マクロビオティック。
アレルギーやアトピーに悩んでいる人にとっては、すでに耳なじみのある言葉かもしれません。
玄米、菜食を中心とした、身体と肌に優しい健康美人食が、今じわじわと若い女性の間に浸透しています。
白いコメではなく玄米や雑穀、肉ではなく野菜。
そうした食生活は、肉類は時々食べる魚だけだった日本の伝統的な食生活によく似ています。
日本人にぴったり、更に肌にも健康にも良いマクロビオティックとはどんなものなのでしょうか。
【目次】
マクロビオティックとは
最近流行し始めたように思えるマクロビオティックという考え方は、意外にも昭和初期から存在していました。
その内容は、オーガニックコスメの創始者であるヴェレダのシュタイナー博士が提唱するオーガニック感と共通する点が多く、実践的な食生活の改善に、哲学・自然科学やエコ・ロハスなどの考え方がベースとなっています。
明治時代の食育や漢方の考え方、18世紀ドイツで生まれた長寿法など、多くの優れた思想や食養法が取り入れられている、進化した伝統医療と言えます。
その概要は
・地産地消(地元で採れたものを地元で食べる)
・旬のものを食べる
・できる限りオーガニックやワイルドクラフトの穀物、野菜、海藻や豆類を食べる
・主食は玄米や雑穀、小麦なら全粒粉が望ましい
・白砂糖は使用せず、メープルシロップやてんさい糖などで甘み付けをする
・だしは魚類を避け、昆布や椎茸でとる
・肉類、卵、乳製品を使用しない
・食材はできる限り丸ごと使う
・コーヒーは取らない
というものです。
昔ながらの日本の食生活に似ていると思いませんか?
ちょっと厳格ですが、解釈にはいろいろなものがあるので、肌の調子が悪いと思った時だけ、生理前の1週間、などと期間を定めて実行しても良いでしょうし、できる限りの実行でも現在よりは調子が良くなるはずです。
マクロビオティックがどうして美肌に効くの?
マクロビ的食事法は、ちょっとストイックですよね。
肉や魚、乳製品、アミノ酸調味料に砂糖・・・ときどき無性に食べい衝動に駆られるものは、ほとんど「ダメ!」ということになっています。
でも、現代アレンジではそこまで厳しくしなくても、濃い味付けのもの、ジャンクフード、あまりにも甘いもの、と、どう見ても健康に悪そうなものを毎日食べるのは我慢するくらいで良いのではないでしょうか。
ちょっと頑張っている自分も楽しめますし、あんなに毎日食べていたのに、あまり味も感じなかったジャンクフードやスイーツが、時々食べるととてもおいしく感じて大満足できてしまいます。
動物性タンパクと現代人の自律神経バランスは相性が良くない?!
マクロビオティックは思想と食事法が半々くらいの存在感を持つ考え方なので、この「気分」というのはとても大切です。
これは、オーガニックコスメにも通じる考え方で、敏感肌の大きな原因にもなっている自律神経のバランスを整えてくれます。
動物性タンパクにはアドレナリン産生を促すので、交感神経を刺激し、イライラしがちになったり、免疫過剰になったりするのです。
交感神経が敏感になっている間は、副交感神経が働きにくくなります。
副交感神経は、傷付いた肌の修復や血行を良くして代謝を促すなどの役割がある美肌の要。
ただでさえ夜型で日光を浴びず、働きづめの現代人は、肉中心の食事で副交感神経が働くチャンスをどんどん失っているのです。
動物性タンパクの消化にはエネルギーを大量消費する
肉食はダイエットに良いと言われているのを聞いたことがあると思います。
糖質を抜いて肉を食べなさいというのは、もはやダイエット思想の中心的存在のようになっていますが、これは動物性タンパクが消化に高いエネルギーを必要とするからでもあります。
動物性タンパクは消化に時間がかかり、他の食材よりも熱量が必要なため、消化器官に大きな負担をかけることになります。
当然、カロリー消費は大きいですが、食べすぎると胃腸を荒らすことになり、肌にも良くありません。
砂糖は糖化を促進する
以前、糖化についての記事を書きましたが、肌の老化の2大原因と言われるのが酸化と糖化です。
酸化が肌のサビなら、糖化は肌のコゲです。
糖だけに限りませんが、現代人は栄養過剰です。
余った糖は身体に残って細胞と結びつき、酸化と同じように細胞を固く変質させてしまいます。
また、年齢を経ると肌が黄色っぽくなるのも糖化のせいで、糖化が進むと茶色くなります。
地産地消は地域に優しいというだけではない
一見、思想的なものでしかないと思われがちな地産地消にも美肌につながる関係性があります。
大きな話をすると、日本人の体は、地球の向こう側である南米生まれの食材を上手に分解消化する力が備わっていません。
マクロビが小麦に若干厳しいのもそのためで、日本人にとって小麦食はそれほど一般的ではなかったことがあり、コメに比べて消化が苦手であり、消化器官や腎臓・肝臓に負担が大きいのです。
分解しにくい食材は、いずれアレルギーを起こす可能性が高く、敏感肌にもつながります。
ストイックで、何となくスピリチュアルな感じがして敬遠していた人もいるかもしれませんが、マクロビオティックは、50年ほど前まではごく一般的な日本の家庭食でした。
次回は具体的なマクロビ食・マクロビレシピをお届けします!