乾燥性敏感肌の人にとって、冬場は全身のかゆみと戦う試練の時。
そんな冬場のかゆみを少しでも改善したい時、真っ先に取り組みたいのがバスルームでの過ごし方です。
ボディの肌状態を劇的に改善する、バスルームでのスキンケアについてお話しします。
【目次】
入浴中はスキンケアのチャンスであり、トラブルを生み出す場でもある
「入浴中は毛穴が開いて成分を吸収しやすい状態になる」と言われることがありますよね。
実は、入浴中の肌が化粧品などの成分を吸収しやすくなるのは毛穴のせいではありません。
そもそも、どんな時でも肌は、真皮より深くに自然界にある成分を吸収することはほとんどありません。
肌が何らかの成分を含むのは、角質層と、深くてもそのすぐ下の表皮層の表面ぐらいのものです。
では、「入浴中に肌が柔らかくなって成分を含みやすくなる」というのはどうかというと、これは本当です。
まず、肌は丸1日同じ水分量なわけではないということが挙げられます。
朝の肌はどちらかと言えば油分が多く、夜になると水分を多く含んでいる状態になります。
肌は日中よりも少し柔らかく、水っぽくなります。
入浴は、夜にすることが多いので、多くの人は水っぽい肌の状態で、角質層にさらなる水分を含ませることになります。
入浴中、水の多くなった肌は、水溶性の成分を含みやすくなるというわけです。
見直すべき入浴法1.入浴剤
化粧品成分にはとても気を遣っていて、アイカラーやチークにだってタール色素は使わない!という人が、意外とやってしまいがちなのが、成分名に「黄色○号」「青色△号」と記載された入浴剤を半身浴に使ってしまうことです。
前項を前提として考えてみると、濃度は違えど、水溶性成分が入り込みやすい肌を、全身ドボンとタール色素が入った化粧品に付け込むような行為と言えます。
入浴剤が大好きな女性は多いと思いますが、実は化粧品よりも神経質に成分を気にした方が良いアイテムのひとつです。
見直すべき入浴法2.長時間・高温入浴
長時間の入浴は美容に良いとされることもありますが、乾燥が気になる肌にとって良いことはありません。
角質層は、角質細胞を油分と水分で接着させ合う構造でできていますが、入浴中はこの水分の割合が高くなっています。
長時間の入浴では、お風呂の湯温によっては皮脂や角質層の油分が柔らかくなって溶け出し、角質層の油分と水分の割合が変わってしまいます。
入浴後に著しく乾燥する場合、肌が大量に含んでいた水分を維持するだけの油分を失ってしまっていることが考えられます。
高温での入浴は、肌にも健康にも悪いと何となくわかっているけどやめられない・・・という人もいると思います。
その場合、唐辛子成分や炭酸ガスの入浴剤を使用すると、体感温度が2度ほど上がります。
見直すべき入浴法3.硬いタオルで肌を洗う
ティッシュで鼻をかむだけで、赤くなったり荒れたりする人はいませんか?
「だからちょっと高いけど、ソフトティッシュを使っている」という人も多いでしょう。
なのに、粗いティッシュよりも硬いタオルで体を洗っているのはNGです!
ベストなのは、ボディソープやせっけんをネットなどでしっかり泡立てて、手で乗せるように洗うこと。
また、毎日全身を隅々まで洗う必要はありません。
正中線と呼ばれる、胸や背中の真ん中、脇や関節の裏側などの汚れやすい部分を洗えば、あとはさっと流すだけでキレイになります。
見直すべき入浴法4.いい香りのするボディソープ
これも入浴剤と似た部分ではありますが、香りでボディソープを選んでいると、成分を見逃しがちになってしまいます。
できれば水溶性成分を含みやすい入浴中に使うボディソープは、無添加以上、弱酸性が望ましいでしょう。
この場合、無添加の条件は、最低でも
・アルコール
・合成香料
・タール系色素
の3つは不使用のものを選びたいところです。
浴室という場所柄、保存料としてアルコールが含まれているものが多いと思いますが、パラベンや刺激の少ない界面活性剤を使ってうまく菌を防いでいるものを探しましょう。
見直すべき入浴法5.入浴後は急いで保湿
上記の項目すべてを徹底すれば、肌は入浴後にそれほど乾燥することもなくなるでしょう。
でも、どうしても不安で、お風呂から上がったらすぐに化粧品をつけたくなる人もいるのではないでしょうか。
ここはぐっと我慢して、最低でも15分間は肌の様子を見るべきです。
それというのも、入浴後、肌が普段のバランスを取り戻すのが、早くて15分だからです。
肌が健康なら、15分そのまま置いておけば、乾燥して突っ張るように感じていた肌は元に戻るはずです。
2時間待っても乾燥してかゆみがひどく、突っ張理を感じる場合は、何らかの原因で皮脂分泌が衰えているか、セラミドが不足しているということです。
ひどいときは、肌の内側で炎症を起こしているかもしれません。
このように、自分の肌状態を正確に把握する唯一のチャンスが入浴後の2時間内なのです。
急いで保湿して隠してしまうのは、実はもったいないことなのかもしれませんよ。