特に日光に当たり過ぎたわけでも、ちょっと難しい食べ物を食べたわけでもないのに、急に肌が荒れ始めた・・・そんな経験はありませんか?
それはもしかしたら、服用している医薬品の作用かもしれません。
今回は、深刻な病気ではなくても割と頻繁に処方される抗生物質や、敏感肌の人にはなじみ深いステロイドについて、どうして肌に影響が出るのかをお話しします。
【目次】
抗生物質で起こる肌のトラブル
抗生物質を服用しているときに起こる肌のトラブルで最も多いのがニキビです。
数日の服用では、むしろ肌トラブルが治まることが多かったように感じる人も多いのではないでしょうか。
ところが、1週間以上服用を続けると、ニキビや便臭などの悪影響が出始めます。
「副作用かも!」と思う人もいると思いますが、これは実は抗生物質の正常な作用、つまり「効能」であって、副作用とは真逆のもの。
抗生物質を処方される一般的な症状として、鹿の根幹治療後の腫れがありますが、これは密閉された根幹という部位に傷が付き、菌が増殖しやすくなっているため起きる症状です。
抗生物質にはその傷の治癒を早めるわけでも、菌を増殖しにくくするわけでもなく、増殖する菌を殺すという働きがあるのです。
その効果が発揮される対象はさまざまですが、多くは幅広い菌に対応する殺菌効果があります。
抗生物質がニキビの原因となるメカニズム1
ニキビができる原因はその殺菌効果のためで、本来肌のトラブルを事前に解決してきた善玉菌までもが殺菌されてしまうために起こるのです。
皮膚に住んでいる常在菌は、その多くが皮脂を好んで食べています。
ニキビの原因であるアクネ菌も、そもそもは感染を引き起こす黄色ブドウ球菌の繁殖を抑える善玉菌ですが、皮脂を好み、空気を嫌う性質のため、皮脂の過剰な人の毛穴に増殖しすぎるせいで、ニキビを引き起こしてしまうのです。
抗生物質が肌の常在菌を殺菌すると、アクネ菌も減り、最初はニキビが治り始めます。
ところが、食べる菌がいなくなった皮脂はどんどん毛穴に溜まります。
肌の常在菌バランスは抗生物質によって大きく勢力図が変わっているため、アクネ菌や悪玉菌が皮脂をエサにどんどん増殖するのを押さえられなくなることが考えられるのです。
抗生物質がニキビの原因となるメカニズム2
また、最近すっかり定着した「腸内フローラ」も、腸の中の常在菌のこと。
こちらも抗生物質によって殺菌されてしまったり、あまりたくさん生き残ってほしくない菌が残ったりして勢力バランスを崩してしまいます。
腸内細菌は、わたしたちが摂取した食事を分解し、胃腸で消化しやすくする、顔の皮膚と同じように胃壁や腸壁を守るなどの働きがあります。
そのため、悪玉菌が好む脂っこい食事ばかりをとっていると、胃腸が荒れたり、肌荒れが起こったりするのです。
抗生物質で腸内細菌のバランスが崩れると、やはり同じようなことが起こる可能性も上がり、通常よりも胃腸に負担がかかることによって分解されるべき成分が分解されず、そのまま吸収されてアレルギーや「リーキーガット症候群」などを引き起こすことがあります。
抗生物質は長期服用に向かない
こちらも最近すっかり知れ渡っている情報ではありますが、抗生物質はいつでも、どんなときでも、いつまでも効く薬ではありません。
抗生物質が効果を発揮する相手は「菌」という生き物ですから、慣れて進化することがわかってきています。
抗生物質を飲み続けることで「耐性菌」が生まれ、効果がなくなってしまうことが考えられるのです。
家に抗生物質があったから風邪を治すために飲む、ケガをして化膿してきたので以前処方されて残っていた抗生物質を服用するなどの勝手な服用は絶対にやめましょう。
また、処方された時、それが本当に必要な抗生物質なのか、試しに処方されているのかをきっちりと聞くようにしましょう。
肌荒れを治すはずのステロイドで肌荒れが悪化?!
ステロイドの難しさは、すでに敏感肌の人の多くが何となく知っているかもしれません。
アトピーの人、喘息を持っている人の中には、ステロイドを外用・内服共に使用しているという人もいるでしょう。
ステロイドによって引き起こされる肌の症状は様々です。
ステロイド皮膚炎と呼ばれているものですが、顔のむくみ(ムーンフェイス)、皮膚委縮、コメド、ニキビ、シミなど実に多種多様の問題が起こります。
それというのも、ステロイドは免疫を抑制する薬だからです。
普通、免疫とは「高める」ものだという認識の人が多いのではないでしょうか。
免疫の働きは、外から入ってくる刺激に対して、体内に侵入しないようにするための反応です。
咳や鼻水もそうですし、アレルギーも免疫反応です。
免疫反応は人間にとって快適なものではないことが多く、ステロイドを使用するのも、それを抑えるためです。
ただ、長期に使用することによって、押さえなくても良い免疫反応が抑えられることになります。
体内に侵入すべきではない外的刺激が侵入しやすくなるということです。
抗生物質もステロイドも、その効果と副作用が表裏一体となっています。
本来なら、菌の増殖も免疫の暴走も、人間の体内で解決できていたことですが、現代では人間の体に起きる症状自体が自然なものではなくなっています。
抗生物質やステロイドを全く使わない生活というのは難しいですが、すぐに薬に頼るのではなく、少し立ち止まって自然治癒力に任せることはできないか考えてみることも大切です。