コスメの基礎知識

美白成分には色んな効き方がある?症状に合った成分の選び方

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皆さんは、美白成分と聞いてどんなものを思い浮かべますか?

ビタミンC誘導体、プラセンタ、ハイドロキノン・・・。

 

実はそれらの成分が、それぞれに別のアプローチでシミに効果を発揮するのはご存知でしょうか。

美白有効成分の違いについて、それぞれご説明していきたいと思います。

 

シミができる仕組み

皆さんは、シミができる仕組みを知っていますか?

シミができるのには段階や経緯がいくつかあり、最終段階まで進んでも、シミとなって定着しないものもあります。

 

まず、シミになる一番初めの段階は、肌へのダメージです。

その原因には紫外線や炎症など、様々なものがあります。

 

ダメージを受けた表皮は、その刺激を肌の表面で止めるべく、情報伝達物質によって体内を守る指令を出します。

この指令を受けるのが、メラノサイトという、いわばシミの製造所となる細胞です。

 

体を外敵ダメージから守れという指令を受けたメラノサイトは、メラニンを生成する酵素、チロシナーゼを活性化させます。

 

この時生み出されるメラニンには、肌色のフェオメラニンと黒色のユーメラニンの2種類がありますが、肌色の色素が多いと色白に、黒色のメラニンが多いと色黒になります。

このバランスは、チロシナーゼの活性度合いによるもので、色白の人はチロシナーゼの活性が弱いということになります。

 

その後、生み出された黒色メラニンは、肌細胞の代謝と共に排出されますが、同じ場所にずっとダメージを受け続けていたり、何らかの原因でメラニン生成の指令が出続ける狂いが生じてしまった場合、肌に残ってシミとなります。

 

様々な方法でシミを予防・撃退する美白有効成分の働き方

このように、肌にシミができるまでにはいくつかのステップが存在します。

あまり知られていないことですが、医薬部外品などの美白有効成分は、そのステップのどの段階に効くのかによって種類が分かれています。

 

現在医薬部外品美白有効成分には20ほどの成分が認められていますが、最も多いタイプが「チロシナーゼ阻害剤」、次に多いのが「情報伝達阻害剤」、最も少ないのが「黒色メラニン還元剤」です。

 

それぞれの働き方についてお話しします。

 

チロシナーゼ阻害剤

美白有効成分の中で、最も多くの成分がもつ能力がチロシナーゼ阻害剤です。

その中にも、チロシナーゼ自体の働きを鈍らせるもの、メラノサイトからの指令を邪魔するものと、大きく分けて2つのタイプがあります。

 

すでにシミになってしまった黒色メラニンをどうにかする能力はなく、新しく生まれてくるメラニンをストップすることによって、シミが肌に残るのを防ぎます。

 

また、チロシナーゼの活性が抑えられると、黒色メラニンの発生自体が少なくなるため、使っているとだんだん色白になるという効果もあります。

 

チロシナーゼ阻害剤の効果はあまりに強力すぎると、メラニン自体が正常に作られなくなり、肌に白い色抜けを作ることがあります。

角質層が薄く、肌の防御能力が低い敏感肌の人は、できる限り天然のチロシナーゼ阻害剤を使用しましょう。

 

現在のシミがターンオーバーによって排出され切るまでが、遅くとも60日ですから、およそ2ヶ月使って効果がなければ、別の美白成分を試すことをおすすめします。

 

【チロシナーゼ阻害成分一例】

・アルブチン

・ルシノール

・コウジ酸

・エラグ酸

など

 

情報伝達阻害剤

美白成分の中でも、メラノサイトへの情報伝達をストップさせる成分が情報伝達阻害剤です。

予防効果が最も高く、副作用の心配も少ない働き方をする成分です。

 

情報伝達阻害剤にはカモミラETやトラネキサム酸があります。

トラネキサム酸は元々医薬品であり、肝斑にも効果があるので、自分のシミが老人性色素斑なのか肝斑なのか判断が付かない人にもおすすめです。

 

黒色メラニン還元剤

このページをご覧になっている多くの人が、現在あるシミをいち早く消したいと考えているのではないでしょうか。

実は、その願いをかなえてくれる美白成分はそう多くはなく、化粧品や医薬品による美白では2ヶ月から3ヶ月続けることによって、やっと効果を感じ始めるというのがほとんどです。

 

ただ、黒色メラニン・・・つまり現在黒い色素としてすでに存在しているメラニンを還元する能力のある成分だけは、目に見えているシミから優先的に効果を発揮します。

 

現在あるシミを還元できる成分は2つ。

ハイドロキノンとビタミンC(誘導体)です。

どちらも還元作用だけではなく、チロシナーゼ阻害効果も持ち、ビタミンCには情報伝達阻害効果もあります。

 

ハイドロキノンは、美白有効成分の中でも、元々が劇薬という難しい成分であり、非常に不安定で酸化しやすい上、肌にダメージを残さず美白することはほとんど不可能です。

安定型ハイドロキノンという成分もありますが、ハイドロキノンに糖などを結合させているため、全く別の物質となっています。

 

ビタミンC誘導体には副作用などの心配はありませんが、ビタミンCはやはり不安定な成分で、角質層にしっかりと効果を届けるまでに効力を失っていることが多く、また、柑橘系由来成分の場合、敏感肌には若干刺激が強い場合があります。

 

ビタミンCの効果はそのままに、肌に効果を届けやすく、安定したものがビタミンC誘導体です。

現在では、水溶性、油溶性、新型と、様々な種類があるので、またの機会に詳しくお話ししたいと思います。

 

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