無添加コスメ、ノンケミカル、オーガニックに自然派・・・肌に優しい印象を持つコスメを形容する言葉はたくさんありますが、日本ではこれらを厳密に区切る明確な決まりはありません。
生活のロハス化が盛んなヨーロッパはコスメの基準にも厳しいイメージがありますが、実は消費者1人1人の判断にゆだねられる部分がとても大きい国がほとんどです。
例えばフランスでは化粧品をドラッグストアやバラエティショップなどで気軽に購入する人は少なく、薬局やカウンセラーのいるコスメカウンターで購入するのが主流です。
自分の肌に合ったナチュラルコスメを選ぶために必要な知識についてお話しします。
【目次】
ナチュラルコスメの選び方
2001年に薬事法が改訂され、化粧品の表示指定成分が撤廃、全成分表示が義務付けられて以来、化粧品を購入する女性は賢くならざるを得ない状況に置かれています。
全成分表示は「全ての成分を表示させるから、その成分が良いのか悪いのかは自分で判断してください」ということなのです。
以来、ナチュラル、無添加、低刺激、敏感肌用・・・肌に優しい印象を与える様々なジャンルが現れました。
ただ、これらの呼称には厳密な決まりはありません。
現に、アルコールや石油系合成界面活性剤がたくさん配合された化粧品に「マイルド」という名称が付いていることも珍しくないのです。
そんな中で、賢く敏感肌に合う化粧品を選び取っていく方法を、ナチュラルコスメ先進国の多いヨーロッパから学びましょう。
ヨーロッパでは「オーガニック=優しい」というイメージはない
意外なことですが、オーガニックコスメ発祥の地であり先進国でもあるドイツやフランスでは、オーガニックコスメに持つイメージが日本とはまるで違います。
日本では、オーガニックコスメは肌に優しい代わりに効果が出るのが遅いスローコスメであると思われていますが、ヨーロッパではほとんど正反対です。
ヨーロッパでは、オーガニックコスメは気を付けて使わなければ、急激な効果の代わりにリスクも伴う繊細なコスメと位置付けられています。
そのため、ヨーロッパでは化粧品に関する購入や使用の相談を、医療関係者や薬剤師に持ちかけるのが一般的です。
日本では、かぶれるなどのトラブルが起こるまで、化粧品を持って医師や薬剤師を訪れるということはしないため、どうしてもネットなどの情報に知識を左右されがちです。
また、日本では医師や薬剤師も相談されることが少ないため、化粧品に明るい人が少ないのが現状です。
コスメカウンターをたくさん回って、信頼できるカウンセラーを見つけると良いでしょう。
敏感肌向け化粧品を選ぶなら成分表示のチェックは必須
自分の歯だが敏感だという自覚があるなら、必ず成分表示は確認して購入するようにしましょう。
ヨーロッパでは、パッケージに無添加と書いてあるからと、成分を水に化粧品を購入することはまずありません。
敏感肌なら、合成界面活性剤やタール系色素が含まれているものはまず避けたいところです。
オーガニック認証マークのあるものや、天然成分100%の記載があるものは、これらの成分が含まれていることはありません。
また、アルコールには天然由来のものもありますが、乾燥肌には刺激が強いので避けた方が無難でしょう。
敏感肌は肌の声に耳を傾けた化粧品選びを
ヨーロッパのナチュラルコスメ選びは、肌の声を聞くところから始まります。
それというのも、ナチュラルコスメの役割が、肌本来の働きを呼び起こすものだからで、自分に足りない働きを知っていなければいけないからです。
日本では長時間入浴した後に「乾燥する」として、すぐさまスキンケアをする習慣がありますが、実はこの行動が、自分の本来の肌質を把握しにくくしている部分があります。
入浴は肌が乾燥する条件が揃っています。
ただ、一般的に言われているように「入浴後10分以内に保湿できるかどうかが勝負」などという事実はなく、肌は時間がかかっても元の状態に戻る力を持っています。
その状態の時に、自分の現在のニュートラルな肌状態をしっかり把握して、どんな肌の働きが足りていないのかを理解する必要があるのです。
肌は自律神経と共に生きています。
昼は守り、夜は補修する肌本来の働きをサポートしてくれるコスメを相棒に選ぶのがヨーロッパ流です。
ナチュラルコスメで肌が荒れたら・・・
ケミカルコスメは多くの人の肌に合うように作られています。
また、品質に揺らぎもなく、国産コスメのほとんどは、開封しなければ10年は使えると言われるほど劣化がありません。
その逆に、天然成分が原料の大多数となるナチュラルコスメでは、肌との相性ははっきり表れます。
食材で言えば、ヤマイモにかぶれる人とそうでない人のように、それは使い続けたからと言って改善するものではありません。
肌が健康な時にそうなってしまったら、いったんそのコスメは使用を中止して、できる限りシンプルな配合の保湿剤だけでスキンケアをするようにしましょう。
このような反応を「好転反応」とする論調も見かけますが、「毒素が排出されてニキビや吹き出物になる」という言い分は、肌の仕組みに反します。
好転反応も含め、根拠があいまいな部分をなんとなく「そうなんだ」と納得せずに、本当にそうなのか、それが自分の肌に合うのかなど、しっかり取捨選択していく賢い化粧品選びをしていく必要があります。