肌が敏感な人は、その症状が全身のいたるところに発症して悩まされることが多いと思います。
そんな中でも女性にとって深いのは、外見の美しさにも直通する頭皮や髪の悩みですよね。
敏感肌用のシャンプー、ノンシリコンシャンプー、オーガニックのシャンプーなど、いろんな製品を使ってもダメだったという人に、洗わないシャンプーをおすすめしたいと思います。
髪にも頭皮にもいいことしかない、洗わないシャンプーについてお話しします。
髪を洗うのにシャンプーのもこもこ泡は必要ない
現代人であるわたしたちにとって、洗髪はもこもこの泡で頭も髪もすっぽりと包み込んで汚れも何もかもさっぱりと洗い流してしまうもの。
でも、もっと時代をさかのぼると、平安時代には水洗いのあとに香油を塗るだけの洗浄、江戸時代にはコメヌカ、ふのりとうどん粉など、泡立たない洗浄料で髪を洗っていたことがわかっています。
中でもコメヌカは、最近では保湿クレンジングや食器洗いなどとして注目を集めていて、その良さが再確認されています。
シャンプーのもこもこ泡と、汚れをひとつたりとも残さない強力な洗浄力は、石油系の界面活性剤によるもの。
そんな石油系界面活性剤は、強力な洗浄力の代わりに、肌の潤いも同時に奪い、角質層の構造を破壊してしまうという大きなデメリットがあります。
角質層は敏感肌にとって必須の肌バリアですから、不必要なほど強力な石油系界面活性剤は避け、昔ながらの天然界面活性剤や、天然成分を合成したものを選びたいものです。
繰り返し炎症を起こす頭皮は髪を細く弱くする
敏感肌を自認する人の頭皮は、乾燥していたり、炎症を起こしがちになっていたりすることが多いものです。
フケが多い、頭の中に繰り返しニキビができるというような頭皮の悩みを抱えている人は、今は問題がないように感じていても、いずれ髪の悩みも抱えることになります。
特に30代以降の女性に多いのは、薄毛の悩みです。
結婚や妊娠出産、出世などの辞令と、30代、40代の女性にはストレスや環境、体の変化が多いことも手伝い、猫っ毛や抜け毛が気になり始めます。
環境の変化などには、アロマや睡眠の調整など、こまめで簡単な対策を行うとして、毎日の先発で頭皮に負担をかけ、炎症を起こすサイクルを続けると、薄毛は進行します。
毛穴の内部は皮膚と地続き、全く同じ組成になっています。
顔の肌や頭皮と同じで、毛穴内部の肌も、炎症を起こせば腫れて、最悪の場合化膿します。
そうなった場合、毛穴はふさがり、生えてくるはずの髪に栄養がいかず、弱く細い曲がった髪が生えてきたり、髪自体が生えてこなくなったりするのです。
髪と頭皮に優しい泡立たないシャンプー
炎症を起こしたくないからと言って、毎日の洗髪をしないわけにはいきません。
そんなニーズと相まって、今注目されているのは、「WEN」という泡立たないシャンプーです。
このシャンプー、時々「界面活性剤を使っていない」と紹介されていることがありますが、それは間違いです。
WENは天然植物成分を中心とした配合の中に、少量、ごく弱い界面活性剤が含まれています。
その処方は、クリームやオーガニックのトリートメントに近く、必要以上の油分を奪っていくことはありません。
その洗い上がりはトリートメントやパックなしでも毛先までしっとりしていて、冬に頭皮がかゆくなったり、フケが増えることが気になっている人にもおすすめです。
その代わり、もこもことした泡で頭皮の油まで根こそぎ洗浄するような強い洗浄力はないので、頭皮の脂っぽさが気になる人や、日常的にワックスを多く使っている人などには合わないかもしれません。
天然成分のトリートメントで頭皮や髪を洗浄?
さきほどお話ししたWENというシャンプーですが、前項でも少し触れた通り、処方はクリームや天然成分配合のトリートメントに似ています。
コメヌカに含まれるサポニン、有乳に含まれるカゼインなど、天然にもたくさんの界面活性剤が存在します。
オーガニック成分や天然成分を中心に処方されているクリームやトリートメントは、このような天然界面活性剤やせっけんを乳化剤として使用していることが多く、ごく弱い洗浄力を持ちます。
「今日は外出もしなかったし、ヘアケア剤も全く使っていない」という日には、これらのクリームやトリートメントのみで十分に頭皮や髪の洗浄ができるのです。
天然成分中心のヘアケア剤の中でも、洗い流さないトリートメントなどのクリームは、弱い洗浄料としても、その後のヘアケアにも、朝にはヘアスタイリングにも使えるため、吟味すれば1本3役のアイテムとして使えます。
ただし、「コメヌカ成分配合」「天然界面活性剤使用」との表示がある中にも、その他に刺激の強い成分をたくさん使っていたり、表示成分がほんの少ししか配合されていないものが存在し、かえって頭皮を傷めかねないので、成分表示をよく確認するようにしましょう。