敏感肌にありがちな基礎化粧品選びの悩みに「付けたときにしみる」ということがあります。
化粧品を変えてもしみる、化粧水はしみるけど乳液はしみないなど、状態によってさまざまな「化粧品が肌にしみる」悩み、原因は肌とスキンケアアイテム、どちらにあるのでしょうか。
化粧品が肌にしみる原因を探っていきましょう!
化粧品がしみる原因が肌にある場合
「どんな化粧品を使っても、肌がピリピリする」
そんな悩みを持つあなたは、肌の方にしみる原因を持っています。
化粧品がしみる原因となるパターンを1つずつ見ていきましょう。
角質層が傷ついている
洗顔のし過ぎやピーリング、マッサージなどによって角質層が傷ついたり薄くなっていると、生きている肌細胞は化粧品の刺激を直に受けることになります。
どういうことかというと、肌は身体の内側から皮下組織→真皮→表皮→角質層という層状になっています。
皮下組織は脂肪細胞、真皮は繊維芽細胞、コラーゲンやエラスチン、表皮は表皮細胞、角質層は表皮細胞の抜け殻と内容物によって構成されています。
化粧品は肌の一番表の層である角質層に浸透し、働くように設計されているため、角質層が薄くなっていたり傷ついていたりすると、本来想定しているよりもずっと強い刺激が肌に与えられてしまうのです。
炎症が起こっている
肌の表面で炎症が起こっている場合、ニキビになったり、湿疹として現れるなど、見てすぐに「化粧品がしみそうだな」ということがわかります。
ところが、角質層のすぐ下部分の表皮で炎症が常態化している場合、どうしてしみるのかわかりません。
また、生きている皮膚細胞に炎症が起こっている場合、のちに角質層の構成物になるはずの細胞の内用液がきちんと生成されず、角質層が不完全なものになります。
慢性的に表皮で微弱な炎症が起こっている状態を敏感肌と呼びますが、敏感肌であるというだけで、化粧品がしみる2つの原因を一気に抱えることになってしまうのです。
化粧品が染みる原因が化粧品にある場合
肌に大きな問題が起こっていなくても、刺激を感じる化粧品があります。
ピリピリを引き起こしてしまう化粧品の特徴を見ていきましょう。
アルコールを含んでいる
肌に刺激を感じやすいと自覚している人は、アルコールを避けている人も多いでしょう。
「アルコールはピリピリする」という情報は今や常識に近いのでそうしているという人もいるかもしれませんが、これは敏感肌の人にとっては正解です。
アルコールが肌にとって刺激となるのには以下のような理由があります。
・蒸発が早い(揮発性)のため、冷感を感じやすい
・揮発する時に周囲の水分を奪ってしまう
・強い殺菌作用がある
いちばんの理由は冷感にあるのですが、この時、周囲の水分を奪ってしまうため、元々角質層に水分が少なかった人は、その水分を奪われることによって角質が乾燥し、ツッパリを感じます。
これによってもヒリヒリした感じを受けることがあります。
また、化粧品を使った時ではなく、使ってしばらくしてからヒリヒリし始める時は、アルコールの殺菌作用により肌が刺激を受けやすくなっていることが考えられます。
先ほど、肌の最表面は角質層であるとお話ししましたが、実はそのさらに外側にもごく薄い膜が存在しています。
それは、皮脂膜という膜で、文字通り皮脂によってできている膜です。
この皮脂膜は純粋な皮脂でできているのではなく、大部分が皮膚表面に住んでいる常在菌が皮脂を食べて消化した後のカス、つまり常在菌の糞によってできています。
また、皮脂膜は肌を弱酸性に保っていますが、これがアルカリ性に傾くと、黄色ブドウ球菌やアクネ菌など、肌に刺激を与えやすい菌が繁殖しやすくなり、炎症を起こすことになります。
同じように、パラベンなどの強力な防腐剤を含んでいるものは、肌の常在菌にとって招かれざる客なのです。
紫外線吸収剤が含まれている
酸化亜鉛や酸化鉄などの紫外線散乱剤ではなく、サリチル酸オクチル、オクトクリレンなどの紫外線吸収剤を使用している化粧品は、それ自体も有機化合物で、紫外線を吸収するとあhだの上で化学変化を起こし、発熱します。
化粧品の中でも付けたとき、働いたときの刺激が強いのが紫外線吸収剤だと言えます。
医薬品成分である
一部の医薬品成分の中には、刺激=効果となっているものもあります。
例えばビタミンA誘導体であるトレチノインは、ターンオーバーを異常なまでに早めて、肌の細胞が育ち切る前に死なせることによって、肌の奥にある問題細胞の排出を早めます。
当然、健康な肌細胞も未熟なまま死んでしまうので、角質層は消え去り、生の未熟な肌細胞が露出したままの状態になります。
その間は何を塗っても刺激を感じます。
美白医薬品のハイドロキノンも、もとは劇薬出身という異色の成分のため、刺激があることを前提に使用しなければいけません。
医薬品は案外取り扱い注意の刺激成分が多いので、以前に処方されたものを、似た症状だからと勝手に使うのは絶対に避けましょう。