コスメの選び方

第4の皮膚?!天然保湿クリーム「皮脂膜」の正体と働きとは

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このサイトでも何度かお話ししていることですが、皆さんもご存知の通り、皮膚は外側から角質層、表皮層、真皮層の三層構造になっています。

でも実は、このさらに外側にもうひとつ、なくてはならない層があるのをご存知ですか?

 

角質層の表面を覆うように存在し、皮膚のいわば「防護服」である角質層をコーティングしている・・・それが皮脂膜です。

意外と知らないこの皮脂膜の正体と働きについて、徹底的に調査してみました!

 

皮脂膜の働きとは

角質層の厚さはおよそ100分の1㎜から100分の4㎜。

さらに薄い2000分の1㎜という薄さで角質層を守っているのが皮脂膜です。

 

皮脂膜の働きは、単純に角質層の水分蒸発を防ぐだけでなく、角質層が剥がれるのを防ぎ、気温の変化から肌細胞を守ります。

そんな直接的な働きの他にも、肌に様々な影響をもたらしているのです。

 

皮脂膜って何でできているの?

 

毛穴から分泌される皮脂と、汗腺から分泌される汗、さらに角質層に由来する脂質が混じり合ってできたもので、皮膚に住む常在菌が好んで食べます。

常在菌のエサとなった皮脂膜の素は、常在菌の体内で消化されて排出され遊離脂肪酸となって肌表面のpHを弱酸性に保ちます。

 

また、汗に含まれるアミノ酸なども、肌のpHバランスを保つことに貢献しています。

 

皮脂膜はpHバランスを保っている

ここで言うpHは、肌の中に含まれている水分のイオン濃度のこと。

弱酸性というpHは、ウィルスや菌が侵入しにくい濃度で、洗顔などによってこの濃度が変化すると、一時的(洗顔の場合、通常およそ15分~2時間程度でゆっくりと弱酸性に戻ります)に感染症の危険性が高まります。

 

皮脂の分泌過剰で皮脂膜は厚くならないの?

 

皮脂膜の主体となる皮脂は、毛穴から分泌されています。

毛穴の根元は真皮にまで達していて、そこから分泌された皮脂は、毛を伝って毛穴から外に出ます。

 

ところが、古い皮脂が毛穴を覆っている場合、皮脂は外に出ることができず、毛穴の中で止まってしまいます。

そのため、皮脂膜は一定の厚さで保たれているのです。

 

この皮脂膜はスキンケアアイテムのクリームのようなものなので、洗顔などで簡単に落ちます。

そうすると、また毛穴から皮脂が湧き出して、一定量になると毛穴をふさいでしまうのです。

 

新しい皮脂膜ができるまでの時間は、長くても2、3時間程度。

そうしてまた肌は弱酸性に保たれるのです。

 

また、皮脂膜は油ですから、気温が下がると硬くなってしまいます。

そのため、冬は分泌されてすぐに硬くなってしまった皮脂膜が毛穴をふさいでしまい、皮脂分泌量は低下します。

 

最近では、皮脂に近い成分組成のクリームやオイルを使ったスキンケアアイテムも人気があります。

秋冬はそのようなアイテムでケアするようにしましょう。

 

皮脂の分泌量は年齢と共に低下する

これはもう知っている人も多いことかもしれませんが、皮脂の分泌量は20歳を境に急激に減少します。

特に女性の場合、元々男性と比べて皮脂分泌量が少なく、40代に入るとガクンと低下してしまうのです。

 

単純に油分だけを補うなら、化粧品でも十分にその意味を成しますが、皮脂膜はこれまでの項目でもご説明した通り、複雑で独特の組成になっています。

ですから、皮脂を補う目的でスキンケアする場合、下記のようなものを選ぶ必要があります。

 

・皮脂の分泌を促す・増加させるもの

・常在菌のエサとなる成分

・皮脂に近い成分

 

皮脂の分泌を促す成分

 

分泌が減少している皮脂を、外から補うのではなく、増加させるスキンケアです。

思春期の子供たちがニキビを治す方法として「皮脂分泌を促すような食事をとらない」というものがありますが、皮脂分泌を促す食べ物は、当然年齢肌にも効果があります。

 

中でもマイタケエキスは、化粧品成分として肌に塗布することでも皮脂産生を増加させ、食べても皮脂分泌を促します。

 

常在菌のエサとなる成分

 

皮脂膜は、単なる皮脂ではなく、汗や皮脂、常在菌が分解した脂質などが混じったものです。

そのため、常在菌がいなくなると、皮脂膜は不完全なものとなり、pHバランスも崩れて、ニキビや感染症が起こりやすくなります。

 

常在菌のエサとして有名なのは、オリゴ糖ですが、最近、化粧品などの成分として増えてきたのがバイオエコリアという成分です。

バイオエコリアは皮膚の善玉菌のみがエサとするよう開発された成分で、黄色ブドウ球菌などの善玉菌を増やすことがなく、安全に皮膚の菌活ができます。

 

皮脂に近い成分

人間は生き物なので、同じように生きている動植物の中には、似た成分を分泌する生き物がいます。

植物界にも人間の皮脂に似た成分のオイルがあります。

 

それがモリンガオイルです。

モリンガオイルの主成分はオレイン酸。

これが皮脂に含まれている成分なのです。

 

また、モリンガオイルには皮脂分泌をコントロールする作用があるので、分泌が過剰な夏にも使うことができます。

 

 

知っているようで知らない皮脂膜、実はとっても奥深く、肌を様々な危険から守ってくれる大切なものなのです。

洗顔と保湿によって、皮脂膜を健全に保ちましょう!

 

 

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