コスメの基礎知識

実は根拠や効果がない?・・・間違いがちなスキンケアの常識

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美容の常識は目まぐるしく変化します。

この10年だけ見ても、スキンケアは汚れを徹底的に落とすことが最も重要だとされたことや、大量の水分を摂取することでデトックスできるなど、今となっては疑問符の付く常識が生まれては消えています。

 

現在これが美容のためだと信じて実行しているケアが、本当に肌にとって良いものなのか、医学的根拠に照らし合わせて確認していきましょう。

 

間違ったスキンケアって、具体的にどんなこと?続けると肌に起こるトラブル

「あなたのお肌がきれいじゃないのは間違ったスキンケアのせいです」というフレーズは、肌を気にする人ならさんざん耳にしたことがあると思います。

すでに飽き飽きするほどで、なんだか自分が責められている気分になってきます。

では具体的に何がどう間違っているかと調べてみても、大抵出てくるのは

 

・ごしごしこすらない

・メイクしたまま眠らない

・あれもこれもとたくさんのアイテムを使わない

・・・など、「そんなことしてないです」と言いたくなるものばかりではありませんか?

 

本当に常識化しているスキンケアの中に「間違ったもの」がなければ、肌悩みの原因はスキンケアではないはずです。

ここでは実際に「美肌に効く」とされているスキンケアの中で、医学的根拠がなかったり、肌にとって害になっているものを徹底的に調べ、まとめてみました。

 

冷水洗顔は毛穴を引き締めない

一時期女優さんやモデルさんたちが「実践している」として話題になり、常識化した冷水洗顔。

毎日続けることによって毛穴が引き締まり、女優のような毛穴レス肌になる―というものですが、冷水が毛穴を引き締めてくれるのは、時間にしてせいぜい30秒程度です。

肌の薄い人にとっては毛細血管が拡張し、赤ら顔になる危険性さえあるので、これまで通りぬるま湯で洗顔するようにしましょう。

 

化粧水を浸透させるために何度もパッティングするのは肌にとって刺激

こちらも「浸透しそう」「血行が良くなりそう」というイメージがありますが、肌にとってはマイナスです。

肌は外部からの侵入者を排除するのが存在意義の器官なので、化粧品は本来浸透しません。

ナノ成分など、一部最新の技術によって浸透する場合もありますが、本来浸透するはずのない深部にまで化粧品成分が浸透することのリスクは、臨床期間が短すぎるためわかっていません。

 

また、パッティング自体も肌への刺激となります。

例えば何度も同じ場所をたたき続けると内出血を起こしますが、これは血管にダメージを与えているということです。

当然周囲の皮膚にも刺激を与えていますが、これを修復するために毛細血管が発達し、やはり赤ら顔にあることがあります。

なぜ毛細血管が発達するかというと、免疫細胞を患部に運ぶためですが、その際、邪魔になるコラーゲン線維を分断して発達します。

 

その結果弾力がなくなり、シワっぽく乾燥したり、毛細血管が切れた場合は色素が沈着してシミのようになってしまうこともあります。

スキンケアはあくまで優しく、刺激を与えないように行うことが大切です。

 

化粧水の水分は油分でフタすることはできない

これは長い間信じられてきて、皮膚科医の間ですら疑問を持たない人も多かったスキンケアの常識です。

どうして油分で水分をフタすることができないのか、これは水と油の分子構造が違うからです。

みなさんは中学校の時にならった元素の周期表というのを覚えているでしょうか。

覚えている人は少ないでしょう。

 

この表の中で最も小さい原子が「水素」です。

みずはこの水素2つと酸素が結合したもので、非常に小さい分子です。

 

一方油脂の分子は水素と酸素、それに炭素が結合したものが鎖状に何十個もつながったものを1つの分子とします。

つまり油分は水分より大きく、水分は容易に脂の間をすり抜けることができてしまうのです。

スキンケアにおける油分の役割は、あくまで皮脂を補うためのもの。

水分を逃がさずとどめる能力はほとんどありません。

 

高SPFにはほとんど意味がない!SPF値測定裏の話

みなさんは夏になって今季の日焼け止めを選ぶとき、またリゾートに向かう際、日焼け止めをどんな条件で選びますか?

おそらく真っ先にSPF値を確認するのではないでしょうか。

このSPF、その数値が何を指しているのかご存知ですか?

 

SPFが表しているのは、日に焼け始めるまでの時間です。

人間の肌が紫外線によって日焼けを始めるのはおよそ10分~20分程度と言われています。

その日焼けまでの時間を延長できるのが日焼け止めで、SPF50なら、何もつけずに外出したとき、10分で日焼けし始める人なら500分(8時間半程度)まで延長できるというものです。

 

ただしこのSPFは、室温が18℃~26℃の安定した条件下において、背中への塗布によって測定されるのです。

夏の暑い中、風が吹いたり汗が流れたりといった、通常の条件で測られたものではありません。

つまり、結局はこまめに塗る必要があるということ、日焼け止めのSPF値を鵜呑みに、塗り直しを怠ると、しっかり日焼けしてしまいます。

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