コスメの基礎知識

敏感肌コスメ(化粧品)の定義~コスメの基礎知識~

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敏感肌を自覚して真っ先に考えるのが基礎化粧品を考え直すことだという人は多いと思います。

今使っている化粧品は敏感肌に使っても問題がないのか、どの成分が敏感肌に良くないのか・・・敏感肌を自覚した人が化粧品を選ぶ際に抑えておきたい敏感肌コスメ選びの条件とポイントを解説します。

敏感肌のスキンケアに必要な化粧品の条件

敏感肌を改善するために必要な化粧品の条件として、外的刺激を防ぐこと、対処療法、根本療法の3つがあります。

それぞれに有効な成分例やそれぞれの効き方などをお話ししたいと思います。

紫外線などの外的刺激を防ぐ

肌への外的刺激として最も有名なのが紫外線です。
化粧品に使われる成分としては、大きく分けて紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。
日本でよく使われるそれぞれの主な成分の表示名は以下の通りです。

<紫外線吸収剤>
・オキシベンゾン-3
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
<紫外線散乱剤>
・酸化チタン
・酸化亜鉛

紫外線吸収剤のメリットは使用感の良さです。
成分自体が無色透明であるため白浮きやヨレがなく、ベースメイクに混ぜ込んでも使用感を損なうことがありません。

一方デメリットは変質が激しいということです。
紫外線吸収剤はその名の通り紫外線を吸収し、熱や赤外線に変換します。

この化学反応が肌の上で常に行われているため、紫外線を直接浴びるほどではないにしても、刺激が強いことは言うまでもありません。

上記3種類についても、厚労省の定める化粧品基準において、配合量や配合できる化粧品の種類が制限されています。

紫外散乱剤は鏡のように肌の上で紫外線をはじき返す働きをします。
吸収剤とは違い、自然界に存在する成分なので肌への刺激が少なく、防ぐ紫外線の種類も問いません。

紫外線散乱剤のデメリットは使用感の悪さです。
酸化チタンや酸化亜鉛は粒子が大きいこと、それ自体が白色であることにより、白浮きしやすいという難点があります。

しかし消費者が紫外線吸収剤を避けるようになり、散乱剤を配合するメーカーが多くなったことにより、使用感の改善が進んで、現在では紫外線散乱剤にもほとんど白浮きするものはありません。

かつてはナノ化技術を使用して透明感を高めていましたが、ナノ化原料の安全性が確実ではないため、現在では原料の粒子を小さくし、油脂でコーティングするという技術によって実現されています。

紫外線以外の外的刺激に特化した成分というものは少なく、ディセンシアの各ブランドに配合される特許成分ヴァイタサイクルヴェール、ファンケルのスキンバリア成分などがあります。

紫外線同様化粧品自体が刺激になっては意味がないので、添加物などが含まれている場合、事前にサンプルやトライアルで試してから使うようにしましょう。

弱っている肌をニュートラルの状態に戻す

外的刺激対策と同時に行いたいのが、肌内部から起こっている問題を根本的に改善し、問題を起こさない肌に導くという対策です。

根本的なケアとして有効なのは、植物成分です。
植物が持つ有効成分は、植物自体が自らのために生み出したもの。

植物から得られる効果として有名な抗酸化作用がありますが、これも植物自身が自分の身を酸化から守るために作り出したものです。

また、炎症が激化する根本原因として共に脳の視床下部にある自律神経や女性ホルモンの揺らぎがありますが、電気信号に変換されることなく直接視床下部に届けられる嗅覚によって、植物アロマの効果もダイレクトに作用します。

植物の成分は有機化合物と比べて肌への刺激もマイルドなものが多く、化粧品自体が外的刺激になる心配が少ないため、肌を回復させる化粧品として最適です。

表面化している炎症や症状を改善する

今ある症状を改善するために最も効果的なのは、医薬部外品有効成分であるグリチルリチン酸です。
グリチルリチン酸はその原料も漢方生薬に使用されるカンゾウ由来で天然のものであり、風邪や湿疹などの内服薬、外用薬にも使われる安全性の高い抗炎症成分です。

漢方薬に用いられる生薬原料やハーブなどの植物原料にも古くから薬用・薬草として使われてきたものが多く、オウゴンやカッコン、トウキ、ローズやラベンダーなどが知られています。

敏感肌には注意が必要な化粧品成分

敏感肌には強すぎる対処療法はご法度です。
紫外線対策では、先の項目でもお話しした紫外線吸収剤はできるだけ避け、美白やアンチエイジングなどの機能性を強調した化粧品は炎症が安定してから様子を見て使用する方が良いでしょう。

美白なら動物性プラセンタより植物性プラセンタ、アルブチンやビタミンC誘導体などの植物由来のものがおすすめです。

有名な美白成分ハイドロキノンは、実は厚労省が有効性、安全性を認めている医薬部外品有効成分ではないため、効果も肌への刺激も疑問点が多い成分です。

ニキビ用化粧品に配合される硫黄は解熱剤と同じように、ウィルスと戦うために起こっている炎症を無理に鎮める働き方をするため、敏感肌にはおすすめできません。

植物成分ではオレンジやレモンなどの柑橘系は朝のスキンケアに使うと日光に反応する可能性があり、夜のスキンケアには交感神経を刺激するなど、こちらも敏感肌には不向きです。

また、厚労省旧表示指定成分(指定添加物)については、サンプルやトライアルで十分に肌との相性を確認してから使用するようにしてください。

敏感肌改善スキンケアの優先順位

敏感肌を改善するには外的刺激を防ぐこと、対処療法、根本療法の3つの対策が必須です。

その優先順位は風邪の治療を考えるとわかりやすいでしょう。
まずは風邪を引きやすい外的環境を改善すること(外的刺激を防ぐ)、ウィルスと戦う体力をつけること(根本療法)、あまりにもつらい場合は解熱すること(対処療法)です。

敏感肌は肌悩みというよりは内科的な症状だと考えるとわかりやすいでしょう。

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