コスメの基礎知識

敏感肌改善のカギを握る!マストT細胞の働きと付き合い方とは

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肌が過敏になる季節が深まってきました。

この時期になると、いつもより炎症を起こしがちになったり、常にかゆみを感じたままになるという人も多いのではないでしょうか。

 

そんな敏感肌の原因ともなっているのが、免疫細胞の暴走です。

自律神経バランスの乱れによって、普段なら何ともなかったような刺激にも過敏に反応するようになった免疫細胞は、髪の毛1つ触れても炎症を起こすようになってしまいます。

 

この時、交感神経の暴走によって過剰に働くようになる免疫細胞があります。

その名をマストT細胞と呼び、敏感肌を繰り返す魔のサイクルを引き起こしてしまう原因ともなります。

このマストT細胞の活性化を抑え、いち早く敏感肌のサイクルから脱出する方法についてお話しします。

 

敏感肌のスイッチを入れるマストT細胞とは

現代女性の肌は疲れている、という風によく言われます。

肌が疲れているというのは、イコール体が疲れているということ。

 

人間の体は、大きく分けると、昼夜2つの顔を持っていて、その2つをそれぞれつかさどる自律神経があります。

昼の戦う体を支配しているのが交感神経、夜の疲れた体を修復するのが副交感神経です。

2つの神経は、光によって昼夜の認識をしているため、遅い時間まで光を浴びている現代人は、交感神経が働き過ぎていると言われています。

 

この交感神経は、免疫作用をつかさどる神経でもあります。

免疫は、体に何らかの刺激や不調が合った時に働きますが、その刺激に対して攻撃を仕掛けるのも免疫細胞なら、その免疫細胞に、何らかの刺激があったことを報告するのも免疫細胞の一種なのです。

 

その戦う免疫細胞に刺激を報告する免疫細胞こそが、マストT細胞、連絡係の役割を持つ免疫細胞です。

本来なら、わたしたちの体を守る頼もしい細胞なのです。

 

マストT細胞のスイッチ

普段は外敵の襲撃をいち早く報告し、体を守る心強い門番、マストT細胞。

そのマストT細胞も、交感神経が過敏になっていると、働きが過激になり始めます。

 

そんなときのマストT細胞を活性化するのは以下のような刺激です。

・髪・洗顔・触り過ぎなどの外的刺激

・外気温などの刺激

・紫外線やウィルスなどの刺激

 

どれも免疫細胞の働きとして、反応すべき正しい刺激です。

ただ、交感神経が優位になり過ぎている・・・神経がピリピリしていると言われるような状態の時には、本来免疫細胞が働くまでもなく、皮膚上で解決できるはずの問題にすら、マストT細胞が首を突っ込んでくることになってしまいます。

 

髪や洗顔などの刺激もマストT細胞を呼び起こす

例えば、顔中ににきびができて治らない連鎖に陥っている人はまさしくこの状態で、髪をまとめても、刺激にならないように泡洗顔に努めても、外気に含まれる少しのホコリなどがマストT細胞に見つかってしまうのです。

 

これには徹底的な防御が必要ですが、刺激から身を守るための化粧品がかえって肌の刺激になることもあるので、パッチテストをしながら慎重に決めましょう。

何を使ってもダメな時は、精製水とワセリンで様子を見ましょう。

 

気温の変化はマストT細胞を強く刺激する

寒さは肌に悪いと言われますが、これは血流が悪くなるという表面的なことだけではなく、その奥に起こっている交感神経優位の状態が関係しています。

 

体は寒いと毛穴を閉じ、血管を細く締めます。

これはすべて交感神経の働きです。

普段から交感神経が働き過ぎの状態である敏感肌の人は、さらに交感神経が働きづめになり、免疫細胞は暴走し、副交感神経がしっかりと働かないため、その傷跡は修復されにくくなってしまいます。

 

ただ、寒いからと言って、熱過ぎるお湯につかったりするのもNGです。

こちらも単純に皮脂やセラミドなど、肌の油分が溶け出しやすくなるということに加え、マストT細胞が活性化するという理由があります。

肌にとってはぬるめのシャワーがベストで、40度にもなる入浴はほとんど害であると考えた方が良いでしょう。

 

紫外線は肌にとって百害あって一利なし

太陽の光はセロトニンの分泌を促したり、ビタミンEを合成したりと、人間にとって必要不可欠ですが、一方で、肌にとって紫外線は、浴びて良いことなどほとんどありません。

 

マストT細胞が最も大きな敵と認識しているだろうものこそ、紫外線です。

紫外線は、肌の強い人なら1時間浴びていてもちょっと黒くなるだけということもあると思いますが、敏感肌なら大抵は赤く熱を持って、時にはかゆみを引き起こします。

これはすべて免疫細胞の働きで、炎症が起きている状態です。

 

紫外線の刺激も、物理的刺激と同様、しっかりプロテクトすることが大切です。

肌が敏感な時は、紫外線吸収剤ではなく、肌表面で紫外線をはじき返す紫外線散乱剤配合の日焼け止めを使うようにしましょう。

 

マストT細胞の暴走を止めるには、親玉の自律神経ケアを

自律神経バランスが崩れている時のマストT細胞は、常に臨戦態勢です。

どんな刺激も見逃さないという姿勢のマストT細胞を起動させずにいることは難しく、実際に「何をやってもムダ」と感じてしまう人も多いでしょう。

 

そのため、敏感肌の無限サイクルから逃れるためには、まず交感神経が優位になりがちな夜型、緊張型の生活を少しづつ改善することが必要です。

アロマなどを使って、生活の中に少しづつリラックスを取り入れるようにしましょう。

 

 

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