知っている人は少ないのではないでしょうか。

 

実はこの温感の正体はグリセリンなのです。

化粧品成分の中でも保湿剤として割とメジャーでもあり、全く耳にしたことがない成分でもないという人は多いでしょう。

自作化粧品を作ったことのある人なら、絶対に知っている成分です。

 

このグリセリンには、水分と反応して発熱する性質(溶解熱)があります。

そのため、温感化粧品の化粧品表示は最初にグリセリンが表記されます。

水は配合されていないか、ほんの少量しか配合されていません。

 

そのため、肌に触れたときに、肌の水分に反応して発熱するのです。

肌が乾燥していると、グリセリンが十分に溶解熱を発することができず、温感を十分に感じることができなくなります。

化粧品カウンターのスタッフさんが「乾燥していると暖かくなりません」というのはこのせいなのです。

 

また、肌の乾燥いかんにかかわらず暖かく感じ、時には熱さすら感じる化粧品もありますが、これはグリセリンが主体の温感ではなく、主に唐辛子を使った温感です。

ダイエット化粧品や塗るカイロのような商品によく配合されていて、こちらは刺激が強いので、顔の肌に使用するのは避けましょう。

 

温感の正体グリセリンってどんな成分?

グリセリンとは、保湿や保水効果を持った水性成分です。

化学合成された成分のような表記ですが、原料はヤシ油、パーム油、牛脂などの天然油脂です。

 

水と完全に結合せず、不安定に結合したり離れたりするため、肌表面の水分を長時間蒸発させずに保持することができます。

ヒアルロン酸Naやコラーゲンなどと相性が良く、一緒に配合することで保湿力・保水力がアップします。

 

温感化粧品にはどんな効果がある?

まだ使ったことがない人は、温感化粧品と聞いて「肌を傷めたりしないのかな」ということが気になると思います。

温感化粧品で得られる熱は本当に心地良い程度の温度なので、肌を傷めたり、熱によって皮膚が変質してしまったりすることはありません。

 

では、温感化粧品にはどんな効果があるのでしょうか。

 

温感クレンジングで毛穴汚れがこすらず落ちる

 

まず、どんな温感クレンジングにもうたわれているのが、毛穴汚れへのアプローチです。

毛穴汚れは剥がれ落ちた角質と皮脂が混じり合ったもので、ほとんどが油分でできています。

皮脂は温度が高くなれば柔らかくなるので、落ちやすくなるのです。

 

また、肌自体も温度が上がると柔らかくなります。

毛穴も開きやすくなり、柔らかくなった角栓や酸化した皮脂が落ちやすくなります。

 

温感クレンジングは油分の多いメイクに最適

さらに、どうして温感化粧品の中でもクレンジングが注目されているのかと言うと、強力な合成界面活性剤を使う必要がないからなのです。

メイクには、角栓と同じように多量の油分が含まれています。

密着力の高いメイクであるほど、油分は多く含まれているのですが、温感クレンジングのように、実際に発熱するクレンジングの場合、油分自体が緩んで落としやすくなるため、合成界面活性剤で無理にはがす必要がありません。

 

そのため「発熱」というちょっと肌に危険そうな効果にも関わらず、実際には合成界面活性剤よりも肌に刺激を与えずメイクを落とすことができるのです。

温感化粧品を使用する時に気を付けたいこととは

このように、意外にも肌に優しく、使い心地も良い温感化粧品ですが、その特性ゆえに、他の化粧品とはちがう使用上の注意点もあります。

 

温感化粧品は、実際につけてみると熱すぎるほどの温感は感じません。

グリセリンを利用した温感化粧品では、ほとんどの場合ほのかな温かみを感じるだけなのですが、肌の温度は実際に1~3度程度上がります。

 

毛穴の皮脂ももちろん溶けますが、角質層に含まれるセラミドなど細胞間脂質も、温感によって柔らかくなります。

角質層は角質と細胞間脂質、天然保湿因子が重なり合ったラメラ構造という形をしていますが、細胞間脂質が温まって柔らかくなった時に強くこすると、ラメラ構造が乱れて、角質層が剥がれてしまう可能性があります。

 

温感ジェルなどのパッケージには「温感マッサージ」などと書いてある場合もありますが、できるだけ、表面をなでる程度で、マッサージのような強い刺激は与えないようにしましょう。

 

冬になり、皮脂が固まると角栓も気になりますよね。

上手に温感化粧品を利用して、心地良くスキンケアしましょう。

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