肌の状態悪化のみならず、万病の素とも言われる酸化は、もはや聞いたことがない人はいないというほどメジャーな言葉になりました。
ところが、顔全体の若々しい印象の柱ともいえる真皮の弾力を奪い去ってしまう糖化については知らないという人がまだまだたくさんいると思います。
糖化最終生成物(AGE)を生み出して、真皮を急速に老化させてしまう糖化についてお話しします。
【目次】
糖化は体内の過剰な糖とタンパク質が結合して起こる
白米やパンなどの炭水化物や缶コーヒー、ケーキにスイーツ・・・。
女性が大好きな食べ物たちには、糖化の危険が含まれています。
食事などによって糖分を取ると、血糖値が上がります。
その時、糖を急激に摂取したせいで、処理が間に合わなかった分の糖は、体内のタンパク質と結合して糖化最終生成物(AGE)という物質になります。
酸化は細胞が錆びるという言い方をされますが、対して糖化は「焦げる」と表現されます。
その表現通り、糖化したタンパク質は、だんだんと黄変し、最終的には硬く茶色く変色・変質してい舞います。
この糖化は、健康面では糖尿病にもつながると言われ、肌にとっては見た目に直結する大問題となります。
糖化はタンパク質を変質させてしまう現象ですが、肌のほとんどはタンパク質でできています。
糖化した真皮は焦げたパンのように弾力を失って薄くなり、ターンオーバーが遅れます。
また、表皮は黄色くくすみ、肌の色ムラや影となってしまうのです。
弾力を失ってたるみ、黄色く変色した肌・・・まるでおばあさんのようだとは思いませんか?
糖化を起こさないおやつの食べ方とは
酸化以上に見た目に直結する糖化現象。
これを避けるためには、白米やおやつを避ける必要があるのでしょうか。
答えはNOです。
糖化を防ぐ食べ方にはいくつかのコツがあるのです。
糖化を避ける食事法1.こまめに摂取
叶姉妹は、美の秘訣として1日5回の食事を挙げています。
もちろん5回ともお腹いっぱい食べてしまっては、あのスリムな体形を維持することはできませんが、小腹が減ったらそのタイミングで少しづつ食べることによって、急激な血糖値の上昇を防ぐことができるのです。
家族を持っている、そんなに食事の時間を取る暇がないという人もいると思います。
その場合は、バッグにナッツ類やドライフルーツなどのおやつを持ち歩き、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間と、こまめに食べるようにすると、それぞれの食事の時に、血糖値の上昇を抑えることができます。
昼食後に急激に眠くなる人には、眠気を抑える効果もあるのでおすすめです。
糖化を避ける食事法2.低GI値の食事を目指す
最近では、生活習慣病の予防などの観点から、低GI(グリセミックインデックス)食が注目されていますね。
30代~40代の女性では、まだ糖尿病などの生活習慣病を意識している人は少ないかもしれませんが、この低GI食は、糖化予防にもなるのです。
GI値とは、食後の血糖値の上昇値を示す値です。
つまり、GI値が低ければ低いほど、血糖値はなだらかに上がって、時間をかけて処理されます。
GI値が比較的低い食品には
■野菜類
・ピーマン
・ネギ類
・きゅうり
・トマト
・もやし
■主食
・麦
・玄米
・全粒粉のパスタ
などがあります。
逆に高GI値の食品は
■野菜類
・ジャガイモ
・人参
・山芋
・トウモロコシ
・グリーンピース
■主食
・精白米
・食パン
・うどん
などです。
糖化を避ける食事法1と組み合わせて、朝食・昼食・夕食などたくさん量を食べる時には低GI値の食事を心掛け、間食に少しだけ高GI食を取り入れることで、我慢せずに血糖値の急上昇を抑えることができますよ。
糖化を避ける食事法3.時間をかけてゆっくり食べる
これは昔から言われていることですが、1口に付き30回以上嚙んで、ゆっくりと食事をすることで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
スイーツなどは歯ごたえがなく、ほとんど嚙まずに飲み込むことができてしまうので、さっと食べてサッと血糖値が上がります。
ちょっと小腹が・・・という時には、甘いものならドライフルーツ、塩辛いものならおせんべいのような、ちょっと嚙みごたえのあるものを選んで、味わって食べるようにしましょう。
酸化は還元できて、糖化は還元できない
糖化と対として語られることの多い酸化は、抗酸化物質によって防ぐことができ、一度酸化してしまっても、くすんだ10円玉や銀製品をきれいにできるように、元通りにすることができます。
ところが、糖化最終生成物は、一度できてしまえば焦げたパンを元に戻すことができないのと同じように、戻すことができません。
40代なのに黄色くくすんでたるんだ糖化肌になってしまったら、真皮が代謝するには数年かかってしまいます。
できれば80台になっても透き通るような白肌でいたいですよね。
そのためにも、スイーツや白米、ジュースにパン・・・どれもやめられないおいしさですが、肌や体のために、できればゆっくりこまめに少しづつ食べるように心がけましょう。