美肌の元は食事から。
毎日の食事がわたしたちの体を作っています。
あまり努めて意識していない食生活のクセは、特に30代以降の肌には大きく影響します。
一般的な日本人の食生活の中でも、特に通常の食事だけでは厚労省が推奨する摂取量を満たすことが難しいのが、鉄分をはじめとするミネラル類です。
ミネラル不足が肌に及ぼす影響と、上手に摂取する方法についてお話ししたいと思います。
食事で補うことができていないミネラル、わたしたちの肌に引き起こすこと
最近肌の調子が悪い、肌の衰えを感じる・・・。
そんな時、あなたはどのように食生活を改善しようと思いますか?
想像にはなりますが、おそらく多くの人が「ビタミン(C、B1,B2、Aなど)類を意識的に摂取しよう」と思うのではないでしょうか。
「酵素(アミノ酸)をたくさん取るようにしよう」と思う人も多いでしょう。
でも、きっと「ミネラルが不足しているんじゃないか」と思う人はごくごく少数だと思います。
ところが、実際のわたしたちの生活では、ビタミンCよりもミネラルの方が不足しがちな現実があります。
厚生労働省の「平成26年の国民健康・栄養調査」の結果によると、30~39歳女性の食事摂取基準と推奨摂取量を比較した時、ビタミンCの充足率は69%、鉄は60%となっています。
また、カルシウムと亜鉛もそれぞれ62%、86.8%と100%に届かず、マグネシウムも68.6%と、高いとは言えない数値になっています。
このように、実際には不足していながら、ビタミン等と比べて肌への影響を軽視されがちなミネラルですが、ビタミン類ほど直接的ではないにしろ、大きな影響があるのは確かです。
ミネラル不足がわたしたちの肌に及ぼす影響
体の大部分を構成するタンパク質と違い、ミネラルは人間の体のわずか4%を占めるに過ぎません。
そのほとんどが体の中で作られるものではなく、食事によって摂取する必要のある栄養素です。
主な働きは
・歯・骨などの形成
・体液量のバランス調整
・代謝促進
・肌・粘膜の新陳代謝
・合戦酸素の除去
・神経機能の維持・調整
・タンパク質合成
・血圧や体温の調整
という8つです。
現在、人間の体を保つために必須と言われているミネラルは、鉄、カルシウム、亜鉛などの主要ミネラル7種類と、微量ミネラル9種類の、合わせて16種類です。
その中でも、特に不足すると肌に直接影響するのは、亜鉛、マグネシウム、ヨウ素などです。
亜鉛・・・代謝を促進するミネラル。摂取しやすいが排泄されやすい。排尿によって流れてしまうため、こまめな摂取が必要。
マグネシウム・・・タンパク質の合成に必須のミネラルで、ターンオーバーに関連する。
ヨウ素・・・エネルギー代謝を促すミネラル。不足すると肌がくすみがちになり、太りやすくなる。
その他にも、コラーゲン生成を促進し、抗酸化能力を持つ銅や、代謝を促進するマンガンなど、肌に直接影響を与えるミネラルはたくさんあります。
ミネラル不足が間接的に及ぼす肌への影響
実はミネラルの中には、取らない方が良いものも存在します。
水銀や鉛、ヒ素などがそれに当てはまりますが大量に摂取すれば毒物として命にかかわる重大な中毒を起こすこれらの物質も、食事の中に微量含まれていることがあります。
水銀は皮膚炎、鉛は貧血など血行の障害、ヒ素は色素沈着の原因となります。
それぞれあまり増えると肌荒れを起こし、アレルギーや便秘などを引き起こします。
これらの有毒なミネラルは、カルシウムやマグネシウムなどの有益なミネラルが不足した部分に入り込むように増えます。
つまり、有益なミネラル不足は単純に足りないことの影響を肌に及ぼすだけではなく、有害なミネラルを呼び込むことで悪い影響まで及ぼしてしまうということになります。
ミネラル不足の回避法
食事によってミネラルを取るのは基本ですが、それだけでは十分量を摂取するのは難しいでしょう。
必要に応じて、サプリメントやドリンクなどで補うようにします。
ミネラルを多く含む食材は以下の通りです。
亜鉛・・・納豆、牡蠣、豚レバー、牛もも赤身肉、など
マグネシウム・・・乾燥海藻類、米ぬか、甲殻類など
ヨウ素・・・海藻類、魚類、貝類など
また、ミネラルはたくさん排出してたくさん摂取し、循環させることが有害なミネラルを滞らせないポイントです。
食事やサプリメントによって意識的に有益なミネラルを摂取し、水分をたくさん取って循環させることを意識しましょう。
有毒なミネラルは、食事によっても摂取されますが、以下のような条件でも体内に入り込みます。
・アマルガム製の銀歯
・排気ガス
・タバコ
・殺虫剤
・PM2.5
・残留農薬
・防腐剤
・アルミ缶やアルミ製調理器具
マスクをしたり、調理器具をステンレスに変えるなど、これらの条件に合致する生活習慣をできるだけ減らすことも重要です。
肌のくすみやニキビ、肌荒れがどうやっても改善しない人は、一度ミネラルについて見直してみてはいかがでしょうか。