たるみやむくみが気になる時に、ふと「リンパを流す」イメージでぐいぐいと肌を持ち上げたり、スキンケアの時に乳液やクリームなどの滑りを利用して塗り込むようにマッサージしたり・・・。
マッサージのようなハンドケアは、毎日の積み重ねでちょっとづつリフトアップするんじゃないかと思ってコツコツやっている、またはクセになっている人も多いと思います。
でも、ちょっと待ってください。
マッサージはスキンケアの中でも禁忌のひとつ、「肌をこする」ことに他ならないのではないでしょうか。
肌をこすることは、マッサージという名目があれば美容のためになり、洗顔はふわふわの弾力泡で、こするのは絶対NGというのは、矛盾するように感じてしまいませんか?
ここではセルフマッサージをするべき肌の見極めと注意点についてお話ししたいと思います!
エステの手技とセルフマッサージの違い
自分の手を使ったセルフマッサージは、エステティシャンが行う手技とは違います。
両者には一体どんな違いがあるのでしょうか。
エステでのマッサージ・手技
実はエステティシャンになるのには、国家資格は必要ありません(民間に日本エステティック協会・エステティックセラピスト協会の認定資格があります)。
ですから、以下のようなエステの特徴は、大手店やフランチャイズ店に多いというだけで、必ずそうとは言えないのですが、格安店などでない限り、おおよそこのようなものだと思っていただいて問題ないかと思います。
大手の専門学校には、ミスパリエステティック専門学校やたかの友梨美容専門学校などがあります。
大手エステ店では、それらの専門学校やOJTなどによってエステや美容の歴史から肌の仕組みなどの基礎的な知識を学んでいます。
中には数年かけて美容資格と共に学んでいるエステティシャンもいるので、化粧品の知識はもちろん、血液の流れや簡単なツボなども習得しています。
また、実際に顧客の肌を触る前には、先輩エステティシャンの肌で何度も力加減や流れなどを確認しています。
一見、見よう見まねでできてしまいそうでありながら、その手技には積み重ねた歴史や意味があるのです。
セルフマッサージ
人間はけがをすると「手当て」をします。
これは文字通り、手を当てることに鎮静作用があるからだと言います。
この手当ては、自分より他者のものの方が効果は高いのですが、自分の手を顔や髪に当てても心が落ち着く効果があります。
「わたしの肌、たるんでるかもしれない・・・」と不安になった時、ついつい頬に触れてしまうのは、リフトアップ効果を望む気持ちと、不安を解消したい思いの両方が重なって起こしているアクションナノ化もしれません。
ただ、この行動には皆さんもお気づきの通り、肌の刺激となる可能性があります。
たるみを気にしてぐいぐい上げたり引っ張ったりしている人は特に、力任せにプッシュしていることもあるのではないでしょうか。
これでは毎日のメイクを清潔なブラシで刺激にならないように気を付けて仕上げ、泡の洗顔でふんわりと優しく落としても意味がなくなってしまいます。
セルフマッサージが必要な肌とは
敏感肌の中でも、角質層が薄くて未熟な乾燥性敏感肌やアトピー、アレルギーの方にはセルフマッサージは向きません。
自宅でマッサージをする必要がある肌は、顔全体が黒っぽくくすんでゴワゴワと分厚い状態の肌です。
このタイプの肌は、血行が滞っていて、その結果代謝も遅れています。
死んだ角質層がまばらに顔表面にとどまってくすみ、新たな角質層の代謝を阻害しています。
ただ、肌のごわつきにはムラがあるので、ケミカルピーリングなどをすると、肌の薄い部分には刺激が強いということにもなりかねません。
敏感肌とは反対の鈍感肌とも言うべきこの状態の肌には、血行を促進して代謝のタイミングを伝える必要があります。
セルフマッサージの注意点
プロの手によるマッサージとセルフマッサージの違いは、一番始めの項目にも書いたように、肌や美容に関する専門的な知識を持っているかいないか、力加減や正確な血流の方向などを知っているかどうか、力加減などが大きな点となります。
理想的なのは、今はエステのお試しが安いので、フェイシャルのコースを体験し、力加減やマッサージの方向・順番などを覚えて帰ってくることです。
自宅でのマッサージには、
・血行が良くなるので、柑橘系やミントなど交感神経を刺激するアロマは使用しないこと
・マッサージ用のクリームを使用すること
・一度通った部分を何度もこすらず、滑らせるようにマッサージすること
・洗顔直後や湯上りの肌にはやらないこと
・事前に血流の方向をきちんと把握しておくこと
という点を気を付けるようにしましょう。
また、リンパマッサージは科学的には効果が認められておらず、知識なく触ると危険な部分でもあるため、科学的な裏付けがきっちりし、安全な方法が確立されてから行うようにしましょう。
それまでは、やはりエステティシャンの手技に任せて、プロの技でキレイにしてもらう方が良いでしょう。