コスメの基礎知識

皮膚科推奨の敏感肌用化粧品は、普通の化粧品とどう違うの?

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皮膚トラブルが悪化したり長期化して皮膚科へ行くと、診察とは別に普段のスキンケアの指導をしてもらえることがあります。

その時に医師や看護師から紹介してもらえるのが、皮膚科推奨のスキンケアアイテムです。

 

保湿剤として定番保湿アイテムであるワセリンを勧められたり、最新の化粧品をサンプルでもらえることも。

皮膚科医が認める化粧品だからすごく良く効くはずだけど、ちょっとお値段が張るものも多いです。

そんな皮膚科推奨化粧品は、普通の化粧品とどう違うのでしょうか。

 

皮膚科推奨化粧品はシンプルな成分の医薬部外品

敏感肌の人が陥りがちなスキンケアの間違いとして、「効きそうな成分がたくさん入っている化粧品がベスト」と思って化粧品を選ぶというポイントがあります。

これは大間違いではないのですが、本当に肌がダメージを受けている場合は、症状が長期化してしまう危険性もはらんでいます。

 

肌が重大なトラブルを起こして、トラブルの原因になったと考えられる化粧品を持って皮膚科の診察を受けに行ったと想像してみてください。

医師がその複雑な配合の化粧品の中から、原因となった物質を1度で探り当てることは難しいでしょう。

そのため、多くの皮膚科推奨化粧品は刺激になるものが特定しやすいシンプルな配合になっています。

 

また、成分の有効性が認められていて、厚生労働省の認可が下りている医薬部外品を勧められることも多いです。

皮膚科を訪れている患者は、当然皮膚トラブルを抱えていますから、合成界面活性剤など、皮膚表面のバリア層に影響する成分を避けているものがほとんどです。

 

一般の化粧品は肌が健康であることを前提に、本来持っている肌の美しさをより上の段階へ引き上げることが目的ですが、皮膚科で勧められる化粧品は肌を守ることや肌が本来の状態に戻るのを助けることが目的です。

ですから、「皮膚科で推奨される化粧品は紫斑のものよりも美肌になれる」ということではなく、トラブルのある肌、トラブルを起こしやすい肌の治療を邪魔することなく、ニュートラルな肌に戻す手助けをしてくれるというのが正解です。

 

皮膚科推奨の化粧品に含まれる成分

前項のように、皮膚科で推奨されている化粧品は「守備に強い化粧品」です。

シンプルな処方で肌を刺激やトラブルの連鎖から守るためにはどのような成分が含まれているのでしょうか。

 

ワセリン

 

最もポピュラーな皮膚科推奨保湿成分と言っても過言ではないのがワセリン。

ワセリンの利点は、石油由来の油性成分、白色ワセリン100%と成分が究極にシンプルであること。

 

かつては油焼けの原因とも言われましたが、ワセリン自体、肌に刺激を起こすことが極めて少ない成分であることに加えて、現在では精製度が上がり、鉱物成分が混じることもなくなったため、炎症を起こしがちな肌にも安心して使うことができます。

 

セラミド

 

人間の細胞に元々存在する成分であるセラミドは、肌表面のバリア層を構成する、非常に重要な油性の保湿因子です。

炎症を起こしている肌は、このセラミドが正常に産生されなくなり、バリア機能が衰えます。

 

そのため、炎症が治まるまでの間、疑似的なバリア層を形成して外的刺激から肌を守るために、セラミド配合の化粧品を使用することが推奨されます。

 

グリチルリチン酸

 

すでに炎症を起こしている肌や、炎症が慢性化、恒常化している肌に勧められる化粧品に配合されていることが多い成分です。

原料は漢方の生薬でもあるカンゾウから抽出されたもので、カンゾウ自体もアロエやティーツリーなどと並ぶ抗炎症効果のあるハーブとして使用されますが、グリチルリチン酸は医薬部外品有効成分として、ニキビや粉吹き、湿疹などのある肌にも使用されます。

 

グリチルリチン酸2K、グリチルリチン酸ジカリウムなどの表記がある成分も同じものです。

 

アラントイン

 

様々な有効効果を持つ医薬部外品有効成分です。

傷を早期に修復する作用、消炎作用、美白・・・など、とても多くの能力を持っています。

 

この成分は粘性のある植物分泌液などに含まれますが、カタツムリや蛆虫にも含まれていて、壊死した皮膚を取り除き、清浄に保ったまま傷を早期に治癒することができるため、蛆虫療法という治療法が編み出されました。

 

ポリマー

 

肌に有害なものであるというイメージも強いポリマーですが、実はそれほど刺激の強いものは多くなく、そのほとんどは肌にとって有益な存在です。

例えば高い保水能力を持つヒアルロン酸やコラーゲンはこのポリマーの一種です。

 

仲間という意味では、紙おむつに含まれている吸水成分も同じポリマーです。

そのように、水分を抱き込んで長く保つことができるのがポリマーの特徴で、肌表面に水分がたくさんあることによって、外的刺激からのクッションになることができるのです。

 

皮膚科推奨の化粧品は肌を元気にしてくれる

敏感肌の人にとって、化粧品は肌を本来あるべき姿に戻すためのものであることが多いと思います。

皮膚科で推奨されている化粧品は、その中でも科学的実証があるもの、十分なエビデンスがあるものであることが多いです。

「今はシミやシワより肌を本当の姿に戻すことが先決!」そう思った時は、ぜひ皮膚科推奨の化粧品を使ってみてくださいね。

 

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