「身体の他の部分は肌がきれいなのに、顔だけはすっぴんで歩ける肌じゃない!」
そんな人は多いのではないでしょうか。
食事や睡眠、スキンケアなど、できる限り頑張っているのに、顔の肌だけがどんどん敏感になり、老けていくのは、起きている間の大半の時間、顔の肌を包んでいるメイクに原因があるかもしれません。
ここでは、敏感肌にとって刺激になるメイクアップコスメや、身体に危険のある注意したい成分についてお話ししたいと思います。
メイクアップコスメに使用される刺激の強い成分・要注意成分
肌に気を遣っている皆さんは、スキンケアコスメの成分に注意している人が多いのではないでしょうか。
では、メイクアップコスメの成分に、基礎化粧品並みの注意を払っている人は、どのくらいいるのでしょうか。
起きている間の大半を顔の肌と共に過ごすメイクアップコスメの成分は、スキンケアコスメと同じように、肌に影響を及ぼします。
メイクアップコスメの目的は肌をきれいにすることではありませんから、その影響は良いものばかりではありません。
それでは、メイクアップコスメに含まれる要注意成分にはどんなものがあるのか見ていきましょう。
タール系色素
今ではあまり見かけることも少なくなった「赤色○号」「黄○号」などの成分表示で表記される色素です。
石油系成分であり、それぞれに様々な危険の可能性が国内外で指摘されています。
例えばアメリカ食品医薬局(日本の厚生労働省にあたる)では、赤色2号や103号には発がん性やアレルギー発症の原因のひとつであると言われていて、赤色3号には甲状腺異常の原因となるとの見解が示されています。
また、イギリスの食品基準庁では、赤色40号、黄4号などが、なんと注意欠陥障害(発達障害の一種)の原因となることが指摘されています。
こうなると、もはや肌だけの問題ではなく、命や日常に関わってくる問題となります。
石油系色素はどんな色をも自由に発色させることができるものの、天然由来の色素より危険性が高いこともあるので、きちんとチェックして購入しましょう。
パラベン
化粧品成分の中でも「悪者代表」のイメージがあるパラベン。
一体どんな危険性があるのか正確に知っている人はどのくらいいるでしょうか。
実はパラベンには、体内で分解されにくく、吸収されればそのまま蓄積される可能性が指摘されています。
つまり、腎臓や肝臓の負担となり、アレルギーを引き起こす可能性が高いということ。
さらにこのパラベンには、乳がんの原因となる可能性があると言われています。
化粧品成分としての履歴が浅いため、危険性に関して長期使用の影響調査が十分でないのもあり、アメリカ食品医薬局でも「危険性は低い」とされていますが、同時に「体内への蓄積に対する懸念」も表明されています。
トリエタノールアミン
pH調整剤として化粧品に配合される成分です。
肌を乾燥させ、アレルギーの元となったりもします。
パラベンと同様に、長期の使用によって体内に蓄積されることがわかっており、毒性が高い成分と言えます。
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
アメリカでは乳幼児食品への使用が禁止され、多くの国で食品への添加が禁止されている成分。
DNAに変質を引き起こす可能性のある物質で、催奇性があると言われています。
催奇性とは、奇形を引き起こす性質のことで、有名なものでは睡眠薬のサリドマイドがあります。
こちらも、肌への危険性を超えた、注意が必要な成分です。
紫外線吸収剤
このサイトでも何度かお話ししている通り、日焼け止めには大きく分けて2種類の抗紫外線成分があります。
その2つの内ひとつ「紫外線吸収剤」は、その名の通り肌の上で紫外線を吸収し、化学変化を起こして無害化させます。
紫外線自体は無害化されますが、変質する際発生する熱が肌への刺激となると同時に、変質した成分が肌にアレルギーやかぶれを起こす危険性があります。
また、変質した紫外線吸収剤は、紫外線吸収能力を失うので、SPFを鵜呑みにして塗りっぱなしで長時間紫外線を浴びることによって、紫外線刺激をまともに浴びることになります。
石油系界面活性剤
勘違いされがちな界面活性剤ですが、現在多くの基礎化粧品に配合されている天然の界面活性剤は、牛乳やマヨネーズの水分と油分を混ぜ合わせているような、それほど強力な分離作用を持たないものです。
石油系界面活性剤はしっかりと混ぜ合わさって分離が容易でないような油分と水分をも簡単に剥離させるほど強力な力を持っていて、イメージとしては、食器洗剤の「さっとかけるだけで頑固な油汚れが浮いてくる」ようなものです。
当然、油分と水分が重なり合って保湿・保水されている肌表面もさっと塗るだけで分離します。
その結果、毎日保湿しても顔だけが乾燥しているということになります。
石油系界面活性剤には様々な成分名のものがあります。
・ラウレス硫酸アンモニウム
・ラウリル硫酸アンモニウム
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸ナトリウム
・パレスー3硫酸ナトリウム
・パレスー3硫酸アンモニウム
・・・
種類も豊富なので、書き切れませんが、心配な場合は「石油系界面活性剤不使用」などの化粧品を選ぶと良いでしょう。