コスメの基礎知識

安い化粧品を贅沢に、油分でフタ・・・保湿のまちがい3選!

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大人になれば、とにかくどんな肌トラブルが起きても、基本的な対処は「保湿」となります。

ところが、この保湿にはとても間違いや勘違いが多く、きちんと保湿できないまま、自分の肌を「たっぷりの保湿でも効果がないほどの超乾燥肌」だと思い込んでいる人もたくさんいるのです。

 

肌が潤うという状態とはどんな状態かというところから、間違ったスキンケアや効果のない保湿法、効果的な保湿の仕方についてお話ししていきたいと思います。

 

乾燥肌と潤い肌の違い・・・肌がしっかり保湿されるとは?

この記事を読んでくださっている皆さんは、少なくとも自分の肌が乾燥気味、敏感気味であるという疑いを持っている人だと思います。

肌に悩みを持つそんなみなさんなら、「インナードライ肌」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

インナードライという言葉の持つ響きから、肌の奥の方が乾燥しているような感じを受けますが、実際にはそうではありません。

乾燥肌やインナードライ肌は、両者ともに、肌表面のわずか約0.04mmという厚さの「角質層」で起こっていることです。

 

それではなぜインナードライというのかを説明すると、乾燥肌というのは、角質層だけが乾燥している場合と、角質層の水分を保つための成分が正常に生み出されなくなっている場合があり、後者の場合、原因が肌の内側からくるものだからです。

 

インナードライ肌も乾燥肌も、角質層が乾燥している状態のことを指しています。

角質層は、通常約20%~30%ほどの水分が含まれています。

角質層の水分が20%以下になると乾燥肌の状態になり、赤みやかゆみなどの自覚症状が起こる頃には、10%ほどにまで水分量が減少していることもあるのです。

 

この水分というのは、角質層より奥の皮膚細胞の中に存在し、代謝によって役目を終えた細胞内から染み出して角質層の潤いとなるもので、例え皮脂がたくさん分泌されている肌でも乾燥肌にはなり得ます。

つまり、しっかりと保湿されている状態というのは、角質層自体が多くの水分量を保持できている状態ということになります。

 

それって本当に保湿できてる?間違った保湿ケアの常識

前項の通り、肌の保湿には

・肌内部から保湿成分がしっかりと生まれること

・角質層に水分が保持できること

というふたつの条件がそろっていなければいけないということがわかっていただけたと思います。

 

前項でお話しした、肌内部から生まれる水分というのは、厳密には水分だけではありません。

水分であるNMF(天然保湿因子)と、水分を保持する脂質である細胞間脂質の2つが揃って初めて、角質層に水分が保たれるようになります。

 

角質層に水分を保っておくためにならないことは、肌の保湿にとっても意味がないということです。

それでは、「保湿ケア」と言われているスキンケアの中で、間違っていたり、意味のないものを見ていきましょう。

 

高級な化粧水より安い化粧水をたっぷりと・・・?

 

肌の保湿に、化粧水の値段は関係ありません。

また、化粧水をつける量も、ほとんど関係ないと言って差し支えないでしょう。

 

化粧水はその7割以上が水分によって成り立っています。

水分はすぐに蒸発してしまうため、たくさんつけてもあまり意味がないのです。

たくさんつけるより、こまめにつける方が、肌の保湿には良いかもしれません。

 

化粧水の水分を油分でフタ・・・?

 

それなら、たっぷりの化粧水を油分でフタすればいいんじゃないの?という声も聞こえてきそうですが、通常のオイルには、それほど水分を保持しておく能力がありません。

 

この方法は「インナードライで皮脂過剰」という肌状態の人には最悪の対処法で、角質層は潤わず、元々過剰な皮脂に油を加えることによって、更にニキビや化粧崩れを悪化させることになってしまいます。

 

化粧水で良質の水分を肌に与えたら、それを逃さずとらえて、長く保持できる油分でカバーすることが、スキンケアの保湿能力を最大限に引き出すために必要です。

 

これ以上脂性肌になりたくないから保湿はしなくてOK・・・?

 

前項でもお話しした通り、表面的にぎらついていて、ニキビができがち、毛穴も開きがち・・・という人でも、乾燥肌である可能性は非常に高いと考えられます。

 

特に、大人のニキビ肌はインナードライ状態が原因となっていることが多く、皮脂の量=肌の潤いと思って保湿を怠ることによって、状態が悪化することがあります。

 

角質に水分を保持できる保湿成分

「化粧水を油分でフタ」は、正しい場合とそうでない場合があります。

角質層に水分を保持できる成分は限られていて、化粧水の後にはそのような成分を配合した乳液やクリームを使うことで保湿することができます。

 

高い保湿力を持つ成分を、3つのタイプに分けて見てみましょう。

 

水分を挟み込んで保持する成分

 

油分と油分の間に水分を挟み込んで蒸発を防ぐ性質のある成分です。

【セラミド】

肌の内側から生まれる細胞間脂質の大部分を占める油分です。

同じく肌の内側から生まれる天然保湿因子と細胞間脂質さえあれば、本来なら他は何もいらないというほどに保湿能力の高い成分です。

【水添レシチン】

天然の乳化剤として乳液やクリームなどに使用される界面活性剤です。

【コレステロール】

細胞間脂質の構成物のひとつです。

セラミドと並び、非常に高い保水力を持っています。

 

水分を吸収する保湿成分

 

保冷材の内容物や、紙おむつに使用されているポリマーのように、自分の体積以上の水分を吸収して保持する能力のある成分です。

【コラーゲン】

真皮そのものともいえるコラーゲンも、高い保湿力を持っています。

コラーゲンには水分を吸収する能力があります。

【ヒアルロン酸】

こちらも真皮に存在する成分で、コラーゲン以上に保水能力が高い。

湿度の高い時などでは、自身の600倍もの水分を吸収することもあるほど。

【ヘパリン類似物質】

血中にあるヘパリンという成分に高い保湿成分があることがわかり、それに似た成分として作られた医薬品で、薬品名としては「ヒルドイド」が良く知られている。

 

水分をくっつける成分

自身に水分をくっつけるタイプの保湿成分です。

【NMF(天然保湿因子)】

角質層において、セラミドによって挟まれる水分が、このNMFです。

NMF自身水分でもあり、が水分をくっつけてまとっておくこともできるため、他の2タイプの保湿成分との併用で、非常に高い保湿効果を発揮します。

 

 

 

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