コスメの基礎知識

敏感肌の強い味方!肌のピリピリ・かゆみと戦う抗炎症成分6選

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冬になると角質層も乾燥して薄くなり、肌表面は微弱な炎症を起こしがちになります。

 

肌表面の保護として、セラミドなどによる保湿ケアは必須ですが、すでに起こってしまっている炎症や、一触即発状態の肌を鎮めてくれる抗炎症成分によるケアも同時進行で行う必要があります。

 

ここでは、冬の肌に強い味方となる、抗炎症成分を6つご紹介します。

 

化粧品から医薬品まで幅広く使用されるグリチルリチン酸ジカリウム

もはや抗炎症成分と言えばグリチルリチン酸というくらい、鉄板の成分です。

グリチルリチン酸2カリウム、グリチルリチン酸2Kと表記されているものも同じ成分です。

 

医薬品・医薬部外品有効成分でもあり、機能性化粧品にも含まれていることが多い成分です。

漢方生薬として、長く鎮痛消炎剤の役割を担ってきたカンゾウ由来の成分で、カンゾウの主成分であるグリチルリチン酸の誘導体です。

 

ステロイドと同じ働きをするという間違った情報もありますが、これはグリチルリチン酸ジカリウムとステロイドの構造が似ていることからきた勘違いで、グリチルリチン酸ジカリウムにはステロイドに見られるような免疫抑制作用は見られません。

 

「油溶性グリチルリチン酸ジカリウム」ことグリチルレチン酸ステアリル

グリチルリチン酸ジカリウムと同じく、カンゾウから抽出されたグリチルリチン酸の誘導体ですが、グリチルリチン酸ジカリウムが水溶性ナノに対し、こちらのグリチルレチン酸ステアリルは油溶性です。

そのため、グリチルリチン酸ジカリウムは化粧水など水分の多い化粧品に配合され、グリチルレチン酸ステアリルはオイルやクリームなど油分の多い化粧品に配合されます。

 

化粧品や医薬部外品でよく目にする抗炎症成分と言えばグリチルリチン酸ジカリウムですが、実はこちらのグリチルレチン酸ステアリルの方が強い抗炎症作用を持っています。

 

抗炎症生薬の代名詞、カンゾウ

前項で紹介したグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリルという抗炎症成分2大巨頭の生みの親であることからもわかる通り、とても優れた抗炎症作用を持つ天然成分です。

 

漢方以前から人間とは長い付き合いがあり、なんと4000年前のメソポタミアで発見され、やはり美容成分として使用され始めたのがカンゾウエキスの始まりだと言われています。

その名の通りとても甘く、その甘みは砂糖の250倍。

現在でのその甘さを利用し、調味料としても使われています。

 

化粧品に含まれているカンゾウ根エキスは、甘草という植物の根に含まれるトリテルペノイド配糖体を抽出したものです。

グリチルリチン酸やグラブリジンというフラボノイドが含まれていて、このグラブリジンには医薬部外品美白有効成分であるコウジ酸にも匹敵すると言われる美白効果が発見されています。

 

これまでに確認されているカンゾウ根エキスの美肌効果は、抗炎症・美白・保湿など多岐に渡ります。

 

肝斑にも効果を発揮!医薬品有効成分トラネキサム酸

グリチルリチン酸意外にも有効な抗炎症成分はまだまだあります。

医薬品有効成分であり、近年、肝斑やシミへの効果も期待されているトラネキサム酸は、元々は止血剤や抗炎症剤として処方されていたものです。

 

合成アミノ酸で、自然界に存在する成分ではないものの、安全性はとても高く、副作用も極めてまれなので、安心して使用することができます。

 

イボ治療でも有名な漢方生薬成分ヨクイニン

肌に良いお茶として流行し、スキンタグなどのイボにも効果を発揮すると言われる漢方生薬ヨクイニン。

生薬名でもすでにとてもポピュラーなこの成分は、別名を「ハトムギ」と言います。

そう、日本人にはなじみ深いイネ科の植物で、ハト麦茶として親しまれているあのハトムギです。

 

化粧品に配合されるときには、ヨクイニンエキスやハトムギエキスと表記されていますが、両者は正確に言うと、同じものではありません。

ヨクイニンエキスは、皮をむいたハトムギの種から、ハトムギエキスはハトムギの種そのものから得られたエキスという定義があります。

 

どちらにも、保湿効果、抗炎症作用があります。

 

動物由来の抗炎症成分アラントイン

韓流コスメでもセンセーショナルなブームになったカタツムリコスメ。

そのカタツムリコスメに含まれていると話題になったのが、抗炎症成分で、美白作用も持つと言われるアラントインです。

 

由来は牛の羊膜で、アラントインという名前は日本語で羊膜を指しています。

このアラントインには細胞増殖効果があり、傷ついた皮膚細胞を増殖させて傷の治りを早くすると言われています。

皮膚を保護し、肌の赤みを抑えるなどの抗炎症作用も持っています。

 

また、敏感肌の人にとってうれしいのが、抗アレルギー作用があるという点です。

アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、ヒアルロン酸ナトリウムを配合したクリームの使用によって、アトピーの症状が軽快したという報告もあります。

 

発見されたのは牛の羊膜で、動物由来成分に分類されますが、現在では尿素から合成されるものも多く、副作用もないため安心して使うことができます。

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