冬の肌には乾燥が起こりがちです。
そんな時に欠かせないのが、肌の水分を蒸発しにくくしてくれるオイルですよね。
肌の保湿に使われるオイルには様々な種類がありますが、大きく分けて3つの属性があります。
毎日の食事にもよく使われなじみ深い植物オイル、肌なじみが良く植物にはない成分を持つものも多い動物オイル、最後が石油原料のミネラルオイルやワセリンです。
それぞれのオイルには、はっきりとした個性があります。
それぞれの長所と短所を知って、上手に使い分けましょう。
歴史が長くワイルドなパワーを持つ植物由来のオイル
ホホバオイル、椿油、ココナッツオイルにオリーブオイル・・・植物由来のオイルは美容効果も高く、非常に人気が高いものです。
人気の秘密には、いくつかの理由があります。
まず、種類が本当に豊富であること。
植物オイルは、植物の数だけあると言っても過言ではないほどの種類があります。
その植物それぞれの持つ特徴的な成分をしっかり持ったオイルは、植物が生きていた環境によってさまざまな効果があります。
例えばオリーブオイルが簡易的な日焼け止め効果を持っていることは有名ですが、これはオリーブの木が強い紫外線を受ける環境に生きているからなのです。
同じように、ココナッツオイルにはほてりを鎮める能力があります。
そのため、私たち日本人にとっては、日本の環境を耐え抜くための成分を持つ、日本の植物由来のオイルがとても肌に合うと言われています。
椿油や米油などは、実際に高い人気がありますよね。
また、植物のオイルには、その植物が持つアロマが含まれています。
このアロマには、香りによって直接自律神経に働きかけたり、香りを構成する様々な成分が持つ美容効果によって、肌を健康に導くという効果があります。
こんな魅力的な植物オイルですが、気を付けたいのは、植物は全ての組成が解明されているわけではないということです。
人間と同じ生き物のため、植物はとても複雑です。
複雑な組成の内、1つでも合わない成分があれば、アレルギーを引き起こしてしまうことがあるということです。
肌になじみやすく希少価値の高い動物オイル
動物由来のオイルは、植物より人間の肌に近い成分のため、すっとなじんで角質層に浸透しやすいのが特徴です。
そのため、とっても高い保湿力を持っているものも多く存在します。
代表的な人気動物性オイルは馬油やスクワランなどです。
植物オイルに比べれば種類は多くないものの、やはり多くの動物性オイルが存在しますが、美容に向いているの物はあまりありません。
美容向きの動物オイルの中でも、量産が可能なものはごく限られています。
日本では馬油ア有名ですが、エミューなどのオイルが人気の国もあります。
動物オイルは意外にも、植物オイルよりもアレルギーの可能性が低く、脂肪酸も少ないものが多いため、品質が劣化しにくいのが特徴です。
こんな動物オイルの欠点は、やはり動物を犠牲にしていることと、そのためもあり、金額が高いこと、希少なことでしょう。
このために動物が殺されてしまうようなことがないよう、使う場合も無駄にはせず、ゆっくりと使いましょう。
本当に危険なの?石油原料のミネラルオイル・ワセリン
石油系原料というと、賛否両論がありますね。
ミネラルオイルやワセリンは、高い効果と信頼を得てきた保湿成分のため、一概には否定できないと思います。
頭ごなしに「石油成分だからダメ」というのではなく、メリットとデメリットについてよく理解する必要があります。
ミネラルオイルは石油を精製して得られるオイルで、植物オイルや動物オイルと比べても、きわめて酸化しにくいと言えます。
そのため、3種類のオイルの中でも、最も品質に変化がありません。
一説には、未開封なら10年でも使えると言われているくらいです。
ワセリンはこのミネラルオイルの一種で、非常に純度の高い石油系オイルです。
戦後、先進国の女性が一気に化粧品を使うようになった頃には、ミネラルオイルで油焼けを起こす人が続出しました。
油焼けとは、精製の荒いミネラルオイルに含まれる不純物が、日光に当たることによって変質して日焼けのような現象が起こることです。
このイメージは数十年経っても完全には抜けきらず、今でもオイルを塗って外に出ると日焼けをするというイメージを持っている人は多いでしょう。
実際には今の日本の精製技術でミネラルオイルに不純物が残ることはなく、日焼けも起こりません。
ミネラルオイルを使用するメリットは、その組成が植物や動物を原料とするオイルと違い、とてもシンプルなことにあります。
例えばアレルギーで炎症が悪化してしまった時に植物オイルで保湿するのは危険ですが、そんな時に唯一使えるのがワセリンです。
ワセリンは原料が石油のみなので、石油にさえアレルギーを起こさなければ、少なくともアレルギーを悪化させることはありません。
もし、肌にひどい炎症が起こってしまったときは、「肌に優しい天然成分を」と思わずに、ごくごくシンプルな化粧水とワセリンで保湿する方が早くなる可能性は高いということです。