ストレス多き現代女性を癒し、敏感肌改善の手助けもしてくれるアロマやハーブ。
体や肌に優しいと言われているこれらの天然成分ですが、実はとても強い力を持っています。
味方に付けば頼もしく、敵に回れば恐ろしい・・・そんな諸刃の剣ともなり得るアロマやハーブの正しい知識をお伝えしたいと思います。
【目次】
「アロマ=リラックス」「ハーブ=肌に優しい」は間違い
植物成分や天然100%の成分には、どういうわけか「効果が穏やか」というイメージがあります。
ところが、これは大きな間違いで、天然の成分は化学合成されたものとは違い、人間の手によって効果が調整されない分、強い力を発揮します。
人類の歴史が始まって以来、戦後まで数千年の間、人間は天然成分だけで医療を乗り切ってきました。
もちろん、漢方のような煎じ薬として使うこともあれば、麻酔のような外科的用途に使うこともあったのです。
化学成分がなぜ作られるのか
現代の化学合成された化粧品成分も、元をたどればほとんどが天然の成分をまねて、もしくは抽出して作られています。
このサイトでもご紹介したことのある成分では、蛇毒をまねて作られたシンエイクは疑似成分として有名です。
その他にも、頻繁にご紹介している抗炎症成分であるグリチルリチン酸やグリチルレチン酸は、カンゾウという漢方植物から抽出される成分です。
天然に存在する成分を、どうしてわざわざ科学的に作るのかと言えば、安価に大量生産するため、そして安定化するためです。
環境によって組成が大きく左右される天然成分は、ある年は有効成分が30%含まれていたのに、次の年には10%にまで落ちてしまうということがあります。
化学成分で疑似的にその有効成分を作ることができれば、毎年同じ品質のものを作ることができます。
つまり、化学成分と天然成分の違いは、一般に美容業界で言われているような「効果の速さ」「効果の強さ」などではないのです。
植物成分を使ったセラピー
こうしたアロマやハーブの知識は、興味を持って調べない限り得ることができないのが現状です。
一般的には「部屋でアロマを焚いていたらおしゃれ」「いいにおいがする部屋って素敵」というファッション感覚や、「ペットや赤ちゃんのために」というアロマはリラックスするためのものというイメージが強いのではないでしょうか。
アロマやハーブによるセラピーは認知度が高い割りに、その危険性は認知されていません。
植物などの天然成分には強い効果があるということ、成分それぞれに違った特性があり、気分に合わせて選んでいいものと、しっかり見極めて使うべきものがあるのです。
危険度の高いアロマの使い方
アロマの楽しみ方にはライトなものからしっかりとしたセラピーまでたくさんの種類があります。
化粧品に含まれる香料を楽しむのもアロマテラピー、天然植物オイルでできたバームを練り香水のようにして香らせるのもアロマテラピーの一種です。
これらの場合に考えられる危険性は、アレルギーや接触性皮膚炎です。
国産の化粧品などではまず考えられませんが、天然と言えどもブタクサやウルシなどのように、アレルゲンとなる可能性の高いもの、接触によって皮膚の刺激となるものが配合されていることがあります。
天然成分を多く含む化粧品を使う場合、必ずパッチテストを実施しましょう。
またアロマテラピー用に販売されている精油はそのまま肌につけないでください。
アロマ専門店などで希釈の目安が紹介されている(参考:アロマテラピーショップ夢香房)ので、そのまま肌に使いたい場合はこれらを参考に薄めて使いましょう。
アロマテラピーの中で最も効果が高いのが、ディフューザーやアロマポットを使って空気中に香り成分を広げるやり方です。
効果が高いということは、間違った使い方によって、望まない作用を得る可能性も高いということです。
アロマテラピーをインテリアのひとつとしてとらえる人の中には、狭い空間で一日中アロマを焚いているという人もいるでしょう。
これは危険な使い方なので、直ちに中止してください。
特に、赤ちゃんやペットなどは、成人した人間ほど内臓機能が強くありません。
例えば犬はネギ類を食べてはいけないということを知っている人は多いと思いますが、アロマによって吸い込むのも同じことなのです。
まだ口からご飯を食べていない赤ちゃんも同じで、自分の体内で分解できるものの種類は限定されています。
良かれと思って焚いていたアロマによって、アレルギーなどを引き起こす可能性も低くはありません。
アロマはその香りによって効果が違う
日本の現状では、アロマの効果が軽んじられる傾向があります。
アロマは香りによって効果が様々と言っても、「気分が上がる」「眠気が覚める」など、気の持ちよう程度の効果しかないと考えている人も多いかもしれません。
これは誤りで、実際にここ数年で、天然100%の虫よけや風邪薬、風邪予防アロマなども増えています。
漢方薬も薬局で調合してもらうものは天然100%ですから、その効果が「気のせい」ではないことがわかると思います。
よく言われるリラックス効果ですが、これはもう少し詳しく言えば副交感神経に働きかける効果です。
花のアロマにはこのリラックス効果を持つものが多いですが、葉や木のアロマには逆に交感神経に働きかけ、目が覚めるようなものもあります。
不眠を解消しようとして逆効果になるということも考えられるのです。
アロマオイルは1種類だけではない
ほとんどの人にとって「アロマオイル」は植物100%の香りオイルのことを指すと思います。
でも、一般にアロマオイルとして販売されている中には、全く植物アロマを含まない、合成香料のみのものも存在します。
当然、植物アロマに期待するような効果はなく、インテリアとして楽しむ芳香剤としてのみの役目を持ちます。
アロマオイルを頻繁に楽しもうと思うと、100%精油の値段にためらうこともありますが、混ぜ物の多いアロマオイルは合成香料を吸い込み続けることになるので、やはり敏感肌や赤ちゃんなどには注意が必要です。
効果があるからこそ危険への理解も必要な天然成分。
体や家族への危険、もちろん肌への刺激を避けるためにも、正しい知識を持って適切に使うようにしましょう。
アロマテラピーの注意点(参考:アロマテラピーエッセンシャルオイルウェブショップAROMA×AROMA)