敏感肌の基礎知識

角質層は美肌の砦!内側から育てる・刺激から守るスキンケア

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肌の最表面にあって、肌が美しく見えること、肌が実際に美しさを保っていることに関するカギを握っている角質層。

 

そんな角質層ですが、肌表面を守っているだけに、体の中でも最も傷付きやすい器官でもあるのです。

肌内部を守り、美しく見せてくれる敏感肌の強い味方である角質層の正しい守り方と育て方を知っておきましょう。

 

角質層の成り立ちと構造

人間の肌が皮下組織、真皮、表皮の三層構造になっているのを知っている人は多いと思います。

その内の表皮は、さらに二層構造になっていて、表皮と角質層に分かれています。

 

表皮の細胞は、生まれておよそ14日間でだんだんと外側へ押し出され(ターンオーバー)、細胞としての生命活動を停止します。

失活したこの表皮細胞を角質と呼び、角質は活動停止と共に漏れ出す細胞液によって繋ぎ止められ、表皮上に膜を作り、約14日間、内側の生きた細胞を守って剥がれ落ちます。

 

わたしたちは、この表皮が死んでしまってからの14日間の膜を、角質層と呼んでいるのです。

角質層は、表皮細胞の死がいである角質細胞と、角質細胞から溶け出したセラミドやコレステロールなどの脂質、それらの脂質が抱えている天然保湿因子という水分がレンガのような層となってできています。

 

角質層にダメージを与える外的な要因

角質層は約14日間かけてターンオーバーしますが、その厚さはなんと10〜40 μm、およそ0.01~0.04mm程度しかありません。

そのため、物理的な刺激でも簡単に傷ついてしまいます。

 

例えばスキンケアの時についついやってしまいがちなマッサージでも角質層は薄くなりますし、いつも同じ場所に髪が触れていれば、その部分の角質が荒れてしまいます。

 

また、洗顔やピーリングは、場合によっては角質層を失いかねない刺激になります。

 

角質層を守るために避けたい日常行動

具体的に角質層に刺激を与える日常の何気ない行動を集めてみました。

 

・合成界面活性剤でのクレンジング・・・合成界面活性剤は水と油を混ぜ合わせるので、角質層の構造が壊されてしまいます。

・洗顔時・タオルドライ時にこすってしまう・・・角質層は物理的刺激によっても壊されます。

・マッサージ・・・エステティシャンなどのプロでも力加減が難しいマッサージには手を出さない方が無難です。

・高い温度・長時間の入浴・・・角質と角質をつなぐ細胞間脂質は油分のため、高温に溶けやすいのでおすすめできません。

・貼って剥がすパック・・・セロハンテープなどを肌に貼って剥がしたことがある人は多いと思いますが、その時についてくる白い膜が角質です。貼って剥がすパックではそれと同じことが起こっています。

 

また、「角質培養」という考え方で、洗顔をしない、メイクをしないなどのケアをするという行動を推進しているサイトなどがありますが、その方法で培養できるのは、角質層ではなく酸化した皮脂です。

酸化した皮脂は悪玉菌を繁殖させる、活性酸素を発生させるなど、角質層にとっても表皮にとっても良いことがないので、洗顔とUVケアはしっかりと行いましょう。

 

ピーリングの危険性

角質を傷める日常行動の中でも最も危険なものがピーリングです。

ピーリングと一言で言っても、危険度の幅が広いケアですが、クリニックなどで行われている美容医療では、酸によって角質を科学的に溶かしてはがします。

 

自宅ででできるものでは、スクラブ入りのクリームやジェルでマッサージするというものや、角質軟化成分を配合したクリームなどがあります。

スクラブには○○岩塩など、塩が使われていることが多いですが、塩の結晶は非常に角ばっていて角質を傷つけます。

また、尿素やサリチル酸などの角質軟化成分なども、顔の薄い角質には不向きです。

 

「全てはターンオーバーが遅れているせい」とするスキンケア指導が流行したことがありましたが、敏感肌の人は、むしろ角質層が14日を待たずに剥がれ落ちたり、なくなったりすることが多いので、ピーリングはまず必要ありません。

 

角質層にダメージを与える内的要因

外的要因は、清浄に育った角質層を破壊してしまいますが、内的要因は角質層が形成されない原因となります。

角質の元となる表皮細胞には、角質となるまでにいくつかのステップを踏み、その間に分裂と合成を繰り返します。

 

この分裂と合成の間に、表皮細胞の中の細胞液も変化します。

その細胞液は、表皮細胞が死んで角質細胞になる段階で、セラミドやコレステロールなどを含む細胞間脂質の状態になっているのが正解なのですが、表皮に炎症があると、この変化が正常に行われない場合があります。

 

つまり、角質層が不完全なことによって表皮に炎症が起き、そのせいでまた角質層が正常に育たない・・・という魔のサイクルに突入することになるのです。

 

角質層を守るケアと同時に、スキンケアをグリチルリチン酸やトラネキサム酸などを配合した、抗炎症作用の強い化粧品に変えて、角質層を育てるケアも必要です。

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