コスメの基礎知識

洗った瞬間肌が白くなる化粧品に継続的な美白効果はあるの?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

「洗った瞬間ワントーン白くなる」

「塗った瞬間肌が明るくなる」

そんな化粧品評を目にしたことはありませんか?

もしくは実感したことがある人もいるのではないでしょうか。

 

美白有効成分が入っている・いないに関わらず、あまりにも即効性の高いこれらの美白化粧品、どうしてこんなにすぐに効果が出るのか、その仕組みを疑問に思ったことがある人も多いでしょう。

実は、このような美白化粧品の即効性にはあまり知られていないメカニズムがあります。

その効果と本当の能力についてお話しします。

 

即効美白化粧品ですぐに肌が白くなる理由

塗って即効白くなる・・・という即効タイプの美白化粧品は、そのほとんどが、洗顔料やパックではないでしょうか。

そして、クレイを含むタイプのものが多いはずです。

 

これからお子さんの卒業式や入学式などを控えている人も多いと思いますが、そんな「いざ」という日の朝に使ってほしいのが、このようなクレイ含有の美白化粧品です。

 

使う前と使った後で明らかに肌のトーンが変わる、これらの化粧品には亜鉛が含まれています。

この亜鉛は、一昔前の日焼け止めが白浮きすると言われた原因でもあった白い粉状の成分です。

つまり、クレイパックなどによって肌が白くなるのは、クレイ中のミネラルに含まれる亜鉛が肌に残ることによって、白浮きしている状態なのです。

 

白浮きするのは亜鉛の粒子が大きいせいで、最近では亜鉛をナノ化して白浮きを押さえている製品も増えています。

そのため、ナノ化技術が使われている成分では肌が白くなることはありません。

もちろん、効果は亜鉛が肌に残っている間だけなので、持続するとか、長く使い続けることによってより白くなるということはありません。

 

そのため、いざという日の前日までは、医薬部外品などの美白有効成分配合化粧品でしっかりと美白ケアをして、当日はクレイ洗顔という風に使い分けてください。

 

亜鉛の隠れた美白効果

持続的な美白効果は全くない亜鉛ですが、どういうわけか、使い続けることによって肌が白くキレイに、そして強くなっていくことがあります。

その答えも、日焼け止めが白浮きすると言われていた時代があることにヒントが隠れています。

 

実は、亜鉛には優れたUVケア効果があります。

現在一般に販売されている日焼け止めには、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤という2通りのUVケア成分が含まれています。

亜鉛はその中の紫外線散乱剤の元となる成分なのです。

 

紫外線散乱剤は、肌にとって負担の大きい紫外線吸収剤とは違い、その名の通り金属の反射を利用して肌の上で紫外線の光を散乱させるUVケア成分です。

現在主流となっているのは、酸化亜鉛と酸化鉄の2つ。

その中でも酸化亜鉛は日焼け止め製品に含まれる主要UVケア成分となっています。

 

亜鉛配合の化粧品を使い続けることで肌が白くなるのは、肌に降りかかってくる紫外線を跳ね返してくれているからと考えられます。

 

亜鉛は敏感肌の改善にもひそかに役立っている

このように、使っている本人すら意図しないところで肌を紫外線から守ってくれる亜鉛ですが、実は敏感肌の改善にもひそかに役立ってくれています。

敏感肌が繰り返したり慢性化したりするのには以下のような3つの要素があります。

 

1.肌に炎症が起こる

2.角質層が薄くなる

3.刺激を受けやすくなる

 

敏感肌は肌の内部で常に小さな炎症が起こっている状態です。

炎症が起こっている肌は、皮膚細胞の命が終われば角質層の一部となるはずの細胞液を作る酵素が働きにくい環境で、結果的に肌をまもるはずの角質層が薄かったり未熟なまま剥がれ落ちたりしやすくなります。

そうすると、外的刺激を受けやすくなり、炎症を起こしてさらに状況は悪化してしまうのです。

 

実は、亜鉛にはそんなサイクルのすべてに作用する特性があります。

まず、1の状況を抑えるのが消炎効果。

亜鉛は火傷の治療薬としても用いられるほど炎症を抑える能力に優れています。

 

そして、2の段階に対抗するのが、ミネラル成分の得意分野である肌保護作用です。

クレイなどに含まれるミネラルの多くは、肌の表面で瓦のようにぺたりと並んで膜を形成し、肌を保護する能力を持っています。

 

そして、物理的刺激に加えて紫外線に対する保護作用もあるので、最も危険な肌への刺激を回避することができます。

 

注意したいナノ化亜鉛

意外にも「すぐ白くなる」という以上のホットな効果を持つ亜鉛ですが、注意したい点もあります。

1つは、ナチュラルな成分ではあるものの、ミネラルであること。

アレルギーを持つ人には肌荒れなどの危険性もあることを忘れてはいけません。

 

最も注意したいのが、ナノ化された成分です。

ナノ化された成分は、表皮細胞の間をかいくぐって、体内に浸透してしまう可能性が否定できないと言われています。

また、日焼け止めやファンデーションに使用される酸化亜鉛は、ナノ化されると肌に触れる面積が増えます。

コーティングされていないナノ酸化成分が肌に触れると、酸化触媒(酸化成分が他の物質に触れることによって、触れている物質にも酸化が広がること)ともなりかねません。

ナノ化された亜鉛は白浮きせず、使用感が良いのでとても多くの化粧品に配合されていますが、化粧品のHPを確認するなどして、ナノ化成分がきちんとコーティングされているかを確認してから使うと安心です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

人気の記事