コスメの基礎知識

単なる保湿剤じゃない!敏感肌のケアにセラミドが良い理由とは

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数年前に美容業界に現れて、あっという間に保湿成分としての地位を築いたセラミド。

保湿にはセラミドというほど浸透したセラミドですが、何がそれほど保湿に良いとされているのでしょうか。

セラミドという成分の特徴と役割、敏感肌への働きを知って、日々のスキンケアにより効果的な取り入れ方をしましょう。

保湿成分として有名なセラミドとはどんな成分?

コラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿成分と同じように、突如すい星のように現れて保湿成分界の主役に躍り出たセラミド。

やはりコラーゲンやヒアルロン酸のような働き方をするものだと何となく考えている人も多いのではないでしょうか。

セラミドは、人間の皮膚細胞が生まれるとき、その細胞中に含まれている脂質が、皮膚細胞の成長に伴って酵素と合成され生まれる細胞間脂質を構成する要素のひとつです。

 

こういうとなんだかややこしいですが、最終的には死んだ肌細胞である角質細胞を、肌の上でつないで肌バリアとする脂質の一部となります。

もっと簡単に言えば、ヒトの体の中から生まれる肌バリアの一部です。

セラミドと同じように角質を接着する役割を持つ細胞間脂質の構成要素には、コレステロールや遊離脂肪酸などがありますが、構成比率としてはセラミドが最も高く、細胞間脂質の約6割を占めます。

 

つまりセラミドは、肌を守る上で必要不可欠な存在なのです。

セラミドの種類

セラミドには現在確認されているだけで11種類が存在します。

それぞれに微妙に違う特性があり、現在判明している役割は以下の通りです。

セラミド1・・・水分保持効果、外的刺激からのバリア効果

セラミド2・・・優れた水分保持効果

セラミド3・・・水分保持効果、抗シワ効果

セラミド4・・・角質層形成機能

セラミド5・・・角質層形成機能

セラミド6・・・水分保持効果、代謝促進効果、抗シワ効果

セラミド6Ⅱ・・・水分保持効果、代謝促進効果、抗シワ効果

セラミド7・・・細胞分裂の促進、常在菌コントロール

 

また、セラミドには「天然セラミド」「ヒト型セラミド」「疑似セラミド(セラミド様物質)」があります。

天然セラミドはその名の通り天然の植物や動物から抽出されたセラミドで、スキンケア成分として最も高い効果を発揮し、ヒトの皮膚への刺激も最も低いと言えます。

「コメヌカスフィンゴ糖脂質(米由来)」「ガラクトシルセラミド(馬由来)」「ヒマワリ種子エキス(ヒマワリ由来)」

 

医薬部外品や機能性化粧品に配合されることの多いヒト型セラミドは、セラミドの中でも「セラミド1」、「セラミド2」と成分表記されるものです。

ヒトの細胞間脂質に存在するセラミドに近い構造で、その働きも限りなく人間のセラミドに近いと言えます。

原料は酵母なので、刺激も少なく肌への親和性は最も高いセラミドです。

 

疑似セラミドはセラミドに似た化学構造を持つ石油系合成成分です。

安価で品質が安定しているため、他の2種類のセラミドのように細胞間脂質としての働きは期待できませんが、高い保湿能力を持つ保湿剤として配合されていることがあります。

成分名は「ヘキサデシロキシPGヒドロキセチルヘキサデカナミド」「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」などがあります。

敏感肌におけるセラミドの働きと外から補う意味

セラミドは体の中から生まれる脂質で、肌バリアを構成する成分の一部だというお話をしましたが、なぜそのセラミドが「保湿成分」と認識され、外から補うことによって敏感肌をケアしてくれることになるのでしょうか。

セラミドを構成要素とする細胞間脂質は、角質層を形成する接着剤の役割をしているということに触れましたが、もう少し詳しくお話ししましょう。

 

角質層は、細胞間脂質と角質細胞、NMF(天然保湿因子)が重なり合う構造になっています。

これをラメラ構造と呼びます。

細胞間脂質とNMFは、角質細胞が生まれたときすでに、その元となる水分や脂質を内包しているのです。

いずれ角質細胞となるその皮膚細胞の内用液は、成長して肌表面に押し出されていく段階で、酵素の働きによって分解・合成され、細胞間脂質やNMFとして働ける形になります。

 

ところが肌の内部に炎症があったり、紫外線などの刺激を受けると、この分解・合成がうまくいかず、本来なら肌細胞が失活した段階で、その残骸を接着してラメラ構造となるべき細胞間脂質とNMFがその働きをしなくなります。

ただでさえダメージを受けている肌は、肌バリアを構成できずにさらなる刺激を受けることとなり、その症状はどんどん悪循環します。

 

外側からセラミドを補てんするのは、一時避難的に人工の肌バリアを作ることに他なりません。

それがなぜ保湿になるのかというと、先ほどお話ししたラメラ構造自体が、水分を脂質と脂質で挟み込み、それを角質細胞が挟み込むという構造のためです。

セラミドはそれ自体、高い保水能力を持っているので、水分を引き寄せ、挟み込んで保持するということができるのです。

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