敏感肌の基礎知識

体質別・敏感肌と戦う方法!・・・皮膚科で処方される漢方薬

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敏感肌の人にとって、漢方は気になる存在なのではないでしょうか。

病院に行ったけど、いまいちすっきり病名が付かなかった、原因がわからないからとりあえず自律神経失調症という病名が付いた・・・そんな状態の改善を得意とするのが漢方です。

 

アトピーやアレルギーなどを含む敏感肌、ある日突然肌トラブルが頻発するようになった肌の弱り目などにも、もぐらたたき方式の化学療法より、根本治療である漢方の方が効果を上げることがあります。

ここでは体質別に、敏感肌改善に良く効く漢方をお教えします。

自分の漢方体質を知らない方は、まずここでチェック!

 

漢方薬は患者の「気・血・水」の状態を診て処方される

西洋医学では、出ている症状から原因を推しはかり、原因を取り除いたり、症状を抑える薬が処方されます。

漢方薬では逆に、まず原因を突き止めようとします。

優れた漢方医、漢方薬剤師では始めに症状を聞くことなく薬を処方することもあります。

 

体全体の気・血・水の状態を把握すれば、どのような症状が出やすいかわかるからです。

気とはそのまま心の状態のことでもあり、エネルギーの循環状態のことも指します。

血は読んでそのまま、血の巡りのこと、水とは体水分の過多について判じます。

 

・気虚とはエネルギー不足、気滞とはエネルギーが滞留している状態

・血虚は血が足りず、於血は血が滞っている状態

・痰湿は水分過多、陰虚は水分が足りず熱がこもっている状態

 

気虚である陰虚という体質も当然あり得るので、同じ漢方薬の名前が出てくることもあります。

最も傾向の強い体質を優先し、次いで当てはまる項目の多い体質と照らし合わせ、けんかにならない漢方を選ぶことも上手な漢方薬選びのポイントになります。

 

気虚タイプの肌トラブルに効果的な漢方薬

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)・・・元気がなく疲れやすい体質を改善してくれる漢方薬

・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)・・・体力・気力がない、病後の疲労などの時に体力をつける漢方薬

・人参養栄湯(にんじんようえいとう)・・・こちらも気力・体力アップの有名な漢方薬

・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)・・・気と血のバランスを整える漢方薬

・清暑益気湯(せいしょえっきとう)・・・夏バテに効果的な漢方薬で、水の調整にも使用される

・六君子湯(りっくんしとう)・・・虚弱体質の改善に効く漢方薬

 

気滞タイプの肌トラブルに効果的な漢方薬

 

・香蘇散(こうそさん)・・・体力の落ちている中でも、熱がない人に処方される漢方薬

・大承気湯(だいしょうきとう)・・・便秘や精神の不安定に効く漢方薬

・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)・・・エネルギーの巡りを良くして、憂鬱な気分を改善する漢方薬

・通導散(つうどうさん)・・・於血の状態を改善する「駆於血剤」で、生理不順などにも効果のある漢方薬

・桂枝加竜骨牡蛎湯

 

血虚タイプの肌トラブルに効果的な漢方薬

 

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・血の巡りを良くし、冷え性、生理不順を改善する漢方薬

・温経湯(うんけいとう)・・・冷え性、生理不順、乾燥肌に効く漢方薬

・四物湯(しもつとう)・・・肌の保湿力を上げる効果があり、女性特有の冷え性、生理不順などに効果的な漢方薬

・十全大補湯

・人参養栄湯

 

於血タイプの肌トラブルに効果的な漢方薬

・加味逍遥散(かみしょうようさん)・・・疲れやすく、月経不順などがある体質の改善に効果的な漢方薬

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・・・血の巡りを良くし、冷え性などを改善する漢方薬

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)・・・便秘やあらゆる生理痛に効果的な漢方薬

・当帰芍薬散

・通導散

 

痰湿タイプの肌トラブルに効果的な漢方薬

 

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)・・・消化吸収を高め、余分な水を排出する漢方薬

・五苓散(ごれいさん)・・・頭痛・めまい・吐き気など幅広い症状に対応する漢方薬

・八味地黄丸(はちみじおうがん)・・・中医学の五臓(肝・心・脾・肺・腎)の内、腎の働きを良くする漢方薬

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)・・・滞った水を巡らせ、めまいや頭痛を取り除く漢方薬

・真武湯(しんぶとう)・・・めまい・ふらつき、冷えや下痢を改善する漢方薬

 

陰虚タイプの肌トラブルに効果的な漢方薬

 

・麦門冬湯(ばくもんどうとう)・・・咳や乾燥、喘息などを改善する漢方薬

・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)・・・熱のある風邪や気管支喘息などを改善する漢方薬

・杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)・・・ドライアイ・眼精疲労を伴う強い乾燥に効く漢方薬

・六味丸(ろくみがん)・・・陰虚への処方の基本となる薬で、他の薬と組み合わせて飲む漢方薬

・加味逍遥散

 

漢方薬は症状で選ばないこと

 

上記のように、肌に出ている症状とは一見関係なさそうな薬が「肌荒れに」と処方されるのが漢方薬です。

同じニキビでも漢方の考え方では、極度の乾燥が原因であったり、逆に油分過多が原因であったりします。

市販薬は簡単に手に入りますが、最低限、漢方医や漢方薬局でしっかりした診断を受けて、自分の体質を把握した上で選ぶようにしましょう。

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